テラーノベル
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【 一読必須 】
▶︎ ** 登場人物話 先読推奨 **
この物語先 ↓
・18禁 ** / ♡ 濁点 付き **
・モロ表記 ・ 隠語 ・ 擬音 混合
・左(三崎)視点 → 心情込
三崎「 女子って 、SEX が上手い男が好きらしいよ 。 … 俺が 教えてあげよっか ? 」
俺はその時、その言葉を口から出したことに酷く後悔した。体だけでも欲しいと、かなの優しさと純粋さに胡座をかき、あまつさえ利用するような形を取ってしまったから。
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立花「 ハァ 〜〜〜 … モテねぇ 、女子が好きっつってた香水も 、しぐさ ? もしたっつぅのに … マジ意味わかんねぇ 」
俺の住む1LDKのマンション。家入れろ〜〜〜とか言って、缶ビール数本をレジ袋に入れて連絡ひとつもなしに唐突にやってきた要。
俺が出る前に合鍵で入ってきては靴も揃えず俺のいるリビングまで入って来た。その図々しさに呆れながらも許してしまうのは長年の恋心のせいだと思いたい。
そんな言葉はビールの空き缶が机に3本ほど溜まった頃に要が愚痴をこぼすように放った。真っ赤な顔して目はアルコールに溶けて、Tシャツすら暑そうにパタパタ扇ぎ始めて。
三崎「 … ばか 、顔真っ赤じゃんか 。酒弱ぇのに 3本も飲むから … 」
立花「 うるひぇ … !! もてるやつには おれのきもち 分かんね ー よ …….. 」
キレたいのか泣きたいのか、揺れるような理解し難い声色をする。喚きながらもまた、缶ビールの縁に口をつけて喉に流す姿を杖に頬杖を着きながら眺めてしまう。アルコールが流れる度動く喉や、濡れてぷるんと潤い出す唇、全てに目線が行く。
三崎「 … 女子って 、SEXが上手い男が好きらしいよ 」
ぽつりと零れた言葉。ただ酔ってる要に冗談みたいに呟いただけ。そういう事がしたいとか、下心の気持ちが無いわけでもないけど。ただただ、だる絡みに相手をしたつもりが要の眉がぴくりと動いて、缶を傾けていた手が止まった時点で俺は止まれなかった。
三崎「 …….. 俺が教えてあげよっか 」
ダメだダメだ。ただでさえ馬鹿なのに今は酒が入って判断力が衰えている要なのに、”好きらしいよ”なんてまるでモテ術を教えるような口調で話したら、目を輝かせないわけが無いのに。案の定、酒の缶を放り投げるように机に落として「 教えろ 」と言わんばかりの目をして。
三崎「 じゃあ教えてあげる代わりにひとつ 、条件 。… 俺がすること全部 、疑わないで 」
俺の気持ちはきっと、いけない方に傾いて行った。”疑わないで”そんなの、自己防衛でしか無かった。なのにどこかで賭けるようにして要の良心を潰した。
立花「 …….. ? わかった 」
馬鹿正直にも程がある。俺のことを信頼してるからなのか、それともモテたいが為なのか。二つ返事に加えて食い気味に返事をしてきた。とろんとした目をして、口元は緩ませて、頬は真っ赤にして。なんでこいつと友達してんだろ、って何度も思ったのに。
立花「 …….. どうすんの 」
まるで急かすよう口ぶりに腹が立ちそうになる。俺が何年も、何十年も描いた理想とやらは簡単に崩れて。恋人になるよりも先に”そういう事”をする関係性になるなんて。
三崎「 … まずは キス 、覚えよっか 」
軽く胡座を崩して、熱い要の頬に優しく手を添える。真正面からピンク色で潤った唇と潤んだ目、そして真っ赤な顔を見てしまえば理性は揺れる。
