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「やつを殺すまでは…終われない」
赤谷蓮の思いはとてつもなく大きい憎しみ。
だが呪いの力が戻ってくることはなかった。
そして目を覚ますと夢の世界だった。
起き上がると、そこはいつものベッドの上ではない。
「ここは…棺桶があった最後の部屋…どうして?」
周りには自分1人しかいない。
「みんなと集合しないと…」
赤谷蓮は部屋を出ようとすると、棺桶の中から触手が出てきた。
赤谷蓮はその触手に気付き、
ついにその触手の怪物の本体まで姿を現した。
上半身は今までの怪物達と同様な姿をしているが、下半身はタコのような姿をしている。
「グォォォォォォォォォオ」
今までの怪物達とはまた違い、圧倒的な絶望を感じる。
赤谷蓮は急いで部屋をあとにした。
迷いの洞窟を抜けようとすると後ろから触手の怪物が迫ってきている。
迷いの洞窟を抜け出し、別館の玄関ホールへ出る。そのまま本館の玄関ホールへと向かうと、玄関ホール中央に怪物が待ち構えていた。
怪物は赤谷蓮に襲いかかろうと、翼を広げ、天井から勢いつけて突撃してきた。
しかし赤谷蓮は咄嗟に横へ交わし、2階へ登る。
寝室の部屋も抜け、リスポーン地点の最初の5つの部屋へ着き、1番奥の部屋を開けると、そこには黒岩竜一がベッドに横たわっていた。
「黒岩…竜一…」
黒岩竜一の部屋は赤谷蓮や他の皆んなの部屋と違って何もない。
ベッドが置いてあり、ベッドの横にノートが落ちてある。
赤谷蓮は部屋へ入り、落ちてあるノートを拾い、中に書いたあるのを読んでみる。
1ページずつクラスメイトの名前が書いてあり、
死んだ人の名前には罰印がついている。
「この字は…まさか」
赤谷蓮はこのノートに書いてある字が誰が書いたのかがわかった。
「まじ…かよ…」
ノートをもう一度読み返してみるが、とある人物だけ名前が載っていなかった。
すると突然、今泉花が部屋へ入ってきた。
すごく息があがって疲れている。
「れん!すぐにきて!山口七海ちゃんが!?」
今泉花に手を引っ張られて、そのまま玄関ホールへ向かうことになった。
本館玄関ホールへ着き、今泉花がそのまま右の階段へ登ろうとする。
だがそのまえに赤谷蓮は気になったことがあった。
前回の夢では玄関の扉は赤くなっていて、開くと脱出できたが、今回は赤くはなっていないが、頑丈な扉でなにかはめ込まないと脱出できないようになっている。
「何かはめ込むようなものを探さないといけないのか…」
すると突然右の階段2階の扉が開いた。
「ドン!」
赤谷蓮と今泉花は右の2階の扉の方へ振り向くと、そこには山口七海の生首を持っているキラードエヴァンスの姿があった。
「くっ…よくも…」
赤谷蓮は拳を強く握り締める。
「ここで、お前を止める!お前を倒して、みんなを救う!」
赤谷蓮の発言に対し、キラードエヴァンスは不敵に笑い出す。
「無駄ですよ…今のなんの力も持たない貴方では…」
すると一瞬でキラードエヴァンスの刃は赤谷蓮の首元まだ伸びていた。
「私には勝てません…貴方の親も馬鹿でしたよ…私を殺せていたのに早くトドメを刺せばこんなことにはならずに済んだものを…」
刀の先を優しく赤谷蓮の首元に押し付ける。
「ぐっ…」
赤谷蓮はすぐさま白井拓馬の家から持ってきていた拳銃をポケットから出し発砲する。
「ぐはぁっ」
撃った弾はキラードエヴァンスの心臓を貫いた。
そしてキラードエヴァンスは倒れた。
「やった…のか…」
今泉花もキラードエヴァンスの様子を伺おうとする。
するとキラードエヴァンスはいきなり目が開き、今泉花に斬りかかろうとするが、赤谷蓮は見逃さなかった。
今泉花に飛びつき、ギリギリのところでキラードエヴァンスの刀を交わし、更に拳銃を3発撃った。
「はぁ、はぁ、はぁ、なんてやつだ…」
流石に倒れたが、心配なので刀を奪い、キラードエヴァンスにトドメを刺す。
「お前さえ…いなければ!!」
振り上げた刀でキラードエヴァンスの首を切った。
脳裏にクラスみんなのこと、そして両親のことを思い出す。
「みんな…これでやっと…終わったよ…」
これで夢の恐怖も終わる。
みんな救われるはず…
「今泉花…」
今泉花の方を振り向くと、キラードエヴァンスが今泉花を刀で貫いていた。
「れ…ん…」
今泉花は倒れ、キラードエヴァンスは大きな声で笑い出す。
「Das ist ein Spiel」
白井拓馬の部屋に書いてあった字を発言した。
「私は不死身だよ!なぜならこの世界は夢なのだから!!私を何度殺しても蘇る!さぁー絶望してくれ!私の名は」
キラードエヴァンスが自らの名前を言う前に
赤谷蓮は大好きだった今泉花まで殺されてしまったことに完全にキレ、殺したその男の名前を大声であげた。
「キィラァァアードエヴァンスゥゥゥウウウウ」
拳銃の弾も無くなり、キラードエヴァンスに思いっきり殴りかかろうとするが、目にも止まらぬ速さで赤谷蓮の右腕右足を切り落とされる。
