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庵野
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かめちょん
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僕らのバンドは、前よりはるかに大きくなっていて
外を歩けばわりかし声をかけられることもあるし
周りからの視線を浴びることもある
それがもはや日常茶飯事と化して
あまり気にすることはなかった
だけど、電車で感じるこの視線だけは
いつもと違う
僕はそれに恐怖を覚え、早く帰らなきゃと最寄り駅で降りた
…
誰かついてきてる…?
後ろから気配がする
それに足音も聞こえる
いや、もしかしたら
帰り道が同じなだけかもしれない
そう思っていた
ふと、足を止めると
後ろの歩いてた音が止まった
まさか
そして、歩くのを早くすれば
後ろもそれに合わせるよう早くなる
やっぱりついてきてる…!
気づいたら走っていた
それでも後ろは着いてくる足音が聞こえる
怖い
心臓の音がはやい
呼吸が乱れてく
恐怖で泣きそうになる
はやく、はやく…!家に着いて…!!
走ってから数分後
僕はエレベーターを使わずに
階段で駆け上がり、玄関前まで来た
後ろからの足音は聞こえなくなった
「はぁ…なんとか撒いた…かな」
扉を開けては閉め
厳重にドアチェーンなどをかけた
「怖かった…とりあえずシャワーでも浴びよう…」
走って汗をかいてしまったから
これだけはシャワーを浴びてスッキリしたい
「ふぅ…さっぱりした〜」
夜風に当たるため
ベランダの窓を開け柵に手をかけて空を眺めた
…?
下から何かを感じる…
ドクドクと心臓が鳴り
ゆっくりと下を見たら
「っ…!」
そこにいたのは
恐らく、僕の後を着いてきたであろう男が立っていた
僕は急いで、中に入り窓の鍵をかけた
「なんでいるの…?どうして…」
恐怖のあまり 体が震えている
「そうだ…明日 元貴たちにこの事を話そう…」
なんとか眠りにつこうと目を閉じたが
「ダメだ…寝れない…」
明日に響いちゃうから
どうしても寝なきゃいけないのに
「元貴たちに迷惑かけちゃう…」
ベッドで横になりそのまま過ごした
「結局、寝れなかった…」
眠りにつくこともなく朝を迎えた
「う〜…とりあえず準備しよ…」
ゆっくりと起き上がり
のそのそと準備を始めた
「おはよう…」
「おはよう、さては夜更かししたな?」
「ううん…夜更かしというかほぼ寝れなかったんだ…」
「涼ちゃんが?珍しいな…」
俺と若井は涼ちゃんの ことを
心配そうに見つめていると
涼ちゃんは口を開いた。
「あの…話したいことがあるんだけど…」
「うん」
「昨日の夜、誰かが僕の後ろをついてきたんだ…それで怖くなって途中から家まで走っていってなんとか家に着いて少し落ち着いたあとにベランダで夜風にあたろうと出たらたぶん僕をついてきたであろう男がいたんだよ…」
そのせいで僕は寝不足なんだよね
涼ちゃんは話し終えたあとため息をついた
「ストーカーじゃんそれ」
「ストーカー…だよね」
「家に帰るのが怖いなぁ…なんて」
にへっと笑う
無理して笑ってるかのように見えた
「それならさ、俺の家泊まってく?」
俺は涼ちゃんにそう提案した
彼は目をパチパチさせてこう返した
「元貴がいいなら泊まろうかな…」
「よし、じゃあ早速今日の夜からな」
「お前の気が済むまで何日泊まったって構わんよ」
「ありがと〜…!元貴」
いつものような笑顔で笑う涼ちゃん
この笑顔が1番だな
「それなら、俺は迎えに行こうかな 元貴ん家まで」
「若井も涼ちゃん心配してんの?やっさし〜」
「当たり前だろ」
「若井もありがと〜」
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