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ちゃんとutが先輩してて好きすぎる!utだけは能力的な感じで分かってたんかな、、?
朝っぱらから誤爆した。本当は昼過ぎに投稿したかったのに… 文章カッコつけたのにダサすぎるぞ夕暮業😭😭
この小説は実況者様の活動名をお借りした二次創作作品となります。
尚、設定等全てにおいてご本人様とは無関係です事をご了承ください。
腐向けの意図はございません。しかしペアの要素は含みますので十分ご注意致しますようお願い申し上げます。
青年時代、チーノは自身の住んでいた村を抜け、都会へ旅立った。チーノは他の村人と”決定的に違う”から、変わり者として避けられていたのだ。そんなものこちらから願い下げだとチーノは村を出た。そうしてW国で過ごすことになったのだ。安定した職も得ることが出来た。これから先、未来は明るい。そう思えていた…のだが。誰しも壁にはぶつかるもの。チーノは人攫いに連れていかれそうになったのだ。どうにか”相手を殺さないように手加減”しつつ撃退し、ようやく日常に潜む非日常を取り払えたと思ったところでまた一難。なんと詰めが甘いことだろうか、その現場を国の上層部にあたる人間に見られていたなんて。
「お前ええなぁ!一般人にしちゃあキレのある動きや!うちの軍来るか!?!?」
…と金髪の男に声をかけられたのだ。なに、その時は直後人攫いというものを初めて見たもので警戒心が強くなっていた。そのため声をかけてきた男にも訝しむ目線を送ったのだが効果は今ひとつ…。なんやこいつと思ってる間にあれよあれよと事が進んで何故か知らないがW国の軍に入軍することとなってしまった。
今ではその金髪の男は自分の上司、いや先輩か。丁度1年前、俺はその時俺を軍に誘った男と同じく幹部と呼ばれる程にまで昇格した。正直ここまで昇るつもりは無かったのだが…
「チーノ!対人訓練や!付き合え」
「えぇ…コネさん相手にそんな、勝てませんて!」
「いんやお前の力がありゃ十分や!ほら行くで!!」
「ええぇぇぇぇえ!!」
ほら、脳内でも噂をすればこの男はやってくる。まるで歩く災害。でも不思議と嫌な感じはしないのが、ここに俺を留めている唯一無二の理由だった。ここの人間にはどれだけだる絡みされても、冷たくされても、内側は暖かいのが分かる。ここはとても良い居場所だ。心地よい。この軍に入ってからは、育ちの村のような疎外感なんて1ミリも感じない。この数年で俺はもうここに染ってしまったのだ。
「おい呑気に考え事かぁ!?」
「あ、やばっ」
飛んでくる剣先をいなしつつ、切り返す。
「うぉっ!上手なったなぁ!チーノ!」
「へへ、ありがとうございま…すッ!!」
戦闘中にも関わらず褒めてくる先輩へ1発かかと落としをお見舞いしてやろうと思ったのだが外し、床にものすごい音を立ててぶつかる。
「あ、ミスった。」
力加減とは難しい。数年目になってやっとマシになってきたくらいだ。
「お、お前のかかと落としなんてもろに食らったらシャレにならんわ…」
その通りだ。”鬼”の俺が人間相手にまともに力を入れた攻撃をすれば相手はほんとに潰れてしまう。鬼は人間よりも何十倍と筋力が勝る。そして瞬発力もだ。だから手加減というものをそろそろ覚えなくては本気で誰かを殺してしまうのではと日々ヒヤヒヤしている…。この軍に入るまで、誰かと戦うなんて滅多になかった。だからこそ、手加減を覚えなくとも良かったのだ。しかし、ここに来てからは相手を殺してはいけないが戦わなければならない場面が多い。今までやってこなかったことをやれるようにするには結構な時間を有するのだ。