「ぐぁぁっ」
床へ倒れ込む。隣には今泉花の死体が転がっている。
今泉花に手を伸ばそうとするが、キラードエヴァンスに踏みつけられる。
「これで終わりですね。赤谷蓮…貴方がまさか2つの呪いを持っていたなんて流石に驚きましたが、もうこれで終わりです。時間逆行も使えませんよ。」
もうダメだと悟る。
俺の力ではこいつには勝てない。
赤谷蓮は諦め、死の覚悟を決める。
「ごめん…みんな…今泉…花」
そっと目を閉じ、全身の力が抜けた。
キラードエヴァンスは赤谷蓮の心臓を刀で突き刺した。
「あとは…頼んだ…黒岩竜一…こいつらを止めるのは…お前しか…」
痛みなどは一切感じなかった。
これが死だと判断するまでそう時間はかからなかった。
すると誰かがそっと赤谷蓮の手を温かく繋いでくれた。
お迎えがきたのだろう。どこか遠いところへ連れて行ってくれるみたいだ。
とても時間が経つのが遅く感じる。
無力な俺は父と母に合わせる顔がない。
すると父と母が急に現れた。
「お前の力は、誰かを傷つけるためじゃない。誰かを守る為に使うんだ。」
父が放った言葉、これは過去に言った言葉ではない。
未来で、そしてこの先の、僕自身の為に教えてくれたこと。
「俺は…みんなを…」
拳をもう一度強く握り締める。
すると今度は両親の思いや、死んでいったクラスメイトのみんなの思いが伝わってきた。
「みんなを守る!」
キラードエヴァンスは寝ていた黒岩竜一も殺し、山口七海の死体も怪物に食べさせ、赤谷蓮の死体も怪物に食べさせようとしていた。
「さらばだ…」
赤谷蓮は怪物に食われようとした瞬間、息を吹き返した。
「違う…戻れ…」
一言、喋った瞬間、時間逆行が始まった。
全てはやり直しになった。
そして、赤谷蓮は完全に呪いの力が戻ったのだ。
ちょうど赤谷蓮と今泉花が玄関ホールへ入るところまで戻り、2階からキラードエヴァンスが姿を現した。
片手には山口七海の生首があった。
「今度こそお前を止める…覚悟しろ。キラードエヴァンス」
キラードエヴァンスは赤谷蓮の目を見て、気づいた。
「あなたもしや…呪いの力が…ふっ、まあいい」
次の瞬間、一瞬にして赤谷蓮の首元まで刀が伸びてきたが、赤谷蓮が一言つぶやいた。
「死ね」
キラードエヴァンスは体内から爆発し、吹き飛んだ。
だが次は今泉花の後ろで復活して、襲いかかろうとするが、それも赤谷蓮の呪いの力によってキラードエヴァンスは吹き飛んだ。
キラードエヴァンスは負けじと何度も赤谷蓮や、今泉花に襲いかかろうとするが、赤谷蓮の力は前よりも強力になりすぎて、まったく歯が立たなかった。
「な、なぜ…これほどまでの力を…」
だがしかし、強力な力ゆえ、身体にかかる負担がとてつもなく大きいのも確かだった。
「くっ…早く決着をつけないと時間があまりない…俺の体力が…」
何度殺しても、何度も何度もキラードエヴァンスは復活して蘇り、襲いかかってくる。
「やるしか…ねぇよな…」
赤谷蓮は今泉花の方を見て、不安にさせまいと思い、一言喋る。
「ずっと好きだった。絶対に生き延びろよ。今泉花…」
次の瞬間、キラードエヴァンスの刃は赤谷蓮の胸を貫いた。
「赤谷蓮!!これでおしまいだぁぁぁぁぁあ」
胸から大量の血が溢れ出る。
「ぐぅ」
だが赤谷蓮はその刃を握り締め、大声で叫んだ。
「キラードエヴァンス!!永久に…完全に死んで…消えてなくなれぇぇぇええ!!」
するとキラードエヴァンスは灰のように少しずつ消えていく。
「な…なんだこれはぁぁぁあ。わ、わたしが、消えて…無くなる…あ、あぁぁぁぁぁぁあああ」
キラードエヴァンスの声は屋敷中に響いた。
そしてついに完全にキラードエヴァンスは消滅し、玄関のドアにはめ込むパーツが出てきた。
血が止まらずに赤谷蓮も床に倒れ込む。
今泉花が駆け寄ってきた。
「赤谷蓮!!死なないで!また時間逆行を…」
時間逆行を使ってまたやり直そうと赤谷蓮に言うが、赤谷蓮は自分の任務を真っ当したのか健やかな笑顔で永久の眠りについた。
「ごめん…何も…できなくて…」
赤谷蓮はそっと息を引き取った。
今泉花は赤谷蓮を抱きかかえ、玄関のパーツで玄関の扉にはめ込み、扉が開くと、その先には長い廊下が続いていた。
「なに…この先は…」
とてつもなく長い廊下だった。
するといきなり後ろの玄関ホールから声が聞こえてきた。
「ま、待ってくれ…」
なんと黒岩竜一が目を覚まし、追いかけてきた。
「黒岩竜一!?」
だいぶヨロヨロになりながらも必死で走ってきたみたいだ。
「あ、赤谷蓮…今泉花?一体なにがあったんだ?…」
血だらけで死体の赤谷蓮を抱っこしている今泉花に事情を聞くが、話はまた今度と流される。
「赤い扉が見えてきたよ。とりあえず脱出しよう」
今泉花の目は涙が溢れ出ていた。
その涙を見て、きっといろいろと大変だったんだろうなと黒岩竜一は考え、特にその後は何も聞かずに2人は脱出した。