TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

タイトル、作家名、タグで検索

テラーノベル(Teller Novel)
シェアするシェアする
報告する

「いや、ちょっと…」

言いかけた次の瞬間、緑色と黄色の光が俺を包んだ。

眩しいな…。

光が消えると、俺はいつの間にか見たことも無い景色の中にいた。

「コレが本の中?」

ここは住宅街か?

人はいないが車は走ってるな。

「ひとまず海のど真ん中って訳ではねぇようだな。」

確かめる為に一応地面を何度か踏んでみた。

「ここにいても何も始まらないだろうし、ちょっと腹減ったな。飯屋探すか。」

俺は今いる場所から車の動きを見て、おそらく人通りが多いだろうと思う方へと歩いていった。

するとしばらくしてお店らしきモノを見つけたので近付いてみた。

お店の前に立ち、看板を見ると英語(筆記体)で書かれていた。

【Captain Ridley’s bar】

「こりゃ英語か。参ったな…。」

【キャプテン・リドリーのバー】

「おー読めるわ、すげえな俺」

勝手に一人で感心していたが、やってんのか?

不意に横を見ると「OPEN」という看板があった。お店はやっているようだ。

「しかし、何の店なんだ?」

俺が店先で立っていると、店の中から店員と思われる男性が出てきた。

「何してるんだ?誰か待ってるのか?」

大柄な男は茶緑のモジャモジャ髭を蓄えており、怪訝そうに俺も見つめた。

コイツ明らかに外人なのに日本語喋れんのか。

いや、ここじゃ俺が外人か…。

「いや、何の店かなと思って。」

「ここはパブだ。入るか?」

パブってなんだ?

まぁ入ってみるか。

「おう、入る。」

店に入ると、2人用の簡素な丸テーブルと椅子がいくつもあった。中には、四角のしっかりした木のテーブルとソファの席もあり、なんだかレストランのような雰囲気だ。

俺は店員に誘導され、簡素な方に案内された。

「俺はバートンだ。今日は客が少なくてな。お前みたいな子供でも大歓迎だ。」

確かに俺以外には客が1人みたいだけど。

もしかしてまずい店か?

「おっさんゴメン。パブって何の店?」

「まぁ言ってみれば酒場だな。けどウチは朝からやってるし、普通のジュースだって出すし、食い物のメニューだって豊富だ。ほれメニュー」

バートンからメニューをもらい見てみると、バーガーにチキン、ポテトチップス、ピザ、カレーと色々書いてある。

「じゃあバーガーにしようかな」

「お、良いチョイスだな。俺のオススメでもいいか?」

「おう!よろしくおっさん!」

そう言うとバートンはギロっと睨んだ。

「俺はバートンだ!」

「あ、あぁ…ゴメンゴメン。バートンのおっちゃん、よろしく頼む。」

「まぁいいだろう。」

バートンはそういうとカウンターの奥に消えていった。

俺は外国のメニューが珍しかったので、しばらくメニューを見て楽しんでいた。

そういえばもう1人の客は何食べてんのかな?

俺はもう1人の客の方を見てみると豆がたくさん入ったスープを飲んでいた。

「豆か…。あんま美味そうじゃないな」

しばらくするとバートンがオススメバーガーを持って来た。

「そういやお前さん、どこから来たんだい?見慣れない格好だ。」

「俺は…あー日本から来た。」

「日本!?それはまた遠いところから来たもんだ。親戚がこっちにいるのか?」

「まぁ、そうだね。」

俺は正直嘘があまり得意じゃない。

誤魔化すためにもとりあえずバーガーを頬張った。

「お!!美味い!!」

「そうだろ!良い牛肉が入ってな。こんな最高のバーガーは他には無いぞ。それにしても良い食いっぷりだな。ほれ、サービスだ。おかわり自由だぞ。」

そう言ってバートンはオレンジジュースをテーブルに置いた。

「バートンのおっちゃん、あんがと。」

そう言ってジュースに手を伸ばし飲んでいると、ふとした違和感に気付く。

バートンがテーブルから離れない。

もしかして暇なのか?

すると、バートンが少し小さな声で俺に声をかけてきた。

「お前さん、もしかしてシルク・ド・フリークを観に来たんじゃないのか?」

loading

この作品はいかがでしたか?

35

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store