テラーノベル
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突然だが、虹と喧嘩した。きっかけは昨日の夜にした雑談だった。
「なあ雨。俺はさ、雨のあとに出るじゃん?」
「それがどうした」
「俺はさ、七色の光がきれいだって、人間がいつも話してくれてるんだ。だから、嬉しくて、ずっとこの仕事やってる。」
「、、、」
「良いよなあお前はさ。」
「え?」
「俺なんか、人間に嫌われてんだよ」
「人間はさ、俺が出る度に、いやだいやだとか、言われて。何ならてるてる坊主なんてもんつくられてさ。そりゃ、俺が必要なのはわかってる。けど、けど、、ッ」
「雨、、?」
「お前みたいな奴を見るとイラつくんだよッ、、!!誰にでも愛されてさ!!俺なんかとは大違いだ!!」
「、、、」
「、、そっか。ごめんね。じゃあ、君の元から離れた方がいっか。」
「じゃあね」
今思えば、何であんなことをい言ってしまったのだろう。ただでさえ嫌われものの俺には、虹しか友達はいないのに。しかも虹はあれからしばらく帰ってきていない。誰か他の相棒を見つけたのだろうか。あの輝く笑顔をみれないと思うと、少し、ほんの少し、悲しくなった。
次の日、俺は自分の部屋に籠った。本当は仕事があるのだが、体調が悪いと嘘をついて休んだ。ずっと、一人でいたいと思った。誰とも話したくない。ドアがドンドンと叩かれている気がして、震えて落ち着けない。こんなとき虹だったら、、きっと俺のことを慰めてくれただろう。背中を優しく叩いて、暴言をはいても、黙って聞いてくれるだろう。
でも、もしそれがあいつにとってプレッシャーになっていたら?
俺が勝手にあいつに求めてしまっていたのかもしれない。そう考えると、また息が苦しくて、クッションに顔をうずめる。誰にも聞こえないのに、意味もなくごめん、ごめんと繰り返していた。いつの間にかクッションはびしょびしょで、自分の惨めな声だけが部屋に反響していた。一人は好き。孤独は嫌い。そんな言葉もあったなと考えていたら、いつの間にか寝てしまったようだ。目が覚めると、カーテンの隙間から細い光が見えた。明るい。眩しいのでカーテンを閉めたいが、どうも動きたくないようで、体が動かない。また腕に顔をうずめ、虹のことをかんがえた。そうしたら、窓の外から、気になる言葉が聞こえた。
「ねえ知ってる?あの虹さんのはなし。」
「ああ、あの岩にこもってるって話?」
岩。ここら辺で俺らの体が入るような大きな岩は、一つしかない。そこに行って、あいつがいたら、あいつの本当の気持ちを聞けるかもしれない。諦められるかもしれない。あいつともう一度相棒になりたいと願ってしまっている自分を。そう思うとなぜか気力がわいてきて、一日ぶりに外に出る。相変わらず眩しい光で満ちていて、希望を感じる。そんな明るい方とは反対の暗い森の方へ歩いていく。だってあの岩は、こっちにあるのだから。途中で滑って落ちそうになるが、なんとかもう一回登り始める。すると目印のようにそこに存在する大きな岩があった。岩に近づくと、どうやらあの話は本当のようで、岩のヒビから七色の光が漏れていた。俺はそれのそばに座って、聞こえているかもわからないのに、話を続けた。
「なあ虹。一昨日のことは、、ごめんな。思えば俺、ずっと、お前に支えられてたんだなって思った。」
「なあ、、聞いてんのかよ、、聞こえてんなら返事しろよ、、」
何をしているのだろうか。自分でもわからない。
「、、、ごめん。俺なにしてんだろうな。明日、また来るわ。お前に届くまで、ずっと、ここに来るから、待ってろよ。」
そう言って帰ろうとしたときだった。ガシ、と後ろから腕を捕まれた。考える暇もなく、岩に引きずり込まれてしまった。
「ッ!?」
「ねえ、雨。」
「に、虹、、?」
「あのさ、さっきの言葉さ、俺のことが大事だってこと?」
「、、まあ、、俺お前がいないとダメだし、、」
「そっか、、」
ちゅ。
不意にあいつが口にキスをしてきた。急な出来事で、口が半開きの状態だった。それを利用して、あいつは舌を絡めてきた。
「んッ、ふうっ、、」
逃げようとしたが、手首を捕まれ、抵抗できなくなった。あいつの舌が口のなかで動く度に、ビクッと体が跳ねてしまう。
「あ、ぅあっ、、」
トントン。とあいつの背中を軽く叩くと、ようやく口を離してくれた。二人の口に銀の橋がかかって、プツリと切れた。
「ンフ、俺も寂しかった。」
「ふぁ、、」
なんなんだこいつは。こっちが振り回されてばっかりじゃないか。無意識なのか?メチャクチャキス上手かったけど、、
「良いよ、許してあげる。その代わりさ、、」
なんだと思っていると、左手の薬指に痛みを感じた。噛まれたのだろう。
「雨も、俺から離れないでって約束して。これ、指輪ね。」
「、、当たり前だろ。」
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