大丈夫、大丈夫　その後

対等な関係。

俺も岩本くんに『いつから阿部はお前の恋人からサンドバッグになったの？』と聞かれてハッとした。

優しさで何でも受け止めてくれて、それを我慢だと気づけずに負の感情まで全てぶつけた結果が今回の件だ。

💚「でも俺たち、照に仲立ちしてもらわなくてもちゃんと気持ちを話せるようにならないといけないよね」

🖤「うん…」

そう、いつまでもことが起こってから岩本くんの助言待ちをしている訳にはいかない。

🖤「じゃあさ、阿部ちゃんは今の自分の身体のことを教えて？もう大丈夫じゃないのわかってるから」

ちょっとずつやろう、と言うと阿部ちゃんは『そうだね』と答え、まだ傷は完治していないと話してくれた。

💚「しばらくできないね」

🖤「そんなの阿部ちゃんがしたくなったらいつでも。他にも気持ちいいとこいっぱいあるでしょ」

💚「それはめめのせい…」

急に照れて布団に潜ってしまった。

布団をめくって、中でカンガルーの赤ちゃんみたいになってる阿部ちゃんを覗き込む。

🖤「今日、したかったの？」

💚「…ちょっとだけ」

🖤「ふふ。じゃあちょっとだけしよう？」

出ておいで、と声をかけるともぞもぞと這い出て来る。

もう少し顔が赤いのが可愛い。

💚「…話戻るけど、俺ほんとに大丈夫な時も大丈夫って言うから」

🖤「そうだね。難しいなぁ」

💚「聞き分けてね？」

🖤「頑張ります」

こんなにも愛しい人。

もう間違えたくないし、傷つけたくない。

🖤「まだ烏滸がましい気持ちはあるけど言わせて。好きだよ、阿部ちゃん」

💚「うん、俺も好き」

暖かくなってきて、阿部ちゃんも今夜は普通のパジャマ。

モコモコは一旦卒業らしい。

少し薄着になった身体を寄せ合い、何度もキスをして、夜は更けていった。

終