テラーノベル
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ソ連×アメリカ
アメリカ病み
嘔吐…というか嘔吐く(おえってやつ)表現あります
軽いグロ表現あります
イギリスさんがクズですとってもクズです
注意してください⚠️
目が覚めると、ふかふかなベッドの上だった。
所々にあった傷口は手当てされていて、綺麗な包帯が巻いてある。
🇺🇸「……。」
もう何もしたくない。…このまま、二度寝でも…
??「おい、起きたか。」
大きな音を立てて扉が開き、吸血鬼がズカズカ入ってきた。
??「血を吸わせろ。お腹空いてるんだ。」
…俺が寝てる時に吸えばよかったのに。
🇺🇸「…いたいの?」
??「…さぁな。」
がぶっ
そんな効果音が付くぐらい、勢いよく俺の首に噛み付いてきた。
🇺🇸「い゛っ………」
首元の痛みとともに、体から血が吸われる感覚がする。自分の体から、全ての血がごっそり抜けていくような………
目の前に黒いモヤがぶわぁと出てきた。 体に力が入らなくなってくる。
もうすぐ意識を手放す、という手前で吸血鬼は俺の首元から顔を離した。
そして口元から垂れた俺の血を舐めたあと、こう言った。
??「…お前の血、うめぇな。」
…頭おかしいんじゃねぇの、こいつ。
🇺🇸「…あっそ。」
??「…お前のこと、気に入った。名前はなんだ?」
🇺🇸「…アメリカ。」
??「…アメリカ……?あ゛ー…どっかで聞いたことある気が………」
??「…あぁ、そうか、お前英家の……」
🇺🇸「ッ!!それ以上言うなッ!!」
思わず叫んだ。英家の名前が出るのが嫌だった。あの頃の思い出がまたぶり返された。
……また、「出来損ない」と言われると思った。
??「………悪いな。」
吸血鬼は意外と素直に謝ってきた。…変なやつだな、人間に謝るとか。
…しばらく気まずい空気が流れ、静かな時間が生まれた。
🇺🇸「…お前の名前はなんだよ。」
この空気を打破するべく、俺は吸血鬼の名前を聞いた。
??「…俺は………」
☭「ソ連だ。」
☭「正式名称はソビエト社会主義共和国連邦」
🇺🇸「…長いな。ソ連って呼ぶ。」
☭「ああ、ぜひそうしてくれ。 」
会話が一区切りついたところで、俺は先程まで血を吸われていたことを思い出した。
すると急に、ぐらっと体が傾き、そのまま意識を飛ばした。
☭「………無理させすぎたか。」
🇺🇸「……。」
またふかふかのベッドで目が覚めた。隣を見ると、でかい物体が添い寝していた。…ソ連だ。
🇺🇸「…なんで一緒に………」
そう思うも、なんだかどうでもいい気がしてその疑問は追い払った。
まじまじとソ連の顔を見つめる。眼帯をつけていたから分からなかったが、俺から見て左目のまつ毛は色がついていてとても綺麗だった。
しばらく見ていると、彼が起きた。
☭「……あ゛…?何見てんだよ…」
彼は寝起きで不機嫌そうだ。眠いのか目を細めてこちらを見ている。
🇺🇸「…別に。」
俺は目を逸らした。
☭「……なに目逸らしてんだ…なんかやましい事でもあんのか?」
けど顎を掴まれて、強制的にソ連の方へ向かされる。しぶしぶ目を合わせると、赤と黄色の瞳が見えた。
……アカイ目………赤い目…?
