高魂路歩録
この世の利器には柄に宝石を填めていた。
古来からの宝石には想能(スランナン)と呼ばれる思念が詰まった魂でできていて、あらゆる祭りや戦い、占いなど様々な事象に深く関わっていると考えられている。赤は炎、青は水、黄は土、緑は風、紫は毒を象徴していて、その組み合わせやバランスによって禍福をもたらしたと騒がれていた。
また、その5つの宝石が集まめて剣に填めたものを高魂剣(クァウゴェンキョス)と呼んでいた。
劔使いは高魂剣を求め奔走するも、手に入れた者は紀元前何千年も前から数えても巻物の1巻にも満たないほどしかいない。
それも、大部分は手に入れて直ぐにこときれていた。それほど厳しい話である。
多くの劔使いは、長安(ダンアール)から四川・天府(スリィトゥロン・フリンファ)、青海・三江源(ツァェンファ・サムクァングァル)、雲南・拓東(グヮンナーム・フラァクトォン)、など西部(スネェルバッ)へ目指し、長く苦しい訓錬(グヮンラン)を乗り越える。
今日もまた、高魂剣も求め四川や青海まで目指すものが現れた。