シン…と静まるリビング
竜胆くんの真剣な目が私を見つめる
蘭くんと竜胆くん、どっちの嫁になりたいか
そんなのわかんない
「か、考えさせて…」
「…わかった」
そう呟いて、彼はケーキの乗った皿を運んだ
ゴメンね、竜胆くん
しばらく考えないと答えがでないみたい
どう考えても、私と蘭くんと竜胆くんの3人でいる未来しか見えないんだ…
「蘭くん、口開けて」
返事が帰ってこない
髪の毛で顔が見えないけど、多分寝てる
「おーい、起きて蘭くん」
どんなに声をかけても起きることはない
爆睡してる…?
「………
へい大将、やってる?」
寝言がすごいね、
思わず笑っちゃうけど
そしたら起きちゃうからグッとこらえたけど。。
竜胆くんが飲んでいたお茶を吹く
「ぶはははは!!お前まじでww」
竜胆くんが笑ったからつられて笑っちゃった
「あははっw
あ、蘭くん起きたw
ほらモンブランだよ」
彼の口元にすくったモンブランを近づけると、パクリと口にいれた
心なしか嬉しそうな表情をしている
「美味しい?」
「……うん」
蘭くんが動くと、服の隙間から黒い模様が見える
そうだ、この事を聞こうと思ってたんだ
「ねぇ、よく見えるんだけどさ
その黒い模様って何なの?」
竜胆くんの腕の模様を指で指す
「あぁ、これ?
刺青」
「刺青??!」
二人が刺青を?!
開いた口が塞がらない
「…見る?」
蘭くんが服の裾をめくって腹を見せた
そこにはゴツい刺青が彫ってあった
「な、なにそれ凄い…」
「だろ?」
竜胆くんの方に視線を移すと、彼も服の裾をめくった
蘭くんとは反対側に刺青が彫ってある
「すごい、かっこいいね!」
「望華も彫る?」
「えっ、私はいいかな
痛そうだし…」
二人とも、昔と全然違う
昔はヤンチャって感じだったけど、今はなんていうか
…不良って感じ
なんだか、存在が遠く感じて
寂しい気持ちが心の片隅に残った
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