※死ネタ要素有り?
※エセ関西弁
※キャラ崩壊
※ご本人様とは関係ありません
あの日から3日経った。
俺も普通に生活できるくらいには回複した。
記憶を探ってみて分かったことが色々ある。
まず、この世界だ。
この世界は、おそらく俺が生前やっていた乙女ゲームの世界だろう。
というか、ほぼ確定でそうだ。
王家や学園、土地など、諸々が乙女ゲームの世界と一致しているのだ。
この世界について軽く説明しておこう。
俺が転生したのは乙女ゲーム『逆境の荒れ地に咲く一輪のカモミール』の世界。
乙女ゲームの趣旨としては、様々な理由で苦しむイケメン達を平民出身のヒロインが救っていき、親密度を深めてゆく…といった話だ。
ルートは主に5つ。
1つ目は王道の俺様イケメンの王太子、ルシファー・レオハルトルート。
2つ目は武術の達人の公爵家の次男、アイル・ディアエルルート。
3つ目は魔法の天才の公爵家の長男、セリノス・ヴァイラルート(ちなみにこいつは悪役令嬢の弟である )。
4つ目は神の頭脳を持つ男爵家の長男、オリヴァー・エーベルルート。
そして、5つ目は謎多き音楽家の侯爵家の長男、rbr・ストリフルート。
この5人の持つ心の傷を、ヒロイン、リヴェルが癒していくのだ。
リヴェルは平民出身だが、持ち前の明るさと優しさでヒーロー達と親密になっていき、周りにも認められていく。
だが、それをよく思わない人間もいた。
悪役令嬢、ジェリーヌ・ヴァイラだ。
彼女は取り巻きを巧みに使い、リヴェルを徹底的にいじめた。
自分の手は汚さずに。
人の使い方が上手かったから、それを使えばもっと他の才能を開花させることが出来た のにと何度も思った。
物を隠させるは朝飯前。
暴言を吐かせたり、根も葉もない噂を流させたり…
ゲームの終盤では階段から突き落とさせたりもした。
まぁ結局は悪事がバレて破滅していくのだが…
とまあ、ゲームの内容は何の変哲もないごく普通の乙女ゲームである。
そして、なぜ男である俺が乙女ゲームの内容をこんなに知っているのか。
理由は簡単。
生前やり込んでいたゲームだからだ。
最初にハマったのは妹だった。
このゲームの王太子に恋をしたというのだ。
妹に勧められ、渋々やってみたのだが、俺は一度やったゲームは全て攻略しないと気がすまない性質。
rbr・ストリフのルートを攻略すれば、フルコンプリート、というところまでやり込んだ。
気づけば俺は妹よりゲームに詳しくなっていた。
…なんていう話はどうでもいいんだ。
そんなことよりも聞いてほしい。
俺が転生したのが悪役令嬢の取り巻きだったという話を。
「悪役令嬢の取り巻き」やで!?
ヒーローでもヒロインでも、悪役令嬢ですらない、「悪役令嬢の取り巻き」、sho・マグナート…
ゲームでは名前すら出てこなかった。
まさか、名前が俺と一緒だとはな。
なんでそんな微妙な役に転生してしまうのだろうか。
どうせメインキャラじゃないのなら、平民とか、小さな子爵家の子息とか、もっと普通なのが良かった。
「はぁ…運悪ぅ…。」
ポツリと口から溢れた言葉は、誰にも拾われることなく床に落ちていった。
…………
「それでは、お大事に。」
白衣を着た初老の男が出ていった扉を見つめる。
あの日の言葉通り、初老の男はやってきた。
ちなみに、初老の男は掛かりつけ医らしい。
思ったよりも回復が早かったらしく、2週間後にある学園の始業式にも間に合うだろうと言っていた。
…学園、か……
ここでいう学園とは、パルマーレ学園のことである。
この世界では貴族は大抵の者なら魔力を持っており 、平民にも稀に魔力を持つ者が生まれる。
その、国中の魔力を持った15歳から20歳の者達が魔力の扱い方や武術、学問を学ぶのが、パルマーレ学園である。
この体の、sho・マグナートも学園に通う3年生だった。
そう、「だった」のである。
shoは悪役令嬢の取巻きと言えど、優しい人間だった。
ヒロインをいじめていたのも、悪役令嬢ジェリーヌに命令されてのこと。
ジェリーヌの父親がshoの父親の上司であったため、ジェリーヌを敵にまわすとどうなるか分からない。
shoは逆らうことが出来なかった。
もしここで、完全に悪に染まってしまえば、shoはこんなにも苦しまずにいられたのかもしれない。
優しいshoは、良心とジェリーヌや父親からの圧との板挟みに苦しんだ。
ヒロインをいじめるのは己の心が許さない。
だけど、逆らってしまえば、ジェリーヌや他の取り巻き達にいじめられる。
父親からも、何を言われるか分からない。
shoは強く耐え続けたが、最後には壊れてしまい、学園の屋上から飛び降りた。
そこに、たまたま彷徨っていた俺の魂が憑依した、というわけだ。
…学園には、正直行きたくない。
だけど、行くこと以外の選択肢はない。
これから始まる学園生活を憂鬱に思いながら、俺は再び目を閉じた。
3日経った…よね?
ま、いいや
経ってるっしょ
というわけで、第2話いかがでしたでしょうか
今回はほぼほぼ説明でしたね
次回は学園へ行きます
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