そう、サラッと言ったが俺は鬼と呼ばれる種族だ。「鬼」それは人間社会から隔離され生きる全く別の種族。俺のように人間と同じ場所で暮らしている鬼なんてほぼ居ないだろう。だって普通鬼は角が生えている。そして本能で人間を襲って食べてしまいたいと思うようになっている。馴染もうとしても馴染めないのだ。じゃあ俺は?どうして俺は人間社会に溶け込んでいるのだ?それは俺が村の皆と違ったから。俺には角が生えてない。牙もそこまで大きくない。そして村人間を食べたくなる本能というものが俺にはなかった。だからこそ、人間として暮らすことが出来たのだ。どうして俺がほかの鬼と違うのか、俺は最後まで分からなかったが。
「……チーノ?どうした?」
「え!?あぁ!いやなんでもないです!」
どうやら考えすぎてぼーっとしてたらしい。
「あー、俺ちょっと疲れたんでもう終わってもいいすか?」
「なんやお前!体力ないなぁ!しゃーなしや、ええよ!」
「あざす!」
金髪の幹部、コネシマと別れシャワールームへ。ぬるま湯で汗を流す。
服を全て脱いだところで俺の体は人間とさして変わらない。角も生えていないし、牙もない。ほんとに鬼なのか疑うほどだろう。
「…まあ、この特徴のおかげでここに入れるんやから…ええわ。」
そう。この居場所に居られるのもいつかに呪ったこともあるこの体のおかげなのだから、悪いことばかりでは無いだろう。
シャワーを止め、服を着る。そして次は喫煙室へ。俺はそこでよくニコチンを摂取している。
「お、チーノやんお疲れ」
「兄さん…はい。お疲れ様です」
ご一緒してもいいですか?なんて聞いて隣に並ぶ。煙草に火をつければたちまち細い煙が上がり始めた。
「あ、チーノシャワー浴びてきた?髪濡れとうよ」
「あぁ、まだ濡れてました?癖毛なもんで乾かすのも大変っすよぉ…」
はあ〜……とため息をつけば彼は大変やなぁなんて微笑む。
彼とはよく自分と、自分のひとつ上の先輩ショッピと3人で飯に行く。面倒見の良い彼にはいつもお世話になっている。
「あ〜あ、書類ワンチャンなくなってくれへんかなぁ」
「あ、今日提出期限なんすか」
「そうそう」
「大変ですね」
書類を嫌がり、極限まで提出しないし、やりもしない彼は正直社会人としては全く未熟だと思う。けれど彼やらないだけでやれば出来るのだ。提出期限を過ぎてからやり始めて1時間オーバせずに納める姿に皆口を揃える。やれば出来るのに何故やらないのだ、と。その真意は俺にも分からないが、1時間足らずで仕上げた書類の出来を見れば誰でも彼の能力を評価せざるを得なかった。
「あぁ…じゃあ俺仕事戻るわ。じゃあ」
「あ、はい。さよなら」
彼は喫煙所から出ていく。その後ろ姿を見送り、自分も吸殻を灰皿に押付ける。伸びをひとつ、喫煙室を後にした。
─────────
さて、そろそろ暗くなる頃だ。夕食の妄想でもしながら書類を片付けようかな…。そうして書類を仕上げて、部下と談笑して、段々と空は青みを帯びてくる。と、段々と体調が悪くなってきた。最初はなんか調子悪いかな?くらいだったのが吐き気と頭痛で汗が出るほどにまでなってきて、部下に一言言ってその場を去る。どうして?分からない。とりあえず自室に、と歩き出した時に気がついた。今日は、もしや…”あの日”か?だから夜の訪れと共にどんどんと…それはまずい。早く部屋に戻ら無ければならない。鬼に限らず、この世界の妖怪は数年に一度、その力を強める日がある。赤月だ。月が赤く光るその夜、人外は力を強める。まさか今日がその日なのか?
「ッあ、は……ぇ?」
足がフラフラと覚束ない。こんな短時間に症状が悪化するなんて通常なら有り得ない。なんとか自室に着くことが出来たはいいがベッドまで辿り着けそうに無い。ズルズルと体が床に引き寄せられる。頭が痛む。まるで、中から何かが突き出してくるかのような。とにかく痛い。ただただ痛い。
「は、え……はっ、っあ……」
そうだ。これまでの赤月の日を思い出してみろ。いつも力が強まる時はとてつもない痛みと共に、自分にも村の皆と同じ特徴が現れたはず…
頭部を触ってみれば当然のようにそこに居座る2つの突起。角だ。角が生えてきたんだ。そして唇の端、違和感を感じる。犬歯が鋭くなっている?