三崎「 最初は優しく …….. ちゅ 、って ソフトなやつね 。… 目 、瞑って 」
立花「 そふ、と … んっ 、」
優しく、触れるだけのキスを落とす。柔らかくて、少しだけビールの泡の苦さを残した唇。夢描いた唇に触れれたのに、どこか埋まらない。嬉しいのに、触れたかったのに。
立花「 ん … りゅうのくちびる 、やわらけぇ …….. ん 、 」
ひとつ、ふたつ、柔らかな口付けを言葉を遮るようにする。口を塞げば大人しく黙って、きゅぅと目を瞑る姿に可愛いと思ってしまう。
三崎「 … つ、ぎ えっちなやつ …….. ね 。舌 、出して 」
声が震える。えっちなやつってなんだ、どんな風にするのが正解なのか、俺だって経験はない。ソフトなキスも、エッチなキスも。だから震える手を耳を挟むようにエラに持っていく。
大人しく小さな舌を出す馬鹿。馬鹿なのに、それが全部可愛くて。
三崎「 そう … ん 、ぁ …….. っ 、」
立花「 ぁ 、んっ …….. らに 、こへ … ぁ …….. ♡ 」
ひとつ、キスを落とせば潤う唇に唇を合わせて、小さな舌を絡めとる。ゆっくりと息を吐いて、口の中に侵入して。熱を混ぜるように舌先で要の舌を攫っては絡め合って、唾液を混ぜ合わせる。
困惑するような声を漏らしながらも、追いつこうと必死に舌をたどたどしくも動かす姿は無慈悲にも俺の理性を煽る。
三崎「 息 、鼻からして …….. そう 、… あふ 、っん … 」
立花「 まっ 、 ! …….. んぅ … っ 、♡ 」
ネットや知人の話から聞いた言葉だけを頭に入れて正解だった。誰かのために勉強して、覚えた知恵がこうやって使えるのは少し複雑さが滲む。
制止の声は絡まる舌に遮られ、途絶えた。
立花「 ぁ、ふ … んぅ 、…….. ♡ 」
まるで生き物のように舌を動かすも、やはり初心が何処かある。けれどそれを悟られぬように唾液の熱を感じさせ、舌を覚えさせるように絡める。
びくびくと震えながら甘い吐息を零すかなめの目はより一層、とろんと溶けていた。
三崎「 …….. どう ? 」
名残惜しいように口を離せば、二人の間に透明な糸がたらりと垂れる。部屋の電気に照らされて、一瞬きらりと光を帯びたそれは何方の糸なのかは俺達二人ですら分からない。
平然を装うように、口端に着いたどちらかの唾液を舐めとっては優しく撫でてやる。それは頑張った、という要への励ましと同時に自分の理性を抑えたものだった。
立花「 あた、ま 、ばかんなる …….. 」
肩で息をしながら、俺の胸板に倒れてくる。支えようとすればまだ余韻が残るようにぴくりと肩を震わせる。なのに離れようとはせず、むしろ寄りかかって体重が体に重くのしかかる。
三崎「 … おつかれさま 、このまま寝ていいよ 」
耳まで赤くして、熱に溶けた保冷剤のようにとろりと体の力が抜けた要の体を寄せて、俺の肩口に頭を乗せさせれば腕の中に収める。
大丈夫、大丈夫と背中を優しくさすれば要の息が落ち着いてくる。段々と鼓動の音が収まって、数秒もしないうちに小さな寝息が俺の肩に触れる。
俺は無防備な要をちゃんと、しっかり、腕の中で寝させる。優しく背中を摩り続けて、寝やすいように、夢の中で忘れてくれるように。
⎯⎯⎯⎯⎯⎯ 不器用を犯した俺を心底許して欲しいと心の中で、腕の中の要の髪に口付けを落とした。
「 … 要 、すきだよ 」
誰にも届かないその言葉は明るくとも異様な空気に包まれる0:00を迎えた部屋に、霧のように落ちて消えてった。
─ “what comes next… episode 2.▶︎▶︎▶︎
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