ざざざっ
????「こんなことも出来ないのですか?」
????「早く準備なさい。いつまで待たせる気です。」
????「あの子だったらもっとできるのに…どうして兄弟でこんな差があるのでしょうね。 」
????「……雑用も出来ないんですか、この出来損ない。」
ざざざっ
…あぁ、そうだ、あいつの目だ。
あいつの……”イギリス”の目。
あの、俺のことを見透かしてそうな赤い瞳。
俺を見下してくる視線。
あいつの全てがソ連と重なる……気持ち悪い。
🇺🇸「ひゅッ……ぅ、おえ…」
思わず吐きそうになる口元を押さえ、もうソ連を見ないように目をぎゅっとつぶった。
でも、そんなことしてもまだ脳にあいつが焼き付いてる。
…やっぱり、あいつから、あいつらから離れるためには……しななきゃ…
俺のポケットにずっと入ってたカッターを手に取る。
ずっとある事に気付いてたけど、どこか心の中に希望があって、まだ死にたくないと思って使ってなかった。
…でももう、そんなの知らない。
やっぱり死なないとダメなんだ、そうじゃないとあいつから離れられない。
手の中にあるカッターを、首元まで持っていく。
…さよなら。もう二度と…貴方たちの元へは生まれないから。
ぐぐっ
手が引っ張られた。首からカッターが離れていく。
🇺🇸「………。」
🇺🇸「…なんで、なんで邪魔するんだよ…ッ」
🇺🇸「ソ連…ッ!」
☭「……」
☭side
気づいたらあいつの自殺を止めていた。
俺でも何故か分からない。無意識に手が動いていた。
🇺🇸「なんで邪魔するんだよ…ッ……ソ連…ッ!」
☭「……分からない。」
🇺🇸「………は、?」
☭「…無意識に、お前を止めてたんだ。」
俺がそう言うと、アメリカは乾いた笑いをこぼした。
🇺🇸「…は、はは……なんなんだよ、それ。」
🇺🇸「そんなよく分からない理由で、散々俺の事現世に引き止めて……」
🇺🇸「…もう、もううんざりだッ!!」
🇺🇸「みんなみんなッ、俺の事を道具扱いして、誰かと比べて、嘲笑ってッ!!」
🇺🇸「終いには、生きることも死ぬことも自分で選択できないッ……」
🇺🇸「こんな人生、生きてる意味ないッ…!!」
言い終わると、アメリカは俺の手を無理やり払い除け、そのまま刃物を自分の首に突き刺した。
🇺🇸「ぐ、ごふっ……は、はは……あはは…」
☭「な……ッ」
アメリカの首から血が溢れ出す。カッターが突き刺さった場所から、ドクドクと止まることなく流れていく。
…俺は今、どんな顔をしているのだろうか。
🇺🇸side
やった、やった、やっとあいつらから離れられるんだ……!
この日をどれだけ待ちわびたことか!
これで、俺をこき使ったヤツらをどん底に落とせる…!!俺が死ねば、今までやってきたことは間違いだと思い知らせることができる…!
……そうすれば、俺の事考えてくれるよね、思ってくれるよね、…むし、できないよね……?
………俺だってわかってるよ、こうしても誰も見向きしてくれないことぐらい。でもさ、どうするのが正解だったんだよ。
頑張っても頑張っても比較されて、出来損ないって言われて、のろまって言われて。
本当は死にたくなかったよ。死にたくないよ。でも俺にはこの方法しかなかったんだ。誰かの記憶に、少しでいいから俺を焼き付けたい。少しでいいから……俺の事、もっと見て欲しかったんだ。
隣にいるだろうソ連を見てみる。……あは、すごく驚いてて悲しそうな顔してる。まだ会ってちょっとの人に、そんな顔できるんだ。
……やさしんだね、ソ連って。もっと怖い吸血鬼だと思ってた。
……理由がどうであれ、俺に「死ぬな」って言ってくれたのは嬉しかった。…ちょっとだけ。
ごめんなさい。結局死んじゃうけど……最期に会った君だけは、忘れないよ。
俺は勢いよく首に刺さったカッターを引き抜いた。 ぶしゃあああっと血が吹き出る。死ぬという実感が沸いた。
さよなら。
────速報です
昨日の朝7時頃、「吸血鬼の城」と称される森の館で1人の男性の死体が発見されました。
死因は自殺と見られていますが、少年がいた部屋には”灰”が積もっており、警察は調査を進めています。
────
🇨🇦「…ね、ねぇ父さん、これって……」
🇬🇧「……えぇ、アメリカでしょうね。」
🇬🇧「…全く…死んだ後も面倒事を残していくとは……本当に嫌な奴だ……。」
🇬🇧(…ま、死んでよかったか。ついでに厄介な吸血鬼も死んだし……あの山は責任もって私が買い取ろう…。)
🇬🇧「…ふ、くふふ……」
🇬🇧「あっはははははははっ!!」
ばっどえんど。完。
コメント
1件
吸血鬼って日光に当たると灰になる…確か…