続きです!!
赤主人公
紫さん🙆🏻
──────────
-授業中-
無理はしないとは言ったものの
いきなり頼るなんてこともできなくて
きついものはきつい。
授業は5分ほど遅れて
「紫ーくんが昼休みに転んで
保健室に行った。」
といったら許された。
紫ーくんに助けられてばっかりだ。
紫ーくんはやさしすぎるから、
今日は絶対1人で帰らせてくれないだろう。
家に来たらどうしよう。
親になんて言おう。
いや言えないよ。
どう誤魔化そう。
あ~わからない。なにもわからない。
授業はあと15分。
伏せていよう。寝たふりをしよう。
きっと後でみんなにいじられるのだろう。
でもそれは俺の“キャラ”。
いじられたら笑ってふざける。
今は。このクラスでは。俺は俺じゃない。
大丈夫だ。きっと。多分。
俺はまだ生きてる。
-紫視点-
キーンコーンカーンコーン
モブ「赤~!笑お前寝てただろ~笑」
モブ「頭悪いんだからちゃんと起きてないと!笑笑」
赤「ッ…はははっそうだよね!!笑ちょっとねむくてさ~笑」
モブ「なんだよそれ~!笑_____笑笑」
赤「_____笑笑笑笑」
ほらね。また君は無理をする。
なぜ赤くんの作り笑顔に気づかないのか。
それはきっと赤くんが1番わかっているのだろう。
どれだけ赤くんが辛いかなんか赤くんにしかわからないのに
赤くんが自分のことを大事にしないから
俺らが気づいてあげないと。
俺らが助けてあげないと。
紫「赤く~ん‼︎」
赤「ッッ…ごめんモブ!また明日~‼︎」
モブ「ちょうど友達来たしよかったよ~!」
モブ「じゃあな~赤~‼︎」
赤「うん…ばいばいッ‼︎((涙目」
今にも泣きそうな赤くん。
そりゃそうだよ。今の発言は誰でも傷つく。
なんで今まで気づかなかったんだろう。
俺は赤くんを見ていたつもりだった。
でもそれはつもりでしかなくて、
結局は見れてなかった。
何も意味がない。
今日からは俺らが赤くんを助けるから。
待っててほしい。
ごめんね。赤くん。
-赤視点-
さっきのモブの発言はいつものことだけど
いつもより傷ついたのはなぜだろう。
紫ーくんはきっと俺が心から笑ってないのに
気づいて呼んでくれた。
今にも泣きそうな俺に、
優しすぎる落ち着く声で話しかけてくる。
紫「赤くん、おいで。」
紫「今日さ、みんな俺の家来るんだけど赤くんも来てほしいな~!」
紫「もちろん、来なくてもいい。どうする?」
予想とは違う言葉が来てびっくりした。
俺は1人は好きだけど、独りは嫌いだ。
いつもなら「家遠いからやめとく!」とか
適用な理由をつけて断っていた。
はやく1人になりたかったから。
これ以上仲良くなりたくなかったから。
けど今日は1人で帰れる気がしない。
1人になりたくない。
紫ーくんたちと一緒にいたい。
でも今一緒にいたら弱いところを
見せることになるだろう。
昼休みのことで俺のことを
嫌いになった人がいるかもしれない。
あるいは、もともと嫌いだった人がいるかもしれない。
それでも俺は一緒にいれるのか。
そんなことを考えて黙り込んでいたら、
紫ーくんが俺の心を見透かして口を開いた。
紫「俺らはみんな赤くんが大好きで、」
紫「赤くんを嫌っている人なんかいない。」
紫「俺らから赤くんの手を離すことはないよ。」
紫「それは約束する。」
そんな口だけの言葉、俺は信じない。
信じないはずなのに、
涙が出てくるのはなんでなんだろう。
きっと紫ーくんだからだろう。
少しだけ信じてみてもいいのかな。
赤「ッポロポロ…いくっ…グスッ」
紫「ありがとう。信じてくれて。(赤撫」
紫「みんな校門で待っててくれてるから、行こっか。」
赤「コク…ッポロポロ」
-桃視点-
泣いてる姿を見せまいと俯きながら歩く赤と
そんな赤を慰めながら、支えながら歩く紫ーくん。
3分ほど前、紫ーくんからL◯NEで
赤が来てくれるという連絡がきていた。
赤のことだからいろんなことを考えてこないと
みんなが思っていた。
きっとくると決意したのは、紫ーくんのおかげだろう。
赤は体調不良もあるだろうから
歩くのも精一杯だと思う。
紫ーくんの家まではきっと、俺か黄、橙が
おぶっていくことになるだろう。
どんだけ無理してんだよ赤。
絶対俺らが助けるからな。
-赤視点-
なんで泣き止めないんだろう。
結局俺は弱いままなんだな。
そんな自分が誰よりも嫌いだ。
みんなと合流して、紫桃がなにか話している。
他のメンバーは、優しく声をかけてくれたり、
背中をさすってくれたりで俺を落ち着かせようとしている。
そんな1人1人の優しさが申し訳なくて
余計に涙が溢れてくる。
人を信じれない自分が、
優しさを素直に受け取れない自分が、
すぐ人のせいにしてしまう自分が、
性格の悪い自分が、
いじりで傷ついてしまう自分が、
ノリにのれない自分が、
