第二話 燃えるぜ炎!!
テリと天の助。
のんびり旅をしているはずの二人は、相変わらず騒がしい日常を送っていた。
「……あのさ天の助、ちょっと黙って歩いてくれない?」
「えっ、オレ何かしゃべってた!? いやいやいや、しゃべってなくても存在感でうるさいタイプだなオレは!!」
「自覚あるなら控えて!!」
そんなやりとりを繰り返しながら歩く二人の前に、突然――。
ドォォォン!!
地面が爆発したように炎が吹き上がった。
そこから飛び出してきたのは、全身がメラメラと燃え盛る男。
「オレの名はファイヤーッ!!! 熱血の化身ッッ!!! 今日も世界を熱く燃やすぜぇぇぇぇッ!!!」
「熱い! 熱苦しい! 暑苦しい! 三拍子そろってるーッ!!」とテリがツッコミ。
その横で天の助は、すでに身体の半分が溶けかけていた。
「うわぁぁ! 熱血に当てられてオレ溶けてる!? おれ汁だくだく! テリ、タッパー持ってきてぇぇぇ!!」
「持ってるわけないでしょ!! ていうか汁だくだくって言うな!」
だがファイヤーは止まらない。
「勝負だぁぁぁぁ!! 熱血バトルで友情を確かめるぞぉぉぉ!!!」
問答無用でバトル開始。
――それから何時間も続いた。
燃え上がる拳、溶けかける天の助、ツッコミ疲れて息切れするテリ。
周囲はカオスそのもの。
しかし、ふと気づけば――。
「……あれ? テリがいない!?」
天の助が振り返ると、そこにいたはずの少女の姿はなかった。
次の瞬間、空に不気味な笑い声が響く。
「フハハハ! 我ら新毛狩り隊が、テリちゃんをいただいたぞ!」
現れたのはMブロックの雑魚兵たち。
テリは彼らに捕まって、どこかへ連れ去られてしまったのだ。
「な、なんだとぉぉぉ!! オレの相方でありツッコミ役であり良心であり……あとご飯を分けてくれる大事な存在を返せぇぇぇ!!」
「お前、最後の理由が一番本音でしょ!」と遠くからテリのツッコミが飛んできた。
こうして、天の助とファイヤーは共闘することになった。
毛狩り隊Mブロックとの激闘
道中、毛狩り隊の雑魚兵が次々と現れる。
「毛を狩るぞー!」
「毛を刈り取れー!」
「毛ガニを食べろー!」
「最後だけ違うだろ!!」と天の助とファイヤーが同時にツッコミ。
そして二人は、熱血の炎とおでんの汁で敵を吹き飛ばしていった。
敵の一人が「汁で倒されるなんて……俺のプライドが汁だくだぁ……」と消えていくと、テリの声がまた遠くから聞こえた。
「ツッコミ追いつかないからやめてぇぇぇ!!」
Mブロック隊長・スリープ登場
ついにMブロックの本拠地。
そこにいたのは、隊長スリープ。
眠たげな顔をしていたが、彼の能力は恐るべきものだった。
「……時間を操るのさ……おやすみ……」
その瞬間、天の助の動きが止まり、ファイヤーの炎がスローモーションのようにゆっくり揺れる。
「くっ……動けねぇ……!」
「うわぁぁぁ! オレの汁の落ちるスピードがコマ送りだぁぁぁ!! シュルル……ポタ……」
テリは檻の中で叫ぶ。
「二人とも! しっかりして!!」
しかし――。
ファイヤーは燃え上がった。
「友情の炎は、時間すら超えるッッ!!!」
そして天の助も叫んだ。
「オレの汁は時を超えるんだぁぁぁ!!」
「いや意味わかんないから!!」と檻の中から全力ツッコミ。
二人の熱血が共鳴し、時間の鎖を突き破る!
スリープは信じられない顔で倒れた。
「ば、ばかな……熱血が……時間を超えるなど……」
「熱血は物理法則を無視するんだよォォォォ!!!」
こうして二人はテリを救い出した。
旅の仲間に
解放されたテリは、涙を拭きながら言った。
「もう……アンタたち、勝手に盛り上がってばっかりで……ツッコミ疲れるんだから!」
ファイヤーは爽やかに笑った。
「いいツッコミだな! オレは思った……この二人と旅をすれば、もっと熱くなれる!!」
「いや来なくていい!!」と即ツッコミするテリ。
だが天の助は満面の笑み。
「やったー! これでボケが三倍だぁぁぁ!!」
「ツッコミの寿命が三分の一になるでしょ!!!」
こうして、天の助・テリ・ファイヤーの三人旅が始まった。
次なる騒動を求めて――。