コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
期末試験を目前に控えた放課後。 教室の窓際では、チー牛君が静かにノートをめくっていた。
隣の席のボクっ娘は、そんな彼をじっと見つめている。
ボクっ娘「チー牛君、またそんな真剣な顔してる」
チー牛君「……期末だしな。当たり前だろ」
ボクっ娘「ボクなんか、ノート見ても数字が踊ってるもん」
チー牛君「お前、勉強する気あるのか……」
ボクっ娘は机に突っ伏して、頬をふくらませる。
その様子を見て、チー牛君はため息をつきながらも、少し笑った。
チー牛君「……しゃーなし、今日うち来るか。教えてやるよ」
ボクっ娘「えっ、マジ!?ボク、チー牛君先生に習えるの!?」
チー牛君「……そんなテンションでくるなよ」
でも、その日、彼の心はほんの少しだけ浮き立っていた。
勉強会スタート
夕方、チー牛君の部屋。
机の上には教科書とノート、そしてお菓子とペットボトルが並んでいた。
ボクっ娘は制服のまま、正座してノートを開いている。
ボクっ娘「先生、今日はどこから教えてくれるのですか!」
チー牛君「……そのテンションで集中できるか怪しいけどな。まずは数学」
ボクっ娘「うわぁ、一番苦手なやつ……」
チー牛君が問題を説明し始めると、ボクっ娘は真剣に頷く――
が、数分後には鉛筆をくるくる回して遊び始めた。
チー牛君「おい、聞け」
ボクっ娘「き、聞いてるよ!ほら、二次方程式の“にじ”のとこ!」
チー牛君「……お前、そこは“平方完成”って言うんだよ」
ボクっ娘「似てるじゃん!」
チー牛君「似てねぇよ……」
そう言いながらも、チー牛君の口元には微かに笑みが浮かんでいた。
彼女が真剣な顔をしようとして空回る姿が、なんだか愛おしかった。
休憩タイム
一時間ほど経った頃、ボクっ娘が机に突っ伏した。
ボクっ娘「……もう脳みそが溶けそう……」
チー牛君「早すぎだろ」
ボクっ娘「チー牛君、勉強する時ってどうやって集中してるの?」
チー牛君「……好きなアニメのBGMかけると落ち着く」
ボクっ娘「あ、それならボクも知ってる!チー牛君がよく見てるやつ!」
彼女はスマホを取り出して再生ボタンを押す。
部屋に、二人が好きなアニメの穏やかなピアノ曲が流れる。
ボクっ娘「これ聞くと落ち着くね」
チー牛君「……ああ。なんか、不思議と頑張れる気がする」
二人はしばらく音楽を聴きながら、同じ教科書を覗き込んだ。
距離は少しずつ近づき、肩が触れるか触れないかの距離で、時間がゆっくり流れていく。
もうひと頑張り
再び勉強を始めると、ボクっ娘の表情が少しだけ変わった。
先ほどまでのふざけた顔ではなく、真剣なまなざし。
ボクっ娘「チー牛君、これ合ってる?」
チー牛君「お、ちゃんとできてるじゃん」
ボクっ娘「やったー!ボク、やればできる子かも!」
チー牛君「……最初からそれでやってくれ」
彼女の笑顔を見て、チー牛君は少し照れたように顔を背けた。
でも、そんな彼の横顔を見ながら、ボクっ娘は小さく呟いた。
ボクっ娘「……チー牛君が教えてくれるから、頑張れるんだよ」
チー牛君「え?」
ボクっ娘「な、なんでもないっ!」
その後も、二人の勉強会は続いた。
笑いながら、時々真剣になりながら、少しずつページを進めていく。
夜の静けさと小さなご褒美
気づけば時計は夜の九時を過ぎていた。
ボクっ娘は伸びをして、大きなあくびをする。
ボクっ娘「ふぁぁ……眠くなってきた」
チー牛君「ほら、今日はもう終わりにしよう。頑張ったな」
ボクっ娘「えへへ……ボク、チー牛君に褒められた」
ボクっ娘は笑顔でペンを置き、机に顔を埋めた。
チー牛君はそっと毛布を取り出して、彼女の肩に掛ける。
チー牛君(心の中)「……ほんと、こいつには敵わないな」
彼女が小さな寝息を立て始めるのを見て、チー牛君は机に残ったノートを片付けた。
そのページには、ボクっ娘が頑張って解いた問題と、彼がつけた「◎」の印がいくつも並んでいた。
翌朝の余韻
翌朝、ボクっ娘は目を覚ますと、自分の前に置かれた一枚のメモを見つけた。
「お前の頑張り、ちゃんと見てた。
しゃーなしだけど、俺もちょっと誇らしい。――チー牛」
それを読んで、彼女は頬を染める。
ボクっ娘「……しゃーなし、かぁ」
ボクっ娘(小さく)「ボクも、チー牛君と一緒なら、しゃーなしでも頑張れるんだよ」
朝の光がカーテン越しに差し込み、机の上で二人のノートが並んで輝いていた。
それは、確かに「一緒に頑張った証」だった。