誰よりも、何よりも嫌いだ。
俺はこの世界で1番俺が嫌いだ。
橙「~~!!~か!ぁ~か!赤‼︎」
橙「大丈夫だよ~深呼吸深呼吸。」
赤「ッはッはぁッはぁッはッポロポロ」
橙「黄~、パニックになっちゃってるからさ、」
橙「おんぶしてあげて。」
桃「体調も悪いしだいぶきついだろうからな。」
黄「わかりました。けど、僕でいいんですか⁇」
青「黄くんだからだよ。」
黄「青ちゃんがそんなこというとちょっと怖いですね笑」
青「いいでしょ別に(頬膨」
黄「んふふ笑ありがとうございます笑」
紫「赤く~ん、ちょっと動ける⁇」
赤「…おれッ歩けるからッポロポロ」
青「わんわんだめ!強制黄くんの背中ね!」
紫「そこは俺も反対。黄ちゃんの背中のって。」
赤「わかったッグス けどおれッ重いよ?ポロポロ」
黄「赤くらい平気です!はやく乗ってください!」
赤「ん…グスッポロポロ」
みんな優しすぎるんだよ。
俺は黄ちゃんの背中に乗った途端
眠りについた。
-紫視点-
赤くんが寝た。
俺の家に着くまで、
赤くんのことをひたすら話していた。
赤くんが起きたら何を聞こう。
家に帰すべきなのか。
それとも止まらせるべきなのか。
幸いなことに、今日はいつもより帰りがはやいため
時間はたくさんある。
青「わんわん、何を溜め込んでるんだろうね。」
黄「ほんとですよ。心配すぎます。」
橙「学校のことだけやなさそうやしな。」
青「だったらなんで放課後遊んでくれないんだろう…」
桃「今日は家に帰すべきじゃないよな。」
黄「けど返さない場合赤の親になんて説明するんですか。」
黄「問題があるなら正直に説明すると」
黄「怒られちゃうかもしれなじゃないですか。」
桃「そうなんだよなぁ。」
橙「紫ーくん、どうかした⁇」
紫「いや、赤くんさ、俺らに喋ってくれるかなって。」
青「…?」
紫「あのさ、うち来るかって誘った時に、一回黙り込んじゃって。」
紫「それで俺が、みんな赤くんのこと大好きで嫌ってないって言ったら、」
紫「なんでわかったのみたいな顔しながら泣きだしちゃって。」
紫「赤くん俺らのこと信じきってないんだと思う。」
青「そうやったんやな。」
青「そういえば僕の友達がさ、赤くんと同じ小学校で」
青「噂程度で聞いたんだけど…」
青「赤くん同じ小学校の子には」
青「けっこう嫌われてたらしい…」
桃「え、どゆこと。」
黄「それ僕も生徒会の先輩から聞きました…。」
黄「なんか軽い嫌がらせも受けてたとか聞いたんですけど…」
紫「そうだったんだ…」
橙「知らんかった…赤んとこの小学校って」
橙「3校の中で1番少ないやんな?」
紫「たしかそうだったと思う。」
橙「だから中学では嫌がらせがないってことやおな…」
青「そうでもないと思うよ。」
桃「どゆこと?」
青「これも聞いただけなんだけど、」
青「同じ小学校の子が中学で仲良くなった他校の子に」
青「赤くんからいじめられたとかいう嘘を」
青「広めたり、赤くんのこと無視したり」
青「避けたりしてるみたい。」
黄「そこまでは知らなかった…」
橙「ひどいな。」
桃「んね。」
紫「それで悩んでたのかな…」
全て噂程度なので真実は
赤くんと、やった本人にしかわからない。
けど赤くんは話してくれるだろうか。
きっと赤くんが悩んでいるのは
それだけではないだろう。
でも俺らがわかるのはこれだけで
あとは赤くんから聞くしかない。
赤くんがほんとに嫌がらせを受けていた場合
なぜそれを相談してくれなかったのか
理由があるはずだ。
嫌がらせがどの程度のものなのか。
気になるけれど、それを聞くことによって
赤くんを傷つけてしまうかもしれないから
赤くんが起きて話を聞くとき
赤くんをこれ以上苦しめないように。
赤くんに少しでも楽になってもらえるように。
話を聞きたい。
そんなこんなで家についた。
とりあえずはみんなを自分の部屋につれていこう。
全「おじゃましま~す!」
紫「とりあえず俺の部屋行こ!」
黄「わかりました!」
黄「紫ーくんのベッドで赤寝かしちゃっていいですか?」
紫「うん、そうして~」
黄「了解です!」
やっぱりいつもより元気がない。
当たり前だろう。
大事な仲間が体も心もズタズタだったら
誰だって落ち込むだろう。
俺はみんなよりもっとはやく気づいて
もっとはやく助けてあげることができたんじゃないか。
そう思うと赤くんに申し訳なくて
赤くんの辛い気持ちを俺が全部背負ってしまいたいと思う。
けどそんなことできないから、次こそ助けてあげたいと思う。
ごめんね。赤くん。
_______________
続きます‼︎
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コメント
2件
フォロー失礼します
めっちゃおもしろかったです! 続き楽しみにしてます!