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すまない先生とアスク、ブラックを見送った天満たちは、蛇の国を歩いていた。
ふと、後ろからイグに向かって誰かが手を伸ばす。それに気がついた蓬莱は、イグを押し飛ばし、杖を向ける。
「おぉ怖い怖い、落ち着いてください。英雄の娘さん?」
「・・・なんだ、貴方でしたか、“ナイトメア”さん」
と、蓬莱は呆れたような顔で相手を見た。
そこには、真っ白な髪に、真っ白な肌、そして、怪しく光る紫色の瞳。
かつてヤマタノオロチを復活させようとした“ナイトメア”が立っていた。
「あー!ナイトメアさん!こんにちわ!」
「はい、こんにちは」
天満は、ニコニコと人懐っこい笑みを浮かべた。一応相手は昔、父のすまない先生に軽い洗脳?のようなことをした相手なのだが(苦笑)
「それでは、移動しましょうか」
✵✵✵✵✵
移動した先は蛇の国を一望できる丘の上。そこには1本の木が咲いていた。木の下では、ナイトメアが蓬莱とイグに魔法を教えていた。
そして、天満、カネリ、トキ、風音は互いに木刀で組み合いをしていた。
「ナイトメアさん、ここのところって?」
「あぁ、そこは・・・って、よくここまで出来ますね。普通の人はここまで出来ませんよ・・・」
「・・・・・」
「『蓬莱ちゃんはお父様の術式を解読して解読した術式で新しい魔法を作れるよ』だってさ」
「翻訳ありがとうございます」
と、天満たちは思い思いに過ごしていると、
「ん?お前ら・・・」
ふと、声が聞こえ、皆振り向いた。そこには、銀髪の髪に、ここらでは珍しい褐色肌の男性が。
見覚えのある天満は指を指し、あっと声を上げた。
「あ!父さんを1回殺した剣士だ!」
「あらほんと。こんにちは。すまない先生を1回殺した剣士さん」
「こんにちは〜すまないセンセを1回殺した剣士さん」
「こんちわ。すまない先生を1回殺した剣士さん」
「それいちいち長くないか・・・???」
皆“1回すまない先生(父さん)殺した剣士さん”と呼ぶ。それにナイトメアは思わず噴き出した。
「・・・ったく」
と、銀髪剣士はため息を吐いた。すると、
「あ、そうだ!!せっかくだから剣の稽古つけてください!!」
と、天満は銀髪剣士に木刀を投げ渡す。それを綺麗に受け止めた。
「・・・お前、忘れたのか?一応俺は、お前の父親を1回殺したんだぞ」
そう聞くと、天満はキョトンとし、答えた。
「・・・そういえばそうでしたね!!」
「おい、てめぇ」
と、銀髪剣士は呆れ、木刀を振る。それを天満たちは対処しつつ、戦っていた。
「・・・不思議ですね」
ふと、蓬莱が口を開く。それにナイトメアは首を傾げた。イグは飽きたのか、蓬莱の膝を枕にし、顔に開いた本を置いたまま、寝ていた。
「・・・元々、ナイトメアさんや剣士さんは、お父さんの敵だった。なのに今は、こうやって特訓をしてくれて、魔法を教えてくれて・・・これも、父や母、ライトさん。それに、博士たちや、Xさんのお陰なんでしょうね」
そう蓬莱はふわりと花が咲くような優しい笑顔で天満たちを見守っていた。それに、ナイトメアは笑い、答えた。
「そうですね」
と、ナイトメアは蓬莱の頭を撫でた。蓬莱はキョトンとしたが、払い除けたりせず、普通に魔導書を読んでいた。