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⚠️sn×モブ女表現あります
自分勝手な行動をこんなにも後悔したことは今までなかった。普段なら抑えられる感情が我慢できずに溢れてしまったのだ。軽蔑したような視線を向けてくる勇斗の顔が今でも脳裏にこびりついてしまっている。
『仁人…なんで…』
そう言い放たれた言葉も、ずっと胸に刺さったままだ。そうだ、全部自分が悪いのだ。無理矢理、勇斗のことを襲ってしまったのだから。
勇斗に何人目かの彼女ができたと聞いた時、もう驚きはしなかった。長く続くこともあれば、直ぐに別れてしまうこともあり、その度に一喜一憂してそんな感情になってしまう自分が嫌だった。何故かというと、とうの昔から勇斗のことが好きだったからだ。もう何年も片想いをしている。この想いを伝えるつもりは一生ない、伝えて嫌われるくらいだったら、ずっと隠しておこうともう決めていた。
「仁人、見てー」
5人での収録の合間の休憩時間。
年下組は不在で、楽屋には勇斗と2人だけだった。
向かいに座っていた勇斗がこちらにスマホを向けてくる。そこに映っていたのは以前付き合っていた女性とはまた雰囲気の違う目が大きくて清楚系の女性だった。
「綺麗な人だね」
「だろ?」
「…バレないように気をつけろよ」
「わかってるよ」
彼女の写真を眺めてご機嫌になる勇斗をもうずっと何年も何年も見てきた。その度にズキンと胸が痛むのは一向に慣れはしなかった。
「一緒に住んでるの?」
「…………いや、まだかな。同棲するには今はリスクがあるかなぁ」
「そっか…」
今まで女性スキャンダルの発覚がないのは勇斗がその辺の見極めが上手だからだろう。きちんと将来のことを考えていてくれて、相手のことを何度羨ましいと思っただろうか。
「仁人は彼女作らないの?」
「…えっ……うん…まだいいかな…」
「ふーん」
なんて残酷な問いかけだ。
勇斗は返事に興味がなくなったのか、スマホに夢中になっている。
何度諦めようと思ったことだろう。
相手を作ろうとしたこともあった。
でも、それは相手にも失礼な気がして、すぐにやめた。どうしても隣に居る勇斗が欲しくて欲しくてたまらなかった。
「仁人さ、今日の夜空いてる?」
「…え?どうしたの?」
「あのさ、楽屋とかだとみんな居て相談しづらいからさ…俺の家来てくれない?」
「…いいけど…」
突然の誘いに驚いたが、幸い夜は仕事もなかったので勇斗の家に行くことになった。相談事ってなんだろう…
※
「お邪魔します」
「どうぞー」
久しぶりに勇斗の家に来た。
でも家の雰囲気は変わってなくて、懐かしいような、安心感があるような。
「飯はなんかデリバリーするか…仁人酒飲むっしょ?」
「…え?…んー…どうしよっかな」
「せっかくなら飲もうぜ」
「…そうだな、少しだけ…」
「俺、色々準備とか注文したりしとくから風呂入ってこいよ」
「…?…風呂?泊まるつもりないけど…」
「明日も仕事だろ?酒飲んで寝落ちしたら面倒だし、服とかは貸すから…せっかくだから泊まっていきなよ」
「でも、」
「いいから、…な?」
上手く捲し立てられた気がするが断れない雰囲気だったので仕方なく泊まることにした。勇斗から下着やらTシャツとズボンを受け取り風呂場へ。
「(…勇斗の家の風呂……)」
もこもこと泡立てたボディーソープで体を洗う。勇斗とすれ違った時にふわっと香るあの匂い。抱きしめられてると勘違いしてしまいそうになる。のぼせてなんかないはずなのに全身が熱くなる。
いつも通り隅々まできれいに洗ってシャワーで流した。もうさっさと出よう。
少しダボっとした服を着てリビングに向かえばテーブルには注文して届いた料理と色々な酒が並べられていた。中には桃味の見たことない酒があって目が輝く。
「はは、超嬉しそうじゃん仁人」
「初めて見た…どうしたのこれ?」
「お酒に詳しいスタッフさんが教えてくれて、仁人に飲ませてあげたくて取り寄せたんだ」
「そんな…いいのに…でもありがとう、後で飲んでも良い?」
