日常・非日常

厄災もなく、平和ボケするくらい平和な毎日。忍び寄る厄介ごとの足音もしない。

別々に海外に行ったのに、散歩中に偶然出会った。

目黒が「運命だね」と言う。

ホテルに戻っても、目黒の言葉が耳から離れない。

「運命」、自分たちは、結ばれる運命にあった。

きっと、何があっても離れないだろう。

じわじわと渡辺は嬉しくなっている。

渡辺ー俺たち、運命？

目黒ーそう思えたら幸せじゃない？

渡辺ーお前が、幸せを運んできたんだな。

目黒ー今、翔太くんを抱きしめたい。

渡辺ー日本まで、我慢だな。

目黒ー俺と、こういう風になって良かった？

渡辺ーん、最初は怖かったけど、今は良かったと思う。

目黒ー結婚して、後悔してない？

渡辺ーん、してない。

目黒ー今から翔太くんのホテル行っていい？

渡辺ーだめに決まってるだろう。

目黒ーこういうときに愛し合いたいのに。

渡辺ーばか！恥ずかしいこと言うな！

電話を切った渡辺は、身体が熱い。身体の奥に炎が灯ってしまった。

どうしたら、鎮まるか分かっている。だが、ここは海外。

躊躇いがある。だが熱い。部屋の電気を消す。ソファで、裸になった。

そろりと手を伸ばしたとき、部屋のチャイムが鳴る。

慌てて服を着て出る。

マネー寝てましたか？

渡辺ーん、何で？

マネー部屋、真っ暗だし。頭痛ですか？顔も赤いみたいだし。

渡辺ー時差ボケが治んない。何か？

マネー明日の予定は、お知らせした通りです。起きれますか？

渡辺ー大丈夫、

マネーじゃあ、早く寝てください。

渡辺ーおやすみ。

マネーおやすみなさい。

部屋の電気を点ける。自然鎮火してしまった。携帯が鳴っている。目黒だ。

目黒ー翔太くん、自分でした？

渡辺ーしない。

目黒ーホント？

渡辺ー・・しかけた、そしたら、マネさんが来て、明日は、予定通りだからって。

自然鎮火した。

目黒ー嘘、まだ小さく炎があるでしょ？

渡辺ー・・。

目黒ー俺が、キスして、胸かじって・・

目黒の声を聞きながら、部屋の電気を消して、ソファに座る。

目黒ー大きくなったでしょ。

渡辺ーん、身体が熱い。

目黒ータオル咥えてなよ？

渡辺ーはぁ・・。

目黒ースピーカーにして、聞かせてくれる？

渡辺ーやだばか。

目黒ー服脱いだ？

渡辺ーんっ。

こんなの、テレフォン・・・じゃないか！渡辺は、目黒に、切るからと言い、電話を切った。

目黒の声を思い出すと、どんどん熱が集まってくる。

バスタオルを敷いて、その上に裸で座り、身体を弄っている。後ろからしか快感を得ない。かろうじて自分の指でも、前立腺に届く。

渡辺ーんっ・・ふっ・・。

渡辺ーんっんっ〜・・ふっ・・んっ・・。

苦しくてタオルが落ちた。

渡辺ーはぁ・・はぁ・・。

ソファに倒れ込み、指を出し挿れする。熱が、どんどん集まってくる。

渡辺ーれん・・はぁ・・イク・・れん・・はぁはぁ・・イク。

小さな声で名前を呼び、果てた。まだ身体は燻っている。

しばらくは動けない。

携帯を取り、目黒に電話する。

目黒ー出来た？

渡辺ー動けない。

目黒ー聞きたかったなぁ。

渡辺ーばか。

目黒ー日本に帰ったら、してね。

渡辺ーばかば〜か。お前がいるのに、何でする必要がある？

目黒ーふふふ、じゃあ、俺がたっぷり愛してあげる。

渡辺ーあっ、そういう意味じゃなくて・・。

目黒ーいやいや、遠慮なく。

渡辺ーシャワー浴びて寝る！

目黒ー明日も、頑張ろうね。

渡辺ーん。おやすみ。

目黒ーおやすみ、愛してる。

日本に帰って、目黒に愛されることを考えると、また身体が熱くなる。

シャワー浴びて熱を冷まし、時差ボケ解消のため、ベッドへ。期待してる自分がいる。渡辺は「運命の人」に早く会いたい。そう思いながら眠りについた。