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「……好き? 私のこと……」
高まる息の下から問いかける。
「ああ、君を、とても……はぁー……」
時に荒くなる息づかいに掻き消された語尾を、
「言って、最後まで」
伝えてほしいと彼にせがむ。
「とても……とても、君を……」
再び途切れた声の代わりに、深いキスが唇を拐う。
「とても君を、愛している……。いくら言葉にしても、言い尽くせない程に……」
想いの込められた言葉が、いっそ身体を追い上げると、つま先からじりじりと甘い痺れが這い上がって、いつしか蕩けそうな陶酔の果てに達した──。
二人で身体を寄せ合い、互いの温もりを感じながら眠りにつく。
今日も穏やかに一日が過ぎていく幸福感を、彼の胸に抱かれて思う。
「……幸せ」
浅い眠りの中で、口をついた呟きに、
「ああ、私も幸せだ……」
彼が応えて、私の身体を強く胸に抱きしめる。
規則正しく聴こえる心音は、穏やかな眠りに誘う、さながら子守歌のようで……。
彼との時は、醒めやらない安らぎに満ち溢れて、この先もずっと続いていくに違いない、愛しき日々を夢見た。