──────いえもん視点──────
(あー、ちなみに。)
天使と名乗るそれは衝撃的な話の後だと言うのにも関わらず、脳天気な声で続ける。
(どことも争わなかったり、戦争しないのであれば、我々が直接で下す。)
深く息を吸い込んでいることが伝わる。一泊開けて、続ける。
(──生かされていることを忘れるなよ?)
直接、目の前にいるかのように圧が掛けられた声は、深く、重くのしかかる。
脳内で突然ぷちんっと音が鳴ると同時に、先程までの声は聞こえなくなる。それと同時に全身を脱力させる。
どうやら、面倒くさいことになってしまったようだ。
「…え?本当にどうします?」
れいまりさんはその声が途切れるや否や、すぐに全員の意見を求める。
俺もそれは気になっていた。それはそうだろう、俺たちはほとんどの人、というか全員違う種族なのだ。この場合、俺達は元の種族につくべきなのか、それともこのメンバーで頑張れば良いのか。
「…私は死んでも師匠について行きますよ。死なば諸共、です。」
レイラーさんは笑顔でそんなことを言う。もはや狂気じみている。しかし、レイラーさんは本気のようでその目には仄暗い光を灯し、めめさんと敵対する、なんてことをいえばすぐにでも殺す殺意を感じた。昔の俺ならば多分動けなかっただろう。
「…私も、ついて行きます。恩がありますので。」
みぞれさんは冷静に、そのように答える。しかし、内心不安や、焦りなどもあるのだろう。冷や汗や、声の震えなどを隠しきれていない。嘘がわかりやすい。それだからこそ、村民からの信頼や信用を得ているのだろう。
「まあ、私は察してください。わかっての通りです。」
れいまりさんはそっぽを向いて言う。あなたから話題を振ったんだが?という疑問はさておき、おそらくだがガンマスさんにつく、ということだろう。しかし、この場にガンマスさんはいない。そして知る由もないのだ。
「わたすは…わたすも、ガンマスさんについて行きます。救っていただいた方なので。」
茶子さんは申し訳なさそうに俯く。まあ、ここで茶子さんを責めるのならば、それはれいまりさんを責めるのと同義である。責れば、その2人が敵対すると思うとそんなことは出来ない。
「私は…そうね、めめ村側につくわ。茶子、ごめんなさいね…。」
菓子さんは申し訳なさそうな表情を茶子さんに浮かべ、そんなことを言う。少し、というか意外だった。正直、菓子さんは茶子さんにつくと思っていた。…心変わり、というものだろうか?…判断に困るものだ。
「んーん。大丈夫。菓子の好きな通りにしなさい?私達は、姉妹だから。いつでも頼って!」
「…ありがとう。茶子。でも、頼るのはどちらかと言うと茶子の方じゃないかしら?」
「あはは…まあ、甘えさせたりはできるから!」
姉妹のほのぼのとした会話は、戦争を目前とした会話とは思えないほど呑気なものだった。まあ、戦争、なんて言ってもひどく現実味がないものだが。
「…めめ村。ウパの仇はとる。たとえ元仲間であっても容赦はしない。」
ラテさんは簡潔に、そして、それ以上の殺意を短い文でまとめる。決意は固い。しかし、冷静を保っている。短気のイメージがあったため意外だ。…いや、それはウパさんがいた時だ。ウパさんの死をきっかけに変わったのかもしれない。…死をきっかけに変わるとは、なんとも残酷なものだ。
「んー?まあ、めめさんについて行ったら面白いことばっかだったし…めめさんにつきますわー」
八幡さんは怪しげな笑みを浮かべ、んまっと言葉を発する。本当に何を思い、なんでつくのか…俺には理解することは出来ない。おそらく理解出来るのは心を読めるれいまりさんくらいではないだろうか?
「まあ、ぽれはめめ村につきますよ…。同族も結構食べちゃったので…。行く所ないですし」
…凶暴。俺がこの人に抱く一番最初の感情だ。可愛らしい顔立ちや、低身長、くま耳という可愛いものを詰め込みました、みたいな見た目で生きているものを食べる…。ギャップ、で済まされていいものでは無いだろう。せめて、同族は食うな、なんてツッコミを心の中で行う。
次は、なんて思えばこの場でまだ意志、立場を公言していないものは俺だけだった。いつの間にか随分と人数が減ったものだ。なんて感傷に浸る前に、俺の番だということを思い出す。
「俺はもちろんめめさんにつきますよ?逆に人間側につくと思いますか?…絶対に嫌ですよ?」
そう言うと、そりゃそうだろう、という空気が流れたのを感じる。まあ、何となく分かってはいたのだろう。最後、と言わんばかりに視線をめめさんに向け、その意見を全員が待つ。
「…私達はめめ村、という区分で出られませんか?どうせ聞いてるんでしょ?」
「そりゃね?」
めめさんの問いに答えを出すかのように高い声が聞こえる。その声は聞き覚えがある、と言っても俺が知っている天使なんて数人程度…いや、あの人たちを天使と言っても良いのか…。というレベルでしか知らない。
「どうも。お久しぶりでーす!」
ここで切ります!いやー文章量が!!2000文字って…普通にキツくないですか?てか、平均的な文字数ってどれくらいなんですかね…?
まあギリギリなので!ここら辺で!
おつはる〜!!
コメント
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なるほどぉ
誰だぁ!?