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完結お疲れ様でした❤ 体調大丈夫ですか? 昨日の悲しみエンドもすごいよく書かれてて素敵だったのですが、、、 でもでもやっぱりハッピーエンド最高です😭 両思いって本当にいいですねぇ❤笑 夏の終わりのプレゼントありがとうございました❤
めっちゃいい!
その日はホワイトクリスマスになって、昼から雪がちらつき地面を濡らした。
寒い風が吹くなか、似たようなマフラーをつけた俺たちは何のプレゼトが良いか話をしながらキラキラした街を歩く。
「ネックレスのさ、チェーンだけ欲しくて···ほら、学校では指輪付けられないから通してネックレスにしようかなって」
「それいい、それならいつでも身に着けられる」
「あとは手袋!ほら、元貴また手凄く冷たいし」
若井の手が俺の手を暖めてくれる。
暖かさがじわり、と気持ちいい。
「だって···いつだって若井がこうしてくれるから···それが、好きなの」
隣、少し高い所にある顔を見て手に力を入れる。
「いつでも温めるけど···俺も好きだけど、俺がそうしてあげられない時のために買う、ほら行こ!」
落ち着いたモスグリーンの手袋を若井が選んでプレゼントしてくれたけど俺は手を若井に差し出した。
「今日はこっちでもいい?」
「···うん、もちろんいいよ。元貴と手繋ぐの好きだから」
2人で手を繋いでいれば寒さなんて少しも感じなかった。
好きな人と手を繋いで歩く、ただそれだけなのにこの上なく幸せだ。
ネックレスも無事に買えて、部屋に戻って小さなケーキを前にメリークリスマス、とコーラで乾杯した。
今日だけは勉強のことを忘れていっぱい喋っていっぱい笑ってケーキを頬張っていると若井が何かを取り出した。
「付き合って1年記念···ってことで、手紙書いたんだけど···貰ってくれる?」
そこには真っ白の封筒に俺の名前が書いてあった。
「えっ、いいの?めちゃくちゃ嬉しい···読んで良い?」
少し恥ずかしそうにしながらも若井はコクコクと頷く。中を見るとそこには見覚えのある滉斗の字が並んでいて、けどいつもより丁寧に書いたことが伝わってきた。
『元貴へ
付き合って1年の記念に手紙を書こうと思いました。出会って仲良くなって恋をして長い間片想いをしていた元貴と付き合えることになって本当に幸せな1年だった。元貴の笑った顔が大好きでこれからもずっと笑顔でいてほしいです。俺がずっと守るから、これからも一緒にいてください。愛してるよ。 滉斗
大学に合格して2人で一緒に暮らすのが楽しみ!俺の今の夢です。俺も頑張るから元貴も頑張れ! 』
初めてのラブレターを 何回も読み返して、気付けば涙で視界が滲んでいた。
「こんなの泣いちゃうって···俺も滉斗のことが大好き···ずっとそばにいて欲しいです。頑張るから、俺もいっぱい頑張るから···ずっと一緒にいよう」
愛してる、と伝えた瞬間、滉斗の唇が重なって幸せをより実感する。
深く何度もキスをして強く抱きしめる。
「元貴のことが世界で一番大好きなんだ、少しも離れたくないくらい···こんなに人を好きになることってあるんだって驚くくらい元貴が大切なんだよ···一生幸せにするから」
俺も好きだった人と付き合って、こんなにも愛して貰えて。
「俺、いますごく幸せだよ···滉斗、ありがとう。俺も滉斗を一生幸せにする。だからね···いつか俺と結婚して」
「それ、俺が言おうと思ってたやつ···元貴と結婚したい。ずっと一生そばにいるから」
2人顔を見合わせて笑った。
来年も再来年もその次もこうして一緒にクリスマスを、記念日をお祝いしよう。
「1年記念!写真撮ろうよ」
もちろん、と2人くっついて写真を撮る。見返すとカメラの中の俺はいつも笑顔で、自分でいうのもなんだけど幸せそうな顔をしている。
それに時々着替えてる写真だとか寝顔なんかもあって。
「滉斗ってほんとに俺のこと好きなんだってわかる写真ばっかり···」
「そうだよ、大好き。知らなかったの?」
躊躇いなくそんな事を言われて俺のほうが照れてしまう。
顔が赤くなっているのを隠すために滉斗に抱きついた。
「知ってる、けど俺のほうが滉斗のこともっと大好きだから」
「っとに、元貴には勝てないわ···」
耳が赤くなった滉斗に抱きついたまま、んふふ、と笑って俺はいつまでも幸せを噛み締めていた。
ー3ヶ月後。
「滉斗は荷造り終わったの?」
3月になって俺たちは新生活に向けて引っ越しの準備をしていた。
「だいたいね、元貴ももう少しって感じ?」
「あれもこれもってなって、今減らしてる···楽しみだけどちゃんと暮らせるかな···まぁ滉斗がいるから大丈夫か···」
荷物で散乱する部屋で俺はあれこれとまだ服なんかを引っ張り出している。
無事にルームシェアすることを親に承諾してもらえた俺たちは新生活に向けて少しの不安を抱えながらもウキウキと浮かれていた。
「まぁ、なんとかなるでしょ···2人だしね。不安なんかより楽しみでしかないもん、元貴と早くしたいなぁって」
「···若井の変態」
「なんで、当然でしょ?やっと2人きりだよ?暫くゆっくり寝れるとか思わないで」
受験もあって、それに家族もいる家でそういうことは出来ずに暫くお預け状態だった若井はふざけながら俺に抱きついてくる。
「ちょっと···ちゃんと手伝ってよ···!」
「元貴のいじわる···早くいっぱい抱きたい、ねぇ?元貴もしたいでしょ?」
「もうっ、耳元でしゃべんないでっ」
俺のことをからかってけらけらと笑う滉斗から逃げようとするも、後ろから抱きつかれて離して貰えない。
それなら、とその硬くなったものを手できゅっと握ってもたれかかり上目遣いで後ろを振り返る。
「···いっぱいしていいよ、滉斗の全部俺の中にちょうだい?」
滉斗と顔が一気に赤くなってその腕を解き、パッと離れた。
俺の勝ちだね、なんて思っていると。
「ごめん···ちょっと出たかも」
「えっ···はぁっ?!嘘でしょ」
「元貴のせい···あー、やば、今の破壊力···」
「···俺、今からでもひとり暮らし考えようかな」
「ごめんて!それだけはだめ、許して!」
全力で謝る滉斗を見て思わず吹き出してしまう。
これからもたくさん笑ってたまには喧嘩もするかもしれない。辛いこともあるかもしれない。
けど滉斗となら絶対大丈夫。
片想いは永遠の両想いになった。