青赤成立済み/ふたりとも成人で同棲してる設定だけど、ただイチャイチャしているだけだからあまり関係ない/直接的なアレはないけど行為前のお話だから R15?くらい。中身は無い
珍しく退勤が遅くなり、青峰が家のドアを開けたのは日付を跨いでからだった。チッ、と内心舌打ちを零してすぐに愛しい恋人の元へ向かう。おそらく彼はもう寝ているはずなので、寝室だろう。
恋人を起こさないよう、音を立てないようゆっくりと階段をあがり2階のあるひとつのドアを静かに開けた。
「…っぱ、寝てるよな……」
部屋の隅にあるベッドが人一人分ほど膨らんでいたので、やはり彼は寝ていたらしい。せっかく、久しぶりの2人揃っての休日だったため”仲良く”しようと思ったが、まさか勤務がここまで長くなるとは。
小さくため息をついて、彼の赤い髪へ指を通した。さら、と手の中を流れていく。彼の髪は高校時代より随分伸びて、中学のころのようになっていた。そのため中性的な顔立ちが目立って、ミステリアスさがさらに増している。彼はすう、すうと規則的に寝息をたてて、長いまつ毛をぴったりと伏せている。
「……」
その顔に思わず加虐欲が湧いて、息を詰まらせる。赤司と恋人関係になる前から、多少のソレはあったが彼と付き合ってからはまた更に増えた気がする。それもこれも全部イジワルな恋人サマのせいだろう。”理解らせ”たくなるような言動をするのに青峰がいざお仕置すると、彼は眉を嬉々に歪めて普段見ないようなみだらな顔でにっこりと笑ってくるのだ。とりあえず、性癖をガンと殴られ、歪められたのは彼のせいである。
いつもはやめろ、と彼から言われるキスマークを細い手首に散りばめていく。ぢゅ、と強めに吸い付けば、本人は「ん、」と悩ましい声を上げて身をよじった。そして、惜しげも無く首を猛獣に差し出したのだ。それを逃す訳もなく。目の前に下げられた餌に猛獣はガブ、と食いつき、柔らかい肌へてんてんと赤い花を咲かせていった。
_未だ、起きない。
唐突に、こんな無抵抗な人間に加虐をしたがっている己に失望した。そして彼の顔へ3回ほどキスを落として、起こってしまった熱を鎮めようとトイレに向かった。…とき
ガチャ…
「…逃げるのかい」
そう後ろから声が投げかけられた。先程まで寝ていた筈の彼は目をくい、と細めこちらを見据える。
「なんだよ、起きてたのか?」
照れ隠しをするように頭をかけば、彼はくつくつと笑い出す。そして赤司は自身の方へ手招きをした。それに従って近付けば、首へ手を回され、ぐ、と引き寄せられる。
「っな…」
「ふふ、夜這いか?青峰。…俺はいいよ」
そう魅力的に微笑んで、彼はくびを傾げた。そんな淫妖な誘いにぐっと喉を詰まらせながら、微かな理性を動員させて返す。
「寝てたんだろ?無理に起こしてまでしてぇとは思わねえよ」
だから、な?と幼子を窘めるように赤司の頭を撫でると、少し間を空けて彼はこちらへ手を伸ばしてきた。
「ここ、こんなにしてるのによくそんなことが言えるものだ。そういうところは尊敬するね」
と零しながらかり、と己のスラックスの膨らみを爪で引っかかれる。ひく、と口角が震える。……あー、あまりにも理解らせがいがある。ほんとにこいつは…
「…いいんだな?煽ったのはお前だぜ」
「っふふ、やっとする気になったかい?俺はお前をずっと、待ってたのに。」
「それは……悪かったよ…」
「……謝るならキスしてくれ。それで許してやろう」
「ン、はいはい、王サマ。仰せのままに」
にこ、と赤司は微笑み、目を閉じる。淡く染まる彼の唇に、軽く己の唇を当てる。そして離れれば、赤司は「まだだ」とでも言うかのように青峰のシャツを割と強めに引っ張ったのだ。そんな行動に青峰は口角を釣りあげ、今度は噛み付くようにキスをした。
「……ん、ふ…ぁ、っン…」
「…ほら、鼻で息すんだって。教えたろ?」
「できない。だからあおみね、もう1回」
甘えた時に出る、子供のような可愛らしいわがままに猛獣はしっかりと応えた。
そしてどさくさに紛れて赤司の柳腰へ触れようと、パジャマの内部へ手を滑らせる。
「…っあ、ふふ………手つきがいやらしいな」
「ヤラシイ事してんだ、当たり前だろ。」
くふくふと未だ楽しそうに笑う赤司をどうにか崩したくて、とんとんといつも自身が”入っている”であろう臍の少ししたを柔く叩く。
「………それだめだ、あおみね…やだ…」
「嫌じゃないだろ。
…ほら、ここ、ちゃーんと突いてやるから、想像して?な?」
「…っいやだ、はやく……」
「我慢しろって」
「はやく……おねがいだ…直接さわってくれ」
あおみね、と赤司から甘く解けた声で呼ばれた本人は、彼に向かってにんまりと笑いかけた。彼はそうして、本格的に赤司に覆いかぶさり深くキスを落とした。
さて、翌日やりすぎた青峰が赤司にたんまりと怒られるのはまた後で。