「待て!『神殺し』!」
ガキンッ
一人の帳消から出された技を受け止める。
誰かと思えば、しつこくウチらを追いかけてくる、聖華 麻とか言うやつだ。
「神なんてっ……!殺してねぇよ!!」
そう言いながら押し返すけど、直ぐに受け身を取られる。
「うるさい!!鬼人の癖に!!」
鬼人だから何だってんだ。
確かに人間を襲う鬼人はザラにいる。
でも、ウチはこの麻を襲った覚えは無い。
「『氷剣』!」
「チッ……めんどくせえの出しやがって」
麻が氷剣を出す。
刃物を操れる能力ってのも、厄介なもんだ。
「はぁぁぁぁ!!!」
麻が突っ込んでくる。ウチはそれを止めた。
「『人体動力源零』」
「なっ……!?動け……」
ウチはその横を通り過ぎ、麻の背後に立った。
「『解除』」
ウチの声と共に、麻が地面に倒れ込む。
その倒れ込んだ麻の顔の横の地面に愛刀『夜叉霞』を刺す。
「お前、なんでウチらに固執する?」
「うるさい……!」
麻も帳消の端くれだ。今動いたら死ぬと言うのは、分かっているらしい。
「そーかよ」
霧矢の方を見ると、帳消達をボコボコにして、その積み重なった人間達の山に座っている。
「霧矢。帰るぞ」
「はぁーい」
霧矢は久しぶりに前衛に立てて嬉しそうだ。
ご機嫌な霧矢と帳消本部の建物の塀を飛び越えて地面に着地する。
その時に、麻が何か言った気がした。
(ここじゃ無かった……じゃあ何処に……?)
考え込む。
でも、分かったことなど一度もない。
分かっていれば、アイツにとっくの昔に会えてるはずなんだ。
(……いつか絶対、君を見つける)
心の中で月に誓った。
帳消・・・鬼人と戦う集団
『氷剣』・・・その名の通り、氷剣を生み出したり、操ったりする技。
『人体動力源零』・・・人が動く動力源の出力を0にする技。
『解除』・・・どの能力にもある、技を解除する技。尚、一瞬しか使えない技には『解除』は使う必要は無い。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!