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4 - 第4話 不器用な初めて

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2024年07月30日

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「今日だけは、俺のこと好きにして欲しい」


 好きにするって…どうやって?どこまでシていいの?そう聞きたかったけど、言葉にするのって思ったよりも難しいことなんだって初めて知った。気持ちが喉のあたりで絡まってうまく出せない。


 僕は、琉真の硬い手をそっと握った。血管、結構出てるんだな。僕がそっと彼の顔に目をやると、彼は覚悟の決まりきっていない赤面で僕を見つめていた。

「やっ…やめてよその顔…。」

彼は顔を俯けた。気恥ずかしくなって、なんとなく彼の頭に僕の手を置き、優しく撫でてみた。悪い気は、しない。

「……なんかこれすきかも。」

琉真が甘美な声でつぶやいた。僕だって同じ気持ちだよ。手でこめかみを伝って、火照った頬に添える。

「琉真。」

彼は顔を上げ、物欲しそうな顔でこちらを見つめている。僕はそれに応え、顔を近づけた。

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