テラーノベル
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翌朝。
カーテンの隙間から差し込む朝日が、ゆっくりと部屋を照らしていた。
その光にまぶたを刺激され、なつは静かに目を開ける。
「……。」
また、夢じゃなかった。
スマホを開いても、そこにシクフォニの名前はない。
昨日一日中探し回った現実は、何一つ変わっていなかった。
「……やるか。」
ベッドから起き上がり、顔を洗う。
鏡に映る自分は、昨日より少しだけやつれて見えた。
目の下には薄く隈ができていて、笑おうとしても口角はうまく上がらない。
それでも、立ち止まるわけにはいかなかった。
デスクの前へ座る。
パソコンの電源を入れ、配信用ソフトを立ち上げる。
いつものように準備を進める。
なのに、
今日はひどく静かだった。
「……。」
今までなら、
『今日の配信何時?』
『サムネできたよ~』
『終わったら飯行く?』
そんな通知が、当たり前のように届いていた。
もう、その通知は来ない。
なつは小さく息を吐いた。
「寂しいな……」
誰に聞かせるでもなく、ぽつりと呟く。
タイトルを入力する。
『ちょっと話そ。』
指が止まる。
本当は。
『みんな、帰ってきて』
そんなタイトルを付けたかった。
でも、そんなことを書いても誰にも伝わらない。
「……。」
マウスを握る手に力が入る。
配信開始。
画面が切り替わる。
「こんばんは~」
少しだけぎこちない声だった。
コメント欄には、いつものリスナーたちが集まってくる。
『こんばんは!』
『待ってた!』
『今日も来たよ!』
『おつかれ~!』
画面には、いつもと変わらない光景が広がっていた。
だけど。
なつが待っている名前は、一つも流れてこない。
「……。」
コメントを読みながら笑う。
笑えているはずなのに。
心はどこか空っぽだった。
一時間ほど雑談を続けた頃。
なつは少しだけ真剣な声で口を開く。
「あのさ。」
「みんな、」
「ちょっと変な質問なんだけど」
コメント欄が一気に流れる。
『なになに~?』
『急にどうした?』
『恋バナ?』
『怖い話?』
暇72は苦笑する。
「いや。」
「例えばさ。」
「昨日まで大事だった人が、急に自分のこと忘れちゃったらどうする?」
一瞬、コメントの流れが止まった。
『悲しい』
『泣く』
『もう一回仲良くなる』
『思い出作り直す』
『諦めない』
その言葉を見て、なつは目を細める。
「……そうだよな。」
諦めるなんて、できるわけがない。
もう一度出会えばいい。
もう一度笑えばいい。
何度でも。
「じゃあ今日はこの辺で」
「おつおつ~おつなつ~ばいばい」
「おやすみ。」
配信画面を閉じる。
モニターの光が消えると、部屋は一気に静かになった。
だけど昨日とは違った。
一人でも、前を向こう。
そう決めたから。
暇72はゆっくりとスマホを手に取る。
昨日、いるまに言われた言葉が頭をよぎる。
『縁があれば。』
「……縁じゃない」
「俺が会いに行く」
その声は、誰もいない部屋へ静かに響いた。
「……まだだ」
もう一度六人で笑うために。
その日まで、この声を止めるわけにはいかなかった。
next→♥500
(あの…♥早すぎませんか?5分くらいだった!嬉しいけど流石に投稿頻度が追い付かないので♥増やします!!)
670
るぅ
79
いちご@やる気上昇中⤴︎
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コメント
5件
追いついたぁ!!!!! おはゆ(≧∇≦) 見るの遅れてごめんねぇ( >ㅿ人) 忘れられてんの辛すぎる……! めっちゃ楽しみ! ♡1500にしといたわよ☆
いつもの日常が来ないって怖いよね、、 🍍くんファイト! 続き楽しみすぎる!!
うわぁ……すごく苦しい回だったね。 「寂しいな」ってぽつり呟くところ、心臓ぎゅってなったよ。 それでも配信して、「諦めない」ってコメント見て前に進もうとするなつくん、本当に強いよ。 「縁じゃない、俺が会いに行く」って決めたところ、最高にかっこよかったし、もっと読みたくなった。 めっちゃ好きな回だった〜🤍🥀