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幼い頃の夢を見た
棘「しゃけ!高菜!!ツナマヨ!」
〘大きくなったら僕と結婚して!〙
お兄ちゃんに告白される、そんな夢。
私もお兄ちゃんも、少し変わった語彙だけど
私は”相手の思考が読み取れる”から
言葉なんかしなくたって
ちゃんと伝わってくる。
『ツナマヨ!!薔薇!!アイビー?』
“約束ね?”と
お兄ちゃんの好きなおにぎりの具を言った
その瞬間ぱぁっと明るくなるお兄ちゃん
本当に結婚できていたら、
どれだけ幸せなんだろう。
幸せだった。幼い頃の記憶。
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『はぁ、』
誰もいない家でため息をつく。
まぁ”大丈夫?”なんて帰って来ないんだけど。
『マカロン食べてー』
分かる?
寂しくなると甘いもの食べたくなるよね。
…誰に言ってんの私。
『は?ないやん…』
いつも冷蔵庫にストック置いてあるのに
今日は空っぽだ。
は??ざけんな。
『買いに行くか。…だっる』
働かざるもの食うべからず。
そんなことわざがある。
でも私一応学生だし。一応。
マスクをして外へ出た。
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『桔梗…』(頭いた…)
ショッピングモールに来たが、
頭に降り注ぐ言葉の雨で気持ち悪くなる
“相手の思考を読み取れる”ことは
要らない思考まで読み取ってしまうということ
生憎、私の頭の中はお祭り騒ぎだ。
それぐらい騒がしい。
そして目の前に現れる呪霊
「見エ、テル、ミえ、テル」
(あー…キモイキモイキモイ)
当然無視。
絡まれたらもっと面倒臭い。
表情筋が死んでいて助かった。
『桔梗、牡丹』(早く買って帰ろ)
こんな肌白すぎるヤバい奴が居たら
ちょっと視線の的なの知ってる。
私あんまり外でないからさ
普段の買い物も1回、
1ヶ月分買いにいくだけだし
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『まじ吐きそう…』
誰も居ない道を歩く。
人混みと思考の声に掻き乱された。
ふざけんな。
「コッチおイデ…コッチオいで…」
(なぁんで着いてくんの。)
ずっと着いてくるやん。
え??お前ショッピングモールに
憑いてたんじゃないの?
少し歩くと、電柱に寄っかかってる
白髪サングラスの男性がいた。
ちょっとやばかったので無視する
「やぁ。こんばんわ。初めまして〜」
「君、呪力強いね。特級ぐらいかな」
…?誰?
多分話しかけられたのは私じゃない。
私じゃない。(2回目)
大事なので2回言いました
「無視〜?」
私…だな。これ。
〘困ったなぁ…こんな警戒されてるのか…〙
白髪の男性の思考が流れ込んでくる
「ねぇねぇ。無視?狗巻棗チャン。」
何故、私の名前を知っているのだろうか
『桔梗』(何ですか。)
「妹は花の名前かぁ…!!」
『桔梗』(うわぁ…)
何コイツ。気持ち悪。
私はずっと否定を表す”桔梗”を言う。
「君、お兄ちゃん探してるんじゃない?」
なんで知ってるの?意味がわからない
〘あーこれ聞かれてたんだ。〙
!!バレてる…!?
「ねぇ、棘の居場所知りたーい?」
すると突然思考が読み取れなくなった。
「これ以上思考読み取られるのは勘弁してね〜」
ま、聞こえない方が好都合だけど。
そ・れ・よ・り!!!
『スミレ、牡丹』
“お兄ちゃんについて何か知っているのか?”
と聞こうとしたところ、白髪男は超焦ってる
「待って!!
棘の言ってることは分かるけど
棗の言ってることはわかんない!!」
別にわかんなくてもいい。と心の中で
ツッコミを入れる
そして、勝手に呼び捨てされてる事に
苛立ちを覚えた
「とりあえず自己紹介といこうか!!」
と勝手に自己紹介を始めた白髪男
引くわ。
悟「俺は五条悟。高専の先生ダヨ」
え??先生??
こいつが??この、アイマスクが??
引くわァ。
つかどこ。高専って。
聞いたことないんだけど。
悟「まぁ、説明するより行った方が早いか!」
すると私を持ち上げ
瞬間移動しようとする五条悟。
『き、桔梗…!!』(落ちる…!!!)
じたばたしてると落ち着かせようとしてくる悟
悟「大丈夫大丈夫〜僕”最強”だから」
…ちょっと何言ってんのかわかんなかった
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悟「はい!とーちゃくー」
簡潔に言うと死にそうだった。
『スミレ、牡丹…!!』
悟「んー…分からないなぁ…w」
仕方ないので携帯に文字を打ち込み見せた。
[なぜ私をここに連れてきたのですか?]
悟「あぁ!!それは
君に強くなって欲しいからね」
[メリットないです]
悟「でも棘に会いたかったんじゃないの?」
[忘れてますよ。私のことなんて]
どうも会話のキャッチボールができない。
意見が合わないのだろうか。
悟「でも棘さぁ。
ぬいぐるみずーっと持ってるよ」
[なんのですか??]
悟「白いクマ」
白いクマ…
ハッとした。
幼い頃、
お兄ちゃんにあげた白クマのぬいぐるみ。
本を見て一生懸命2人で作った。
私はウサギ、お兄ちゃんはクマ。
(まだ、持っててくれてたんだ…)
悟「なんか思い出した??」
ニヤニヤしてたんで
[関係ないです。帰らせてください。]
と打ち込んだ
悟「えー…やだ。」
『桔梗…!?』
悟「じゃあ明日からここに来てくれるなら
いいよ!!」
え絶対やなんだけど。
でも了承しないと家に帰れないし…
うーん…
チッ…仕方ないか
『はぁ…薔薇』
頷いた。
悟「やったー!!ありがとー!!」
何故喜んでるのか分からなかったが、
喉が渇いた。
[自動販売機ってどこにありますか??]
ここに来たことないから自動販売機の場所
なんて分からない。
悟「向こうにあるよ〜」
向こうて。
もっと細かく教えて欲しいと
思ったけど辞めた。
(先生なんだからしっかりして欲しい、、)
そう切実に思った。
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『はぁ…』
最近ため息ばっかつくなぁ
そう思って自販機を探してると声がした
「高菜〜!!」
あー。お兄ちゃんの声聞こえるー
幻聴かなぁ。
「こんぶ!!」
待って、絶対違う。
振り返ると白髪の美少年が立っていた。
その口元は隠されていて、
(お、お、お、お…)
(お兄ちゃん____!!!?)
お兄ちゃんが妹だと分かってなかったのが
奇跡だった
棘「ツナツナ!!」
私は”妹”なので完璧に話ができる。
お兄ちゃんは”落し物!!”と言っている。
そう考えているとスッと
ウサギのぬいぐるみが手渡される。
おっとぉ…これはまずいんじゃないか?
棘「しゃけ!!ツナマヨ!!」
“僕の妹と同じ!!”と言っている。
ごめんお兄ちゃん。
妹なんだよな。
でも私は見て見ぬふりをする
私たちは____
____________本当の兄妹じゃないから。