「いいよ、仁人のために買ったんだから。…ちょっくら風呂入ってくるわ」
そう言って勇斗はシャワーを浴びに行った。
「おつかれ〜」
お互い持ってるグラスで乾杯をする。
さっそく開けたのはスタッフさんが教えてくれたという酒は好きな桃味で日本酒仕立てと飲みやすいものだった。ジュースみたいに甘いので飲み過ぎないように気をつけなきゃ…
美味しいご飯に久しぶりに飲む美味しいお酒。俺の話を聞いてにこにこ笑ってくれてる、そんな勇斗サシで飲むのも久しぶりで他愛ない会話をしながらも嬉しくて楽しくて箸も酒も進む。控えめにしようと思ってたのにグラスが空けば「飲みなよ」とどんどん酒を注がれてしまうのだ。
いくらアルコール度数が低いとはいえ、ジュースのようにぐびぐび飲んでしまったら酔いはまわってしまう。
顔が熱い。
体中がふわふわして気分が良い。
こくり、こくりと船を漕ぐ。
「じんとー?眠くなっちゃったの?」
「……んッ」
「片付けやっとくから、もう寝る?」
「……ぅん…」
なんとか椅子から降りて寝室の方へ歩こうとしたら、足がふらふらして転びそうになってその場に、へな〜っと座り込んでしまった。
「……?あれ、立て…な…い…」
「あーぁ、どうしちゃったのー」
「ごめ、足に力入んなくって……」
「しょうがないねぇまったく」
困ったように笑って同じ目線になるようにしゃがみ込んでくれる。
そして、手が伸びてきて抱きかかえられた。俗に言うお姫様抱っこだ。
落ちないとは思うけど怖くて勇斗の首に自分の腕をまわす。
「歩けるってぇ」
「いいのいいの」
首元からふわっとボディーソープの香り。お酒のせいなのかドキドキと胸がうるさい。
初めて入る勇斗の家の寝室。
割と大きめなベッドがそこにあった。
ベッドの端にゆっくりおろされる。
え、ちょっと待って。
よくよく考えたら…
「……同じベッドで寝るの?」
「あ〜来客用のとかは準備してねぇんだ」
「そ、そっか…」
なんか急に恥ずかしくなってきた。
「おれ、やっぱりソファーで寝る…それか床でもいいけど、」
「何言ってんだ、もうここまできちゃったんだから」
よっこいしょとか言って隣に腰掛けてくる。あれ?勇斗も寝るのかな?
「目がとろーんってなってて可愛いねぇ仁ちゃん」
目尻を親指でなぞられる。
くすぐったくって目を瞑ってしまう。
「…可愛いとか、そういうの彼女にしか言わないほうがいいよ…」
「彼女?…あーーー…」
「いつもそういうこと言ってるの?」
「うーん…まぁ……ってやめようよ、今そういう話」
「いいなぁ」
ポロッと溢れてしまった、ずっと隠していた言葉。咄嗟に口元を覆う。冷や汗がツーッと頬を伝った。
「(俺、何言ってんだ…?)」
「…仁人?」
「ごめん、なんでもない…」
「今のどういうこと?いいなぁって…」
「言ってない!聞き間違いだってば!」
「仁人」
顔を見ていられなくてそっぽ向いていたが、自分の手に勇斗の手がそっと重なった。低い声にビクッとして、ゆっくりと顔を上げれば真剣な眼差しをこちらに向ける勇斗がいた。
ダメ、そんなに見つめられたら…
「ーーー…好き」
長い間、抑え込んでいた気持ちが限界を越えて溢れてしまった。ずっと伝えたかった言葉。勇斗から欲しかった言葉。
死ぬまで隠しておこうと思ってたのに、俺の方がずっと昔から勇斗と出会ってて、隣にいたのに。勇斗に可愛いって言われる彼女羨ましくて…
目を見開いて驚いてるような勇斗はしばらく無言だった。
シン…と静まり返る寝室。一度溢れてしまった気持ちはとどまることを知らない。
「…勇斗ッ」
両肩を押して勇斗を押し倒した。
ボフンと体がベッドに沈む。
上に跨って顔を近づけて、その唇に恐る恐る自分のものを重ねた。
ちゅっ…と子供じみたキス。
好き、好き、大好きーー…
彼女じゃなくて俺を選んで欲しい。
「好き、勇斗」
ぽたぽたと涙が勇斗の頬に溢れる。
我に返る。サーっと血の気が引く。
俺、一体なにをして…
「…ごめ、勇斗…違う…」
「仁人…」
「違うんだ、違う、こんな…」
「仁人…なんで…」
