涼ちゃん視点です。
それは本当に軽いいたずら心だった。
隣で爆睡している元貴のスマホをのぞき見してやろうと思ったのだ。
ただからかうネタが欲しかっただけ。
でも、本当は自分をほったらかしにして寝てしまった元貴に対する嫌がらせの気持ちもあったのかもしれない。
まずはと写真チェックを楽しんだ後、今度はLINEを開いてみる。ふと『ゆり』という名前が目についた。なんだか気になって開いてみる。そしてその内容にショックを受けた。
内容は『今日は楽しかったよ。ありがとう』というようなものだった。日付けは元貴が忙し過ぎてパンクしないようにと1日だけ休みをとった日。
元貴の返事は『俺も楽しかったよ。ゆりちゃん今度はどこに行きたい?』LINEは続く。
『今度はケーキのおいしい店に行きたいな』『了解。じゃあ次までにおいしいお店チェックしとくよ』『元貴大好き』『俺もゆりちゃん大好きだよ』
元貴は忙しいスケジュールの中、休みを取って女の子と遊びに行っていた。
…ふ〜ん。しかも『次』があるんだ。
仕事で毎日のように顔を合わせていたとはいえ、俺とは忙しくてほとんど2人では会ってなかったのに。
今日だってやる事だけやった後は爆睡して全くかまってくれなかったくせに。
元貴が仕事をがんばっているのは仲間として嬉しいから。体調や精神的な負担は心配だけど、元貴の制作活動をじゃましないように会いたい気持ちは我慢して見守っていようと思っていた。
でも、よく考えると確かに最近は俺が我慢して元貴に合わせるのが当たり前になってきていて、扱いが軽くなっていたのかもしれないと思ってしまった。 それでは『恋人』になる前と同じ状態だ。
くそ〜っ。
信じていたものがガラガラと壊れていく音がしたような気がして、腹の底からふつふつと怒りが湧いてくるのがわかった。
この気持ちをどうやって元貴にぶつけてやろう…。
俺は目が覚めた元貴を何事もなかったようにいつも通り笑顔で送り出して、その日から元貴からの誘いは全て何か理由をつけて断り続けた。
でも元貴はそんな俺に全く気づきもしない。
ちょっとよく見たら俺の態度がいつもと違うのくらいわかりそうなのに。気づかない元貴にさらに俺のイライラはつのっていく。
もしかしたら俺が断ったら『ゆりちゃん』とでも会ってるのかもしれない。
思考がマイナスの方にばかり行くのがわかる。
あれは誰だと問い詰めればいいのだ。そんな事はわかっている。でもスマホを勝手に見てしまったという少しの罪悪感とプライドがジャマをしてどうしても問い詰める事ができなかった。
もういっそ元貴の事など頭から消してやろうと思っても仕事で毎日のように顔を合わせるのだ。そんなのできるわけがない…。
涼ちゃん空回りしだしました。
いったん疑ってしまうと全てが嘘くさく見えて信用できなくなっちゃうんですよね。特に恋愛って😓
それにしてももっくんLINEの内容ひど過ぎ。
コメント
5件
あれですね😂涼ちゃんが凄い1人で進んじゃってますねwもっくんどうする!?
大森さんさいてー! 身内でしたオチじゃないと許せんやつ💢身内でも許せるかギリ! さて、どんな言い訳をするか聞いてやろうじゃないか! そして、藤澤さんどうするのかなぁ〜?