テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「さて、まずは使用人としての審査から。今から料理と掃除をしてもらいます。」
してもらいますって言われても、檻の鍵が開くわけじゃない。床から机があがってきて、その机には調理器具と掃除用具と思われるものが乗っている。
「では、皆さん始めてください。まあ、使い方が分かれば…ですけどね。」
家が無かった私には、使い方なんて分からない。だけど……何もしないでひどい扱いを受けるくらいなら、笑われても一生懸命やってみせる。命ある限り。
「おやおや~、今年は使いこなせる人が多いですねえ。その中、3番さんと6番さんだけおかしな使い方をしています。お二人とも招待枠のようですが、これはひどい!」
楽しそうに人を馬鹿にするような笑い方をする司会者。3番と6番の招待枠。つまり、里香さんと私が酷いということ。こんな器具なんて名前も知らないって言うのに……それだけで馬鹿にされるなんて……
「おーっと、ここで1番の方に150万との値段が付きました!」
1番と呼ばれる人の方を見るとトラックの荷台で喋っていた男の子がオムライスを作っていた。
「続いて7番に200万、またまた1番にご指名が、480万です!」
こうやってオークションをされるんだ……今は使用人としてのオークション。ここで落札されれば使用人として扱ってもらえる。だけど……奴隷より楽だからなんていって、こんな汚い人間たちに買われるなんてまっぴらよ。
「6番に100億。」