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見えないとこまで愛してよ

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見えないとこまで愛してよ

4 - season1 第3話 「中也、二度目の再会⁉︎ 三度目はなくってよ‼︎‼︎」

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2025年08月31日

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⚠️中太

⚠️急展開多め






すみませーん。

事務所の扉をノックする音と共に聞こえた、間延びした声。

先ほどの話題が話題であり、背筋に冷たい汗が伝う。


「こんな時間に誰かのう…。」


姐さんが首を傾げながらドアノブに手をかける。

もしこれがストーカーであれば姐さんが危ない。


「姐さッ_」


姐さんがドアノブをかちゃりと回した音が聞こえたのは、俺の腰がソファから離れた直後。

間に合わない。そう思いながらも声の主が此方に入ってくる前に、正体を拝もうと開いていく

瞬間をジッと耳を澄ます。


「おや、お主高校生かえ?」

「…はい。森事務所であってますか?」


「……は?」


姐さんの声が何処か柔らかになる。

相手は、声を張って話すタイプではないのだろうか。

もう少し距離がないと聞けなくらいの声量だ。

誰だろう。首を傾げて考えてみるも心当たりはない。

すると微かに耳に入った声に、聞き覚えがあることを感じた。特に理解しようと聞いたわけではないので、何を発言したかまでは分からない。しかしあの、妙に心地よくて気だるげな声は……。


「なンで太宰がここに…?」


間違いない。



この声は太宰だ。

取り敢えず来訪者の正体に安堵する。しかしずっとこうはしてられない。

次からは自分が扉を開けようと反省しながら、姐さんと太宰の元へ顔を出した。


「すみませン、俺の知り合いです。」

「‼︎ そうなのかえ?」


姐さんが明らかに顔を綻ばせて喜ぶ。

まぁこれまで俺と同じ歳くらいの来訪者ッつたら、同業者とかしか居なかったもンな…。

そンな姐さんの勢いに気圧されてか、太宰は少し目を泳がせて迷う動作をした後に、

曖昧に頷いた。


「知り合い…、まぁ、はい。」

「そうかえ、そうかえ、茶を持ってくるから楽にしていて良いからのう」


姐さんは嬉しさを顔に残したまま、社長とエリス嬢が居る場所に戻っていく。


「……。」

「……。」


姐さんが去った後、少しの静寂が続いた。

俺に関しては、何を言えば良いかわからないが故に、太宰の言葉を待っていた。

姐さんの足音が聞こえなくなった時、太宰は溜め息を小さく零して、此方を向いた。


「…で…、君はなンで私が此処にきたかわかってる?」


顎に手を当てて、目を瞑って考える動作をする。そして3秒後くらいにズバリと言った。


「…事務所に直接勧誘スカウトされに来た…?」


ジトリと睨まれたので、どうやら違うらしい。

というか、ファーストフード店でのやり取りからして、悲しい乍ら、太宰は俺と喋るのを心の内で拒んでいるようだった。

気づきたくないことも、上下関係や人に多少媚びなければいけない仕事上、嫌でも人の気持ちを読み取ってしまう。

それに加えてメールもしてこなかったのだから、もう会うことはないと思っていた。

まぁそれでも会わなければいけない口実はあったのだが。


「へぇ~、じゃあ簡潔的に言うけれど、私が君に会いに来たのはね」


太宰が妙にゆっくりと勿体ぶった調子でいうもので、気が気が出ない。


「ストーカーだよ、君のストーカーが、ッてむぐ⁉︎」


ストーカー。

その言葉が出た瞬間、反射的に太宰の口を抑えていた。


「ちょっ、んーーーー!!」

「声がでけェわ莫迦…。」


顔を顰める。「その件は二人で。」と相手に伝わるように目力を込めた。

すると太宰はその意を汲み取ってか、綺麗な眉を歪めて俺の手に噛みついてきた。


「いだッ!?」

「勝手に人の口抑えるからだよ莫迦。」


何処か機嫌が悪そうにかえす太宰。

…もしかして俺が莫迦って言ったの怒ってンのか…?


