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かんな
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寿命㌫(主) 🔮🖤ᩚ
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――事の始まりは、一年前。
転んで頭を強打した時に前世を思い出した。
その瞬間に、目の前の世界が変わった。
「まさかの……?」
ベッドの中で、思わず呟いた。
ラノベやアニメでよくある異世界転生が自分に起こった。あんまり不思議じゃなかった。
なぜなら自分は、オタクだからだ。
(推しへの強い愛を持って死んだオタクは転生できるんだ。ありがとう、神様)
この時ほど、神に感謝した瞬間はない。
ついでに、この世界が大好きだったBLゲーム『いつか花咲く君のために』の世界だとも理解した。
だって、登場人物たちに、もう会っているから。
主人公のリリーも、攻略対象の面々も、魔術学園の同級生だ。
ただ一つだけ、絶望を隠せなかったのは――。
「イソトマ=アルシュタインって、悪役令息じゃん。なんなの、最近の転生の流行なの……」
血の気が引くほど落胆した。
どうせなら、モブに転生したかった。
同じ学園の同級生なら、壁にでも空気にでもなって拝み放題だったのに。
「僕の推しはルシリリなのに。僕が一番の邪魔者じゃん」
ルシアン=アルヴェルトはアスランズ王国の第一王子で、イソトマの婚約者だ。
アスランズ王国は同性でも異性でも結婚できる。
魔法を使えば同性同士でも妊娠が可能だからだ。
「アルシュタイン家は侯爵家でお金持ちだからなぁ」
位の高い貴族ほど、家柄や才能を重視して結婚相手を選ぶ。
イソトマとルシアンは、生まれる前から決まっていた婚約者だった。
「しかも、イソトマは魔種持ちだし」
魔種を持つ者は魔力が強い。
魔法を使わなくても同性同士で妊娠できる特性もある。
イソトマは、かなりハイブリット物件なのだ。
「めちゃめちゃ性格悪いけどね。さすが、悪役令息」
鼻で笑ったが、自分のことだと気が付いて落胆した。
これまでのイソトマの行動を思い返す。
ヒロインのリリーにも、攻略対象の面々にも、高飛車で傲慢な態度を取っている。
「今更、どうやって挽回するんだよぅ」
泣きたい気持ちになって、イソトマは枕に突っ伏した。
コメント
1件
第2話、読ませていただきました! 「転生したら悪役令息だった」――しかも推しのルシリリの一番の邪魔者って、もうその設定だけで胸がぎゅっとなりますね…。イソトマの絶望感がひしひしと伝わってきて、思わず「わかる…」と共感してしまいました。これからどう挽回していくのか、すごく気になります! 続きも楽しみにしていますね🌷