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この作品めっちゃ好きだったので嬉し いです!Xインストールできないので 他の作品を見ることはできないんです が、陰ながら応援してます🥰
[サンプル]
❤️
「りょうちゃんはさぁ、やさしいから、いっつも1回ヤったらおしまいなの!」
「ねえ、若井それ何杯目?」
「えーかぞえてないよそんなの、そんなことより、おれの話!」
ベロベロに酔っ払っているのだろう、いつもの数倍声も態度も大きくなってしまっている若井がぐりぐりと甘えるように頭を肩口に押さえつけてきた。ゴン、と大きく金属音を立ててビールが入ったグラスを机に置く若井の姿は仕事終わりのサラリーマンのようだけど、非常に可愛いその仕草に俺は必死に高鳴る胸の音に気づかれないかひやひやしていた。
仕事終わり、珍しくこのままどっか飲みに行こうという話になり適当に選んだ座敷式の居酒屋。
橙色の照明は目に優しく、気前の良さそうな店主と常連客であろうおじさんサラリーマンたちの談笑の声により、賑やかな空間は酒に弱い若井をさらに酔わせる要因のひとつになっているらしかった。その証明として、先程から若井は自分と恋人の性事情を恥ずかしげもなくぺらぺらと話している。
「涼ちゃんが性に潔白すぎる、って話でしょう?それで、若井はどうなってほしいのさ」
「おれは、もっと激しくしてほしいの!女の子じゃないんだし、1回くらいじゃへばんないっての!」
「えー。若井を思って優しく抱いてくれてるんだよ涼ちゃんは」
「……でも、俺、男だし。ぶっちゃけ終わったあとひとりでシないと…その…スッキリしなくて」
「……そうなんだ」
バカヤロウ。そんなの自分のこと狙ってる男の前で言うな。
もう限界。てかとっくにこっちの息子は臨戦態勢。理不尽だろうが、仕方ないだろう。こっちは十数年前から目の前の男に邪な感情を抱いてるんだ。
アルコールのせいか少しとろけた瞳や上気した頬。舌っ足らずな話し方に、いつもより狭めに設定されたパーソナルスペースにより触れ合う肩や腕。酒には割と強めだし自分の許容量を知っているから加減できる俺も若井と同じく酔ってるのか、ふわりと香ってくる若井の匂いにくらくらしそうだ。
こっちは数々繰り出されるあざとさMAX技のせいですっかりムラムラしてきているというのにまだ彼氏の愚痴を言う若井に腹が立ってきた。若井の話に適当に相槌しながら目の前のおつまみを口に入れていくと、ついに肩をグラグラと揺らされた。
「もとき?もとき!ねぇーきいてんのー!」
「聞いてるって。……ねぇ、そんなに言うならさ」
そこまで言ったところで、今自分が言おうとしている言葉は今後の俺らの関係性にヒビを入れるようなものだともう1人の俺が話しかけてきた。
それでも。俺は、巡ってきたチャンスは必ず無駄にしないタイプだから。
「俺が若井のこと抱いてあげようか」
「ねえっ、ほんとにいいのかなぁっ…?」
「今さら?もうヤる気満々なくせに」
ぐじゅっと音を立てて指を動かすと、また若井は喉を引き攣らして喘いだ。
あの後、微かに動揺した様子を見せながらも首を下に動かした若井の手を強引にとってすぐさま店を後にした。
適当に入ったホテルに着くなり、勢い任せにキスをすると、案外若井も乗り気なのか首に手を回してきた。俺は興奮が止まらなくて、性急だとは思ったが若井をベッドに押し倒した。
それから約数分後。涼ちゃんとの行為で慣れてるのか後孔を触られると存外簡単に感じる若井の姿に若干嫉妬しながらも、なんとか挿入できそうなくらいには穴をほぐせた。
「もときぃっ、ちゅー、ちゅーしてっ」
さっきの前戯で見つけた若井の前立腺をとんとんしていると可愛いことを言われた。
「はっ…若井は悪い子だね、いいんだ?彼氏がいるのに」
「もときがいったんでしょ、いまさらって」
「っ……、ふふ、たしかにね」
俺に組み敷かれて、おしりの穴をいじめられて喘がされている若井。間違いなくこちらの方が優勢なはずなのにどこかまだ余裕が残っていて小悪魔みたいな若井の様子にゾクゾクする。
あーかわいい。まさかこんな日が来るなんて。
「涼ちゃんと付き合いはじめた」って、花でも舞ってるんじゃないかと思ったくらい幸せそうな若井から聞いた時。自分でも体験したことの無いほど体の毛穴全てが開いた。
怒りと、悔しさと悲しさ、絶望で。
今でもあの時の感覚は忘れたことは無いし、失恋の辛さは一生癒えないと思う。
そんな俺は、今、 涼ちゃんと付き合ってる若井を抱こうとしている。人生何が起こるかわかんないな。これだからやめらんない。
「んん゙っ♡ふっ、う、ん!」
お願い通りにキスしながら後ろを攻めると若井から鼻から抜けるようなあまい声が漏れる。ほんの少しだけ強めに肉壁を指で押すとびくんっと体が大きく跳ねて、若井が達したのだと分かる。若井の白くて綺麗な肌にさっき若井が出した精液がかかる様子はなぜか、見てはいけないもののように思えてたまらず目を逸らした。
「前触んなくてもイけんだ、随分開発されてんね」
「…ちがう」
「?」
「自分で触りすぎて、いつの間にかそうなってただけ…」
顔を真っ赤にさせてそう言う若井。その瞬間俺の頭はもう沸騰したやかんのように沸き上がっていた。
もう無理。俺だいぶ我慢したよね。