人間を、襲いたい。食べたい。
本能に刻まれた言葉がぽつんと頭に浮かんだ。腐っても俺は鬼で、人間じゃない。
嫌だ。ここまで来て、鬼だとバレるのは。あの人たちに見捨てられるのだけは嫌だ。もし鬼だとバレたら?きっと嫌われる。軽蔑される。出ていけと言われて、俺はまた独りぼっちになってしまうのだろう。それは嫌だった。
自分の醜い姿を見られたくない。頭が痛い。今すぐにでも暴れだしてしまいたい。だめだ。だめだ。1人にはなりたくない。鬼だからなんて理由で皆に嫌われるなんて、絶対にやだ。
「は……っ、はぁ……」
本能に従おうとする身体を必死に抱える。
「は、ッぁ……」
頭がガンガンする。この痛みを和らげるには何をすれば良い?分からない。痛い。痛くて、痛くて、だんだん強くなってる?なんかもう、痛くて考えられない…
─────────────────
廊下に響く楽しげな声。なんで俺があいつを呼びに行かないといけないんだ。まぁあいつの部隊の奴らの話を聞くと体調が悪そうとか言ってたし、ちょっとは心配してやってもいいかな。
「チーノ〜?おる?」
ドアを軽く叩く。そうすると部屋のドアはゆっくりと動く。まさか空きっぱなしだったのだろうか?
「チーノ?だいじょぶか〜?」
「…チーノ?」
どれだけ声をかけても彼は返事をしない。けれど部屋の奥からかすかに物音がするので居ることにはいると思うのだが。
「チーノ、入るで」
ゆっくりと部屋に踏み込む。
先程まで物音としか思っていなかった音は部屋の奥に進めば進むほど大きくなり、嫌でも聞き取れる。それは歯の隙間から息が漏れるような、日常では聞かないような音。その音を辿るように部屋の奥へ進めばベッドのすぐ側の床にチーノは自分を抱えるように蹲っていた。
「チーノ?大丈夫か?体調悪いって聞いてんけど…」
「は、ッ……あ”?」
声をかけた瞬間彼は苦しそうに声を漏らした。彼のメガネは蹲っていたからか床に落ちていて、普段はほぼ見えない瞳が俺を見た。猫のような鋭い眼孔に射抜かれる。その次の瞬間には蹲っていたはずの彼は俺を床に押さえつけていて。
理解が及ばない。彼は今、人間では到底叶わないような速度で移動したのだ。その頭の上には角が2本。唇の端、ギラギラと光るのは牙だろうか?この特徴に当てはまる動物は…
鬼
でも何故?チーノは人間で、自分たちの仲間で、決して鬼なんかでは無いはずだ。
「チーノ、どうしたん…?はよ、夕飯行こうや…ってか手痛いんやけど…」
喋りかけても聞いていなさそうだ。浅い呼吸を繰り返して、下を向いている。
「チーノ?」
彼は依然下を見続けるばかり。こちらを向こうとはしない。そしてようやく顔を上げたと思えば目は獲物を捉えた獣の目だ。俺は知っている。この目を。まるで仲間の脅威が敵に向けるような視線。野良猫が初めて餌を見た時のような。明らかに正気ではない。
「チーノ…!離せやおまえ…ッ!!」
抵抗しようにビクともしない。俺の知っているチーノじゃない、と恐怖さえ覚えた。
「聞けって…!!離せよばか!おい!」
彼は俺を押さえつけたままだ。彼は一体どうしてしまったのか?俺には分からない。
「チーノ!!チーノ!正気に戻れ!」
呼び掛けに応じたのか、それともなにか別の理由があるのかチーノは少し力を弛めた。俺もこんな状況ではあるが軍人。その隙を狙いチーノの手を逃れドアのそばまで移動する。しかし困ったチーノに飛びつかれた衝撃でインカムは壊れてしまった。これでは助けも呼べない。
「な、なあチーノ……どしたん……?何がお前をそうさせてんの……?」
彼は何も喋らない。その頭の上には見まごう事なき立派な角。それが彼が鬼なのだと主張していた。
「ぅ…あ”…ぁ…ッ…」
意味の成さない言葉を発しチーノはまた蹲る。頭を抱え、苦しそうなのは理解出来た。
