太宰は後に森鴎外と名乗った白衣の男に連れられ、森が専属医師を務めるマフィアのビルの最上階の一室まで連れられていた。
「いいかい?私の異能は…ヰタセクスアリスだ。エリスちゃんという異能力生命体を出現させることが出来る。」
太宰は初めて聞く’“異能”というものが分からなかった。
「一寸待って、イノウって何?」
森はあ、忘れてたと言って笑うと、太宰にこれまた丁寧に異能を説明した。
異能…というものが常識では不可能現象を起こす特殊な力であり、異能には種類があり、全ての人間が持てる能力では無いということ、そして太宰は恐らく”異能無効化”と云う異能を所持しているということ。
「…つまり森さんの言った素質って云うのは…僕の異能無効化って事で合ってる?」
そういう事だよ!と云わんばかりの笑みで大きく森は頷いた。
「理解が早いね。どうやら金剛石の原石を見つけ出せた様だ。」
森は嬉しそうに呟いた。
「忘れる前に聞きたいんだけど。」
「なんだい?」
「僕は森さんの何を手伝えばいいの?」
太宰は家出して約3ヶ月。
その間に横濱の夜の様子を理解していた。
暴動が起き、闇取引が置き、その情報を抜き出すために身体を売ったり、闇取引と関係なく路地裏で身体を重ねる男女や男同士、女同士など沢山見てきたのである。
「ちょ、一寸待ってよ太宰君…君はなんだと思っているんだい?」
「性交とか?」
「率直過ぎるよ!!君…何処でそんなこと覚えたんだい?大体15何でしょう?」
「家出して、横濱の夜の様子を見てただけだけど。」
なんでもないかのように云う太宰に森は慌てる
「あ、あのね!太宰君!確かに君は顔が整ってるけど!私は性交の手伝いを頼むつもりなんてないからね!?皆が皆そういう訳じゃないんだよ!?」
「だって森さんマフィアなんでしょ?だから何となくそっちの方かなって…」
「そうだけど!!でももっとマフィアらしいお手伝いをお願いするよ?」
「…首領の暗殺…とか?(笑)」
「分かってるじゃないか。」
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