本当は、わかっていたんだ。

俺らは、誰にも本気で愛されたことのない

ハブられ物って。

でもね。

春千夜。

俺は…..俺らは、お互いに________

蘭 そろそろ疲れて来たね、

春 うん、

蘭 ねぇ、春ちゃんはさ、後悔してる？

春 ？ 何が？

蘭 俺と、一緒に逃げたこと。

春 ……

春 別に。後悔なんてしないよ。

春 俺が好きで、お前と逃げてんだ、笑

春 それに、そのセリフは…本来俺が聞くべき

ものだ。

春 なぁ、蘭。

本当に、俺と一緒で良かったのか？

蘭 ….笑

言っただろ？

お前が人殺しなら、俺はダメ人間って。

だから、平気なんだよ。

誰かに愛して貰えなくても、

俺らで愛し合えばいい。

それこそ、俺はお前と一緒に、遠い所で

一緒に死ぬよ。

春 、、、

春 ねぇ、蘭、

蘭 ん？

春 キスしてもいい？

蘭 ……笑

ちゅっ、と、誰も居ない静かな線路で

そのリップ音は響いた。

春 もし、 もしだよ？

春 漫画のような主人公が、この世界にいて

もし、俺らがその人に会えたなら…

こんな汚い俺らも、救ってくれるのかな。

蘭 そんな夢ならとっくに捨てたろ、笑

どうせそいつらだって、ただの偽善者だ。

きっと….本当の救いなんて、どこにも

ないんだからさ。

春 そう….だよね、笑

蘭 …ちょっと休む？

春 いや、俺…あの山に行きたいな。

蘭 ？そうか、

蘭 じゃあ、行こう。

春 うん。

春 はぁ、ﾊｧｯ、、、

春 蘭っ…..平気、？

蘭  うん、まだ平気だよ、

     春ちゃんは？水いる、、、？

春  ううんっ…まだ平気、でも….

    クラクラするっ。

蘭  …….鬼の怒号が聞こえるね、

春  はえぇんだよ。サツの癖にっ、！

ﾐｰﾝﾐﾝﾐﾝ ｼｭﾜｼｭﾜｼｭﾜ

…..蝉の声が聞こえる。

でも、そんなのは関係ない。

どんなに暑くてもっ、どんなに辛くても、

鬼から逃げなきゃゲームオーバーだ。

蘭  あそこの草木に隠れようっ！！

春  うん、、、

春  ねぇ、蘭。

蘭  ん、？

ここまでついて来てくれて、

                ありがとう_______。

♡＝100