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やっと戻ってきた桶川さんの「ただいま」、あの一言で全部が溶けた感じがたまらなかったです…!「悔しい、なんでこんなに好きなの」って高井戸さんの気持ち、すごくわかるし、泣きながらぶつかるところにもグッと来ました。酒臭くても汗臭くても好きな人には敵わないっていう、この執着の甘さが本当に良い…。でも最後の「ダメです」でぱっと我に返るバランスも好き。続き気になります!
*****
目が覚めるといつもの光景。プラス汗臭く酒臭い。前髪にかかる息に、私は眉をひそめてブチ切れる。
「……酒臭いですよ!」
そうしたら、桶川さんはゆっくり目を開けて、けだるそうに私を見た。
「もうっ、なんなんですか。昨日あんなこと言って出ていったくせに。お酒飲みに行ってたんですか! しかもお風呂も入ってないっ」
「お前もだろ」
言われて自分の服を見る。……本当だ。
あれ、私昨日どうしたんだっけ。なんかやけっぱちになって泣いて、……あ、そのまま寝ちゃったのか。
「そ、それはそうなんですけど」
先ほどの勢いはどこへやら。すっかり弱気になって、私は口ごもる。
「あのさぁ、高井戸」
横になったままの桶川さんは、私の頭にポンと手を置き、相変わらずお酒臭い息を吐く。そして、釣り目の目尻をこれでもかというほど下げて笑った。
「……ただいま」
もうそれだけで、昨日からの心のこわばりが解け、私の涙腺は崩壊した。だばーっと一気に流れ落ちる涙。
桶川さんは驚いたように目を見開いてしまって、素敵な笑顔は一瞬でどこかへ行ってしまった。
もったいない、もっと見ていたかったと思いながらも、もうそんなこともどうでもいい。
桶川さんが戻ってきてくれたってそれだけで、もう他のことなんてなんでもよくなった。
「……っ、もうっ、ばかっ」
好き。大好き。
これ以上桶川さんを好きになるのが怖かったのに、喧嘩したって好きになるんだったらもうどうしたらいいか分からない。
「悔しいっ。なんで私、こんなに桶川さんが好きなのっ」
「お、おい」
「帰ってこなかったらどうしようって思ってました。これでお別れなのかなって思ったら、私、なんてこと言っちゃったんだろうって思って」
「高井戸」
すっかり目が覚めたように半身を起こして、桶川さんが私を見つめる。
ああだから、その整った顔は目の毒なんだってば。見つめられると私、どうしたらいいのか分からなくなる。
「あーもう。かわいい、お前は」
「きゃっ」
大きな手で抱き寄せられて、目元や頬に優しくキスが落ちてくる。
「泣くなって」
反射で抵抗しようとした両手がそれぞれの手に掴まれて、私の動きは封じられた。彼の唇が自由に私の顔の上を滑っていく。
「好きだよ、高井戸」
「んんっ」
キス、キス、キス。とめどなく続けられるそれは甘すぎて、私から少しずつ力を奪っていく。
「……抱いていい?」
熱っぽく耳元に囁かれる声。
そこで一気に我に返った。いや待って。それはちょっと。
臣桜
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鷹槻れん

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水無月 京
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「ダメです」
「っかー! なんなんだよ。お前。人のことここまでけしかけておいて」
「けしかけてなんてないですけどっ! だってダメです。今日はお風呂も入ってないし、汗臭いし、変な顔してるし」
「俺なんて酒臭くて汗臭いぞ」
「自慢することじゃないですよ!」
そこ張り合ってどうするの!
呆れた顔をしたら、桶川さんはしぶしぶ私の手首を離してくれたので、ようやく自由になって服の乱れを直した。