急いで跨っていた勇斗から飛び降りて、寝室から出ていきリビングへ向かって自分のスマホやカバンを抱きかかえる。
そのまま勇斗の服を着たまま家を飛び出した。家を出る時、「待て!」と引き止めようとする声が聞こえたが振り切った。勇斗のマンションから出て、その辺に停まってたタクシーに乗り込んだ。
「……終わった」
全部終わった。
自分のせいだ。もう明日から勇斗と昨日までのような関係でいられない。
自分の気持ちを知られてしまった。
『なんで』
なんでって…言われてしまった。
そりゃそうだよな、メンバーにまして同性に好きって言われたら困るし、気持ち悪いもんな。
もう隣にいることは許されないんだろうなぁ。
タクシーの窓越しに輝く都内のネオンが眩しくって憎たらしく思えた。
※
あれから帰って死ぬほど泣いた。
朝起きて鏡を見たら目の周りがうっすら赤く腫れていてため息をつく。
こんなビジュアルじゃあメイクさんにも怒られてしまう。プロ失格だ。
家を出るまでの間、小さめの保冷剤で目をギリギリまで冷やす。迎えの時間が近づくに連れて憂鬱な気分になる。
昨日あんな出来事があったが今日は5人での仕事だ。つまり勇斗に会うのだ。
少しでも目のことがメンバーにバレないように伊達メガネを掛けてみる。
「よっしーおはよ」
「……はよ…」
迎えの車に先に居たのは柔太朗だった。
自分の次は勇斗を迎えに行くことになっている。
なるべくメンバーと離れた席にと後ろの方に座る。
「珍しいねメガネ」
「あー…うん、たまにはね」
「いいじゃん、それ似合う」
「…ありがと」
出発をして、勇斗のマンションへ車は向かう。昨日タクシーで通った道。
近づくにつれてドクドクと胸が苦しくなって自分の手をギュッと握ってしまう。
できれば会いたくない。
でも実際それは無理なもので。
車が停まってしばらくすると、マスク姿の勇斗が近づいてくる。
手に汗を握る。
「おはよー勇ちゃん」
「おーっす」
乗り込んできた勇斗は普段通りだった。
きょろきょろし、1番後ろの座席にいる自分を見つけて挨拶する。
「はよー仁人」
ニカっと笑う。あまりに普段と変わらないから気づいた。あぁ、昨日のこと、無かったことにしてるんだと。勇斗の中では大したことではなかったんだ。
なんだ、最初っから…俺なんて、
「おはよう勇斗」
もう諦めよう、勇斗のこと。
※
あの日を境に勇斗を気づかれない程度に避けることにした。あからさまだと不快な思いをさせてしまうから。
例えば楽屋での座る場所や雑誌の撮影での立ち位置、番組での絡み、少しずつ距離を置いた。
でも普段通り会話はする。
勇斗はなにか言いたそうだったけど、それを遮るように話を続けたりした。
とにかく勇斗からあの日の話を切り出されないように必死だった。いっそのこと自分から言おうかと思った。
気の迷いだった、酔っていたんだと。
でも、長年勇斗を想っていた自分の気持ちに嘘はつきたくない。でも嫌われたくない、軽蔑されたくない。
相反する気持ちに頭がぐるぐるしおかしくなりそうだ。
「仁人、お前変だぞ」
「……え?」
休憩中、楽屋から離れたところにある自販機の前でコーヒーを買いにきたら後から来た勇斗にそう言われた。
「別に普通だけど」
「普通だと思ってるのはお前だけ……無理してないか?」
「……してない」
「…俺のこと避けてるだろ?バレてないとでも思ったか?」
自販機のボタンを押せばガコンッと音がして冷たい缶コーヒーを取り出す。
「だったらなに?」
「……あ?」
「勇斗には関係ないでしょ」
「関係なくないだろ、あの日ーー…」
「あれは、……嘘だよ。酔っ払ってただけ、勇斗のことそういう意味で好きじゃないから…ごめん、忘れて…」
「…あぁ、そうかよ」
聞いたことのない低い声だった。
驚いて勇斗の方を見ると目の光が消えて、怒っているような、呆れてるようなそんな表情だった。
ーーあ、嫌われちゃった
自分の視界が涙の膜でぼやける。
泣いちゃダメだ。泣いたらもっと嫌われちゃう。バレないように背を向けた。
「強がり」
「……っえ?」
