「――少々、お時間よろしいでしょうか?」
ヴァレナの部屋を訪ねてきた、ハインリヒ。
「どういったご用件でしょうか」
廊下に出たヴァレナは、閉めた扉を背に問う。
それを見たハインリヒは、首を動かして辺りを見回した。
客人を宿泊させるための部屋が並ぶ廊下には、今のところ人影はない。
柱や調度品のようなものはあるが、人が隠れて聞き耳を立てられるようなものも見当たらなかった。
どうやら、ハインリヒはこの訪問をあまり人に知られたくはないようだ。
(かといって、部屋に入れるのは何かあったとき心配だし……)
そんな気持ちから、廊下で立ち話をすることをヴァレナは選んだ。
「エゴン殿下から、ご伝言を預かりました」
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