「本当に君は莫迦だね。もしかして、自分一人で解決しようとしてる訳?」

「ちょっ、声…‼︎」


社長たちに聞かれて問い詰められたら、白状する以外の選択肢は消えてしまう。

それに心配はかけたくないため、聞こえてしまってはダメだ。

内心焦りながら、太宰に声を小さくするよう睨む。


「…はぁ…。」


呆れたような目で見られた…。結構クる…。

そんな感傷に浸っている暇などなく、太宰は喋る。


「…私は言うべきだと思うよ。あれは、君一人で対処できるものじゃない。」


太宰は小さく、声を低くして話した。焦燥や恐怖を見据えるように、俺の瞳を見つめながら。


「…それでも彼の人たちを巻き込むわけにはいかねェ。彼の人たちは大事な、」

「大事な人たちだから、傷ついてほしくない?」


太宰に先回りされた。まァ言いたいことはあっているので微かに頷く。

頭上から先刻聞いたばかりの溜め息が再び耳に入る。


…完全に嫌われたなァ…俺…。


「…すまン、多分巻き込ンじまったよな…。手前には迷惑はかけねェ。だからこの事は」


誰にも言わないで欲しい。そう目で訴える。最後まで言わなくとも、太宰ならわかるから、敢えて多くは語らなくて済む。


「…無理。」


太宰は冷たく呟いて、バックを肩に掛け直した。


「巻き込まれてる時点で十分迷惑だよ。」


太宰が眉を歪めて鋭く俺を見下す。


「…それは、悪いと思ってる。ちゃんと償うから。」

「許して欲しい?」

「ッ…。 」

「ねぇ君、それ本気で言っているの? 」


口篭ってしまう俺を他所に、太宰はどんどん言葉を投げかけてくる。

まるで追い詰めるような、罪を告白させる気であるかのような圧だ。

だがそんな事は放っておいて、彼が凄い力でカバンの肩掛けを握っているのを横目で見た。

人差し指に親指の爪が食い込んでおり、ギリギリッ…と痛そうな音がしそうなほどだった。

…此奴怒ってンのか…?


「自分が悪いって、そう思ってるの?」

「そ、れは…。」


太宰の更なる質問で、いらない思考は全部掻き消されていった。 太宰に真剣な様子で顔を覗き込まれ、思わず目を逸らす。

そして考える。太宰から受けた質問の答えを。しかし行き着く先は変わらず。

当たり前、俺が悪いだろ。なんて言う解答だった。

上手く状況判断ができずに人の目を避けることができなかった。

過去に被害を受けた時点で、あの時ちゃんと対処しておけばよかった。

太宰を巻き込んでしまった。

全部、俺がもっとちゃんと出来ていれば、起きなかったことだろ。

考えば考えるほどに自分の情けなさを感じ、胸が苦しくなる。

すると不意に、太宰が声を上げた。


「…ストーカーの件、対処を手伝ってあげるよ。」

「…はっ?」

「君は言う、なんで関係ない手前が…と。

それに対して私は答える。 中也に守られるのは癪に障るから。」


…見事、俺の口から言おうとしてた言葉だ。

俺は呆然と立ち尽くして、戸惑う表情を見せるしかできなかった。


「断るのは禁止。君だって無理矢理連絡先を交換させたでしょ。

だから私も無理矢理、君の問題に踏み込んでやる。」


何も言えずに聞くだけの俺を見て、太宰はにんまりと満足そうに笑う。


「君の思い通りになるのは気に食わないからね。」

「は、はぁ…?」

「それに、脳筋の中也には解決できないでしょ?」


太宰は口元に手を当てぷぷ~、と莫迦にしたように笑う。


「うっせぇ…ぶん殴るぞ」


それに釣られて挑発されてしまう俺を見て、太宰は頬を緩めてにぃっと笑う。


「君に悩む、なンて似合ってないよ。」

「…そう、かもな。」

「一人で何かをするッてのも似合ってない。」

「…おう。」

「無邪気に笑って、突っ走ってる姿が一番お似合いだよ?」


そう言って太宰の口は綺麗な弧を描いた。


「‼︎…ありがとな…。」

「ふふ、蛞蝓もお礼が言えるのだね。海外へ行った成果かなぁ。」


その笑顔は、今まで見たどれよりも、とても美しくて、綺麗で、可愛くて、かっこよくて。


「(また此奴に、恋しちまッた…。)」

「あれ、どうしたのかなァ中也くん。私の顔の良さに惚れちゃった?」


耳が段々熱くなるのを感じている今も尚、太宰は調子に乗ってにぱっと笑う。

それがいくら作り物でも、キュンと来ちゃうのだからしょうがない。


「…マジで…ヤメロクダサイ……。」


俺は想い人への熱でのぼせた頭で、どうにかカタコトを呟いたのであった。





※編集後記※


これ書き終わったの水曜日~~~~~‼︎

割と毎週日曜日投稿が持続できるかもしれません…‼︎‼︎✨

一応言っておきますが私学生でして、もうとっくに学校始まってるンですよね…。

これから忙しくなる筈ですので出せない時があるかも…‼︎その時は都度報告させて頂きます🙇

(どうしてもできない際があります。あ、死んでんな~って感じで流してくださると幸いです🙇)


そして今回のこの話‼︎めちゃくちゃ急展開ですよね~~わかります泣

書いている途中にみれば割と良いスペースなのですが、見直した時に見れば急展開やなぁ…、と少々思いました汗

ストーカーの件と中の恋愛を本格的に進めたい‼︎と言うわけで詰め込んだこの一話。

だからタブン急展開()


次回 「再びばっきゅん‼︎ストーカー撃退なるか⁉︎」 です。デュエルスタンバイ❣️

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