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第2話:リンゴ屋の主人
前回のあらすじ
光のバイト先を襲った異星人。
それを撃退した光は世界を救う旅へと出発した…
「……これ、どこ向かったらいいんだ??」
街を行く人達に声をかけようにも俺は人に話しかけるのは苦手だ。
どうしようもない。
「おい兄ちゃん」
「はい?なんでしょうか、」
話しかけてきたのは強面のリンゴ屋の主人。
「兄ちゃんもしかして異星人ハンターか?」
そう聞かれて俺は首を横に振る。
そう言うと主人は少しびっくりした様子だった。
「…その割には戦い慣れてそうな体してんな、ん?その斧…ちょっと見せてくれねぇか?」
これのことか?
この斧がどうにかしたのだろうか。
「どうぞ…」
主人に渡すとじっくりじっくり見始めた。
「…ちょっと待っててくれねぇか?研いで来てやる」
「え、いいんですか?」
突然のことに少し驚く。
錆びていたからちょうどいい。
してもらおう。
「お願いします…」
「おうよ。任せとけ」
―数十分後―
「ほら、出来たぞ」
渡された斧を見るとピカピカになっていてとても錆びていたようには見えない。
新品のようだ。
「凄い…ありがとうございます!」
「どういたしまして。それと、異星人ハンターになりてぇなら本部に行きな。そこの門くぐって東京行きゃあすぐある」
「と、東京!?」
お察しの通り俺は東京に行ったことなどない。
行ったことあるところなんて熊本、大分、住んでた埼玉ぐらいだ。
「分かりました。行ってきます!ありがとうございました!!」
そう挨拶して手を振り、そこから去る。
「うは〜…門デッケェな、やっぱり…」
どれぐらいあるだろう。
マンション10階建てはあるんじゃないだろうか?
「…行くか!」
そして門をくぐる。
するとそこには広い草原。
ふわりと吹き抜けるそよ風。
知らない景色に俺は今、興奮している。
「東京、か。人多いだろうな……もちろん、異星人もな」
少し想像しながら歩き出す。
クシャッと音を出す草、ふわぁ〜っと体に当たる風にそよがれながら進む。
「…ほんとに近くだった、」
徒歩5分程で着いてしまった。
少し冒険を期待した俺はなんだったんだろうか…
「ま、しゃーねーな。」
そう呟いて東京内へ。
ワイワイガヤガヤと。
人の声と機械の音、足音も。
「音が大量にありすぎて疲れる……お?」
見上げるとそこには。
「でっっか!!!」
マンション30階建てを想像して欲しい。
「…登録、行ってくるか!」
次話:黒髪メガネの少年
投稿予定:10⁄12