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Like a sun
1.太陽
夏の日差しが容赦なく照りつける中で時谷は汗を拭いながらグラブを手に構える。
ルーキーの頃の出来すぎた功績を維持することは精神的にも簡単なことではなかった。
「トキ、やっぱ調子戻らへん?」
同じく内野のノックに加わる小幡の一声に周囲にいた中野や大山の視線が集まった。
時谷は雰囲気が重くなったのを感じ慌てて首を振り笑って見せた。
「むしろ前より身体軽いっす!記憶はないんすけど…多分。」
自虐ネタを含んでみたものの笑うものは1人もいない。
唯一笑顔を浮かべたのは後ろで休憩していた同学年の森下だけだった。
「あ、すんません…笑」
周りの空気を感じ取ったのか森下も慌てて首を横に振った。
そんな森下に周囲の緊張も解けノックが再開されていく。
口パクで森下に「ありがとう」と伝えるも上手く届かなかったみたいで首を傾げられた。
異常なほどに過保護な先輩やチームメイト達に少しの違和感は募るばかり。
復帰から1ヶ月が経とうとするもやはり失った記憶が掴めずにいた。
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