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「一緒に帰れる〜?」
友達の奈那がそうたずねてきた。
今日はお互い部活がないから下校時間が同じだ。
「あ〜……彩がおらんかったらいーよ」
彩とは一昨年仲良くなった。
同じ地区に住んでいたから前からお互いのことは知っていたけど、「この人知ってる」くらいだった。
去年までは同じクラスだったけど、今年は違う。
登校は一緒にだけど、それ以外で関わることは減った。
奈那は今年同じクラスだった幼馴染み。
彩とは逆に去年までは関わりが減っていた。
今年は同じアニメをみたりして仲良くやっている。
「あ〜、おっけー。夏海も居ていい?」
「いーよ」
夏海も幼馴染み。今も昔も普通くらいの仲。
とりあえず三人で玄関まで歩いた。
下駄箱を見たら案の定、彩の靴は無かった。
きっと別の子と帰ってるんだろーな。
「おらんかったわ〜。帰ろーぜ」
その言葉を合図に三人で歩き出した。
「ねぇ紅葉、私推しカプおるんやけどさ、最近下校の時追いかけとんねん」
奈那がそう言ってきた。紅葉というのは私の事だ。
奈那の言う推しカプは、所謂びーえるというやつ。
別にそれに対して私は何も思っていない。
例え三次元であっても私は理解する。
私も一応そういうのは見れるし。
「今日見れるか分からんけど追いかけていい?ちょっと早歩きになるけど」
夏海はいつも一緒について行ってるらしい。
夏海が理解あるのかは分からんけど。
「全然いーよ」
そうは言ったけど、二人はあんまり早く行こうとしない。
遠慮しとるんかな。別にいいんに。
途中まで三人で談笑しながら帰った。
そしたら友達と帰ってた彩を見つけた。
その友達は家近いけどどうするんかな。
よく分からんし、とりあえず二人と帰ろっかな。
そう思ってたら彩がこっちに来た。
「……あ、じゃあばいばい奈那」
「ばいばーい」
私と別れた後の二人はめっちゃ早く歩いてた。
やっぱ遠慮しとったんや。
「歩くのはや……」
「私と帰った時はめっちゃ遅かったんに」
奈那と彩はちょっと微妙な仲。
ちょっと前まではもう少し仲良かったんだけど。
こうなったのにはちゃんと理由がある。
奈那達と彩が一緒に帰った時に奈那達がちょいちょい立ち止まってたらしい。
多分例の件でだろーなぁ。
「なんであんな立ち止まるんやろキモイわー」
……。
「なんでか私理由教えて貰えたよー」
「そーなん? なんでなん?」
なんで、か。
言ったらキモイって言うんやろーな。
嫌やな。でもなー。
彩と仲良く出来んのは困るなー。
嫌われたくないな。嫌やな。
「…なんか、誰か追いかけとってんて」
「誰?」
誰……。
「…覚えてないなぁ。なんやっけなぁ」
言えるわけないやん。
彩そーゆーの好きじゃないやん。
言ったら奈那達嫌われるやん。
仲良くして欲しいやん。
「へー…」
……。
「…ッなんか、男子追いかけてたんやって。
推しカプとか……」
「え、BLのためやったん? うわ、キモー!」
……ぁ、
三人また仲良くなれるんかな。なれるかな?
私のでもっと出来んくなったら嫌やな。
どっちともと仲良くしたいんに。
キモイとか言わんでや。
そのまま普通に話しながら帰ってた。
でも途中で奈那と夏海がいた。
遠くに。
それを見つけちゃったから。
見つけたからまたその話が始まった。
「奈那はともかく付き合っとる夏海もヤバいよね。断ればいいんに」
「…そーやね!あはっ」
そーいえばさー! そうやって話を逸らした。
逸らしたんに、彩はまた戻した。
「でもほんとさ─────」
「あははっ、ほんとあれさ!」
また逸らした。そしたら諦めてくれた。
嫌やなぁ、ほんと。
キモイとか言わんでや。
私の友達なんよ? その子も。君も。
ほんと
そういう君が
気持ち悪いよ。
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