テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#原因は自分にある。
宇空#🎹,🐈⬛
34
#原因は自分にある。
バディ乃杜バディ子
26,254
「俺……思い出せそうな気がする……。」
かなめは頭を押さえたまま、その場にしゃがみ込んだ。
「かなめ!」
りょうたも慌てて隣にしゃがむ。
「無理に思い出そうとしなくても──」
「違う……。」
かなめは苦しそうに首を振る。
「無理に思い出してるわけじゃない。」
「勝手に……浮かんでくるんだ。」
夕焼け。
この公園。
ベンチ。
緊張して何度も深呼吸をした自分。
目の前には、りょうたがいた。
『……ずっと言えなかったことがある。』
頭の中で、自分の声が響く。
「……っ。」
かなめは目を閉じた。
『俺は……りょうたのことが好き。』
その瞬間、記憶が一気につながった。
りょうたが驚いた顔。
「かなめ……?」
返事を待っていた時間。
そして、公園へ向かう途中。
「車……!」
かなめは大きく息を吸った。
「思い出した……。」
「全部。」
りょうたは目を見開く。
「本当に……?」
かなめはゆっくりとうなずいた。
「俺、ちゃんと告白してた。」
「それで……。」
少し照れくさそうに笑う。
「返事を聞く前に事故になったんだ。」
りょうたの目に涙が浮かぶ。
「思い出したんだ……。」
「うん。」
かなめはりょうたを見つめた。
「全部。」
「忘れたくて忘れたわけじゃなかった。」
「ちゃんと覚えてる。」
その言葉を聞いた瞬間、りょうたは安心したように涙をこぼした。
「よかった……。」
「本当によかった。」
かなめはそっと笑う。
「ごめんな。」
「一人で悩ませちゃった。」
りょうたは涙をぬぐいながら首を振る。
「違う。」
「かなめだって大変だった。」
「だから謝らないで。」
二人はしばらく黙ったまま夕焼けを眺めていた。
やがて、かなめが少し照れたように口を開く。
「さっきさ。」
「返事、聞いた。」
「うん。」
りょうたも照れくさそうに笑う。
「俺も、かなめが好き。」
「ちゃんと伝えられてよかった。」
かなめは思わず笑みをこぼした。
「じゃあ……。」
「これは返事ってことでいい?」
りょうたは少しだけ照れながら、
「うん。」
と答えた。
「じゃあ改めてりょうた。俺と付き合ってください」
その短い一言に、かなめは自然と笑顔になった。
「こちらこそ。よろしくお願いします。」
二人は照れくさそうに笑い合う。
以前のような距離ではない。
でも、焦ることもなく、少しずつ歩いていけばいい。
そこへ、少し離れた植え込みの向こうから聞き覚えのある声がした。
「……終わった?」
「もう出てもいい?」
「あー、じゅん! 声大きい!」
「だから待てって言ったのに!」
りょうたとかなめが振り返ると、じゅん、たかと、こうさく、かずと、まさやの五人が気まずそうに姿を現した。
「……みんな。」
かなめが苦笑する。
じゅんは頭をかきながら笑った。
「心配だったんだよ。」
「ちゃんと話せたみたいでよかった。」
たかともほっとしたように息をつく。
「これでようやく、七人そろって前に進めるな。」
夕焼けの公園に、七人の笑い声が響いた。
それぞれが悩み、それぞれが支え合ってきた時間は、きっとこれからも変わらない。
そして、かなめとりょうたもまた、新しい一歩を踏み出したのだった。
コメント
1件
ああーもう、やっと来たって感じだわ! かなめが記憶取り戻して、しかもちゃんと告白してたって判明したシーン、胸熱すぎる。りょうたが涙こぼすとこでこっちも涙腺緩んだわ……。最後にみんなが植え込みから出てくるところ、ちょっと笑ったけど、それも含めて七人揃って前に進める終わり方、すごく好き。お疲れ様でした、いい話だった🔥