背後にいたはずの勇斗がひょこっと顔を覗き込んでくる。先ほどの表情とは打って変わって困ったような表情をしていた。
「泣き虫仁ちゃんはどうして正直になれないんですかね〜」
「泣いてない…」
ぽろ、ぽろ…膜を張っていた涙は耐えきれなくなって頬を伝っていく。
「めちゃくちゃ泣いてる」
「うるさいッ、気のせい」
「あ〜……とりあえず場所移動すっか、休憩まだ終わらないし…こっち来い」
「…え、待って、手……」
手を掴まれてされるがまま勇斗に半ば強引に連れていかれる。スタッフさんに見つからないか冷や冷やしたが大丈夫そうだった。ちょっと歩いて空き部屋のようなところに連れこまれる。少し埃っぽく使ってないセット等をしまう部屋のようだ。
ガチャっと鍵を掛けられる。
「鍵、なんで…」
「ん〜念のため?」
「なにそれ…」
「それで、泣き虫仁ちゃんはなんで嘘ついたの?」
「やめろその呼び方…別に嘘なんて、」
「わかる。何年仁人と一緒にいると思ってるんだ?なんでもお見通しだよ?」
向かい合う形での話し合い。
勇斗の真っ直ぐで見透かしてしまいような瞳が気まずくて目を逸らしてしまう。
もう逃げられない。きっと今この場で本当のことを言わないと勇斗は納得してくれないのだろう。
「……ずっと前から、勇斗のことが好きだった。でも彼女がいるから何度も諦めようとしたけど、無理だった。俺の方が先に出会ったのになんでだろうって……
でも、あの日、酔ってたとか理由つけて言ってたけど、言ったことは全部本当……勇斗のことが好きなの……」
「……やっと」
「…勇斗?」
「やっと、ちゃんと言ってくれたね」
大きい手で口元覆っている。
目がまるで三日月のような形をしていて、ゾクリと背筋が凍るような感覚。
「は、はやと…?…ッあ、!?」
会議用の長テーブルのようなところに押し倒される。勢いがすごくて後頭部がガンッとぶつかって痛い。
「…なに?どうしたの…」
「仁人と同じことしてるの、この前俺にやったみたいに」
「……っぁ、そんな…んっ」
ちゅっ…と口先だけの軽いキスを何度もされる。両手を指を絡められて抑え込まれる。動かそうとしてもびくともしない。
「んんーッ、…んぁ、ダメだってば、」
「なんで?俺のこと好きなんでしょ?」
「なんでって、…彼女いるのにこんなこと……」
「彼女?あは、そんなの最初からいないよ?」
「ーーーえ?」
「仁人の気を引き寄せるために嘘ついてた、ごめんね」
「……うそ?」
「そう、嘘。ぜーんぶ嘘だよ。俺もずっーーーと仁人が好きだよ」
「なに、それ…どういう…っんん…!」
器用な勇斗は片手で俺の両手首を頭上にひとつにまとめて押さえつける。
空いているもう片手は服の裾からするっと侵入してきて脇腹や胸を弄るような動きをされる。
「…やだっ、離して、…ぅあ!?」
「気持ち良いことしようね仁人」
「んぅ…ッ…」
勇斗が妖しく笑い唇が重なる。
さっきとは違う激しいキス。
熱い舌で口内を無理矢理ねじ込まれて
絡め合い、じゅるっと唾液を啜られる。
はぁはぁ…っと息が苦しくって、懸命に呼吸をする。
「あー…いいね、エッチだねぇ仁人」
「やめて、勇斗…お願い」
「んーそろそろ休憩終わっちゃうか」
これからなんだけどなぁ…っと独り言を呟く勇斗のことが少し怖くなる。
「このまま犯しちゃってもいいかなーって思ったけど俺の家でしよっか」
勇斗がニヤリと笑う。
普段の悪戯っ子のようなそんな可愛いもんじゃない、それよりもっと何かを企んでいるような不気味な笑顔になにも返事ができなかった。
続
コメント
1件
おっきゅんきたああああ!!😭💕💕 「彼女なんて最初からいないよ」のカウンターで脳みそ持ってかれたんだけど!!!仁人の片思いが実は両思いだったって展開にもうギャン泣きよ…😭💔 勇斗に押し倒されて「気持ち良いことしようね」って妖しく笑うシーン、完全に覚醒してて草!!普段の優しい顔が豹変するギャップがたまらんすぎる…でも休憩時間終わっちゃうの焦ったよ笑 続き待ってるー!🫶💕
ゆき
130
584
#snjn
キキ
253
#ご本人様には関係ありません
nanana

4,104