テラーノベル
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2⁄23
「おはよ。……この感じだと
俺が最後かな」
自分の声が、やけに落ち着いて聞こえた。
「だと思うよ」と黄色髪の男子返す。
内心では、もう始まっている。
——誰を信用させるか。
——誰を生かすか。
——誰を、ここで切るか。
この部屋に集まった瞬間から、
ゲームは始まっている。
全員の視線が集まったのを確認してから、
すちは一歩前に出た。
場を仕切るのに、
これ以上ちょうどいい位置はない。
「結構待った、?」
「いや…そこまで、20分ぐらいです」
「いつも眠りが深いんだ」
「いつも?」
紫髪のやつが突っ込んでくる。
「初めてじゃないからさ俺は」
「みんなは初めてかな、?」
3⁄23
「まぁなんだし…自己紹介始めよっか、
プレイヤーネームは、すちって言います」
声は落ち着いている。
わざと、少しだけ柔らかく。
「参加はこれで28回目。
できるだけ、みんなが生き残れるように
サポートするよ」
空気が、一瞬止まった。
……28回。
その数字の重さが、全員の表情に出る。
すちはそれを見逃さなかった。
(まずは信頼。
これがないと、誰も動かせない)
次に口を開いたのは、紫髪のやつ。
短く息を吐いた男だった。
「28って……すげーな」
男は、気だるそうに肩をすくめる。
「俺はいるま。参加はこれで3回目。
参加理由は……働くのだるくなったから」
軽い。
あまりにも軽い理由。
でも、すちはその横に座る人物から
目を離さなかった。
「……ひまなつって言います」
小さな声。
なつ、と名乗ったその人は、
明らかに震えていた。
「参加はこれで3回目です。
理由は……いるまと同じです」
言葉とは裏腹に、指先が落ち着きなく
動いている。
それに気づいたのか、
いるまがさりげなく距離を詰め、
なつの肩に手を置いた。
(……なるほど)
すちは内心で頷く。
(関係性、把握。隠す気はあるけど、
隠しきれてないな)
次に、無理に明るい声が割り込んだ。
「みことって言います!参加は初めてで、
参加理由は借金返済です!」
語尾が少し上ずっている。
笑顔も、どこか引きつっていた。
(怖いよな。初回は、特に)
その隣で、さらに小さな声が続く。
「……こさめ、って言います」
俯きがちで、視線が合わない。
「参加は初めてです。
……理由は、みことさんと同じです」
声がかすれている。
恥ずかしがり屋なのか、
それとも——怯えているのか。
(こさめちゃんね……扱いやすそう)
最後に、少し間を置いてから、
らんが口を開いた。
「らんっていいます。
参加はこれで2回目……って言っても、
だいぶ間空いてるから、
ほぼ初めてみたいなもんです」
一瞬、言葉を切る。
「理由は……まあ」
それ以上は言わなかった。
(言わないタイプか。厄介だな)
すちは全員を一度、ゆっくりと見渡した。
それぞれの表情。立ち位置。距離感。
——もう、十分だ。
(生き残る候補は……)
「見ての通り…経験豊富そうなのは
すちっぽいし俺はすちに任せるけど 」
らんがそういいすちに委ねる。
「任せるって?」
みことが不思議そうに聞く。
「リーダーみたいなの」
表情には出さず、すちは穏やかに笑った。
「ありがとう。
…このゲームは正真正銘人が死ぬゲーム
でも大丈夫、
できるだけサポートするから」
「それってすちにメリットあるか?」
らんが不思議そうに聞く
「あるよ、ほら次また同じになったとき俺の有利になるようにしてくれるとか」
「次って…次何人生き残るかも…
わからないのに」
「それでも」
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