「ち…」
「あー、ぴーくん?遅いからき来たんやけどどないしたん?」
「え…あ、大先生……」
ドアから顔を覗かせたのは大先生だった。彼はチーノを見るなり、ああ、とひとり納得した顔をする。
「あー、通りで遅かったわけや。今日は、せやな。月が赤いわ。そりゃチーノも暴走してまうよな」
ぴー君は下がっときなんて変なあだ名で指示される。あだ名には異議を唱えたかったが、この状況を加味すると従わないという選択肢は無に等しかった。
「チーノ、どしたん?どっか痛いんやろ?」
大先生はチーノに目線を合わせるようにしゃがむ。
「…ぁ゛…?ぇ…?、あ”え…」
チーノは兄さんのことを見るが、それどころでは無いのかすぐに視線を落とし、ついには涙まで流し始めた。
「い…た…い…ぃ”たい…ッ」
『痛い』それが彼がこうなってから初めて発した意味ある言葉。
「いたいなぁ、痛いよなぁ。そらぁいつもなんも無いとこからんなでかい角生えてきたら痛いに決まっとるよなぁ」
「ッあぁ……う”あぁ…ッ」
蹲ったまま苦痛に喘ぐ彼は見ていてとても痛々しい。
「痛いなぁ。でも大丈夫や。俺に任せぇ」
俺に任せろ、そういった彼はチーノに向けて何かの呪文をとなえる。
それの終わりと同時にチーノは事切れるかのように眠りについた。
大先生は彼をベッドに寝かせ、布団をかける。
「えと……兄さん?今何したんすか?」
「ん〜、言わなあかん?」
「聞きたいです」
そう言えば彼はぽりぽりと頭をかいたあとまた口を開く。
「いやぁ、実は俺実家が神事?みたいなのにルーツがあるんよ。だからこいつの種族についてちょっと詳しいっていうか…まぁそんなとこ!」
言い終わった大先生はあまりその話題に触れて欲しくなさそうに見えて、他にも気になることはあったが聞くことは出来なかった。
「さ、医務室行こか。腕赤くなっとるで。」
「…あ、ほんとだ」
「よっこいしょ、」
自然な流れでチーノを背負った大先生。上着を脱いだ理由は謎だ。
「ショッピくん、それチーノに被せたって〜」
「え?…分かりました」
言われるがまま、大先生が脱いだ上着をチーノに被せる。大先生はよっしゃ、と言うと歩き出す。少し遅れて俺も歩き出した。
俺は手首を少し見てもらって特に何も無く夕飯を食った。チーノはというとあれから目を覚ましていない。大先生いわく半日も過ぎれば起きる。というか朝日が登れば起きるだろうという事だそう。
なんだかどっと疲れた気がする。今日はもう寝てしまおうと自室に向かった。
───
翌日になってもチーノは目を覚まさず、一同は不安を募らせる。医務室に行ってみれば彼の頭にあったはずの角は無くなり、見えたはずの牙も無くなっていた。あいつが起きたら、沢山聞きたいことがある。さっさと起きて欲しいもんだ。
彼の手を握る。あの時掴まれた場所は依然青く腫れていた。
「ん……あれ…ここ、医務室?」
ゆっくりとその瞼が上がる。
「おはよ、チーノ。気分は?」
数回の瞬きの後彼の目が俺を捉える。
「えと…ショッピ?いや…まぁ普通かな…どうして俺医務室に?てか頭いた…」
「お前覚えてへんの?」
俺がそう聞くと彼はしばらく唸る。そして、ハッと気がついたように目を見開いた。
「あ……おれ…」
「そうだ…俺、暴走して…ショッピを…食べよう、と…」
少し焦った様子の彼を宥める。彼としてもきっと、俺を襲ったことは本意では無かったのだ。今彼を責めるべきは俺ではない。
「チーノ、俺は大丈夫やで。チーノが正気に戻ってよかった」
「でも…!…いや、ごめん。ショッピ…こればっかりは俺の不注意のせいやから」
チーノが申し訳なさそうに頭を下げる。その姿が神妙で、彼らしくなくておかしくて笑ってしまった。
「わ、笑うなんて…!」
彼は酷く落ち込んだように、どんよりとした空気を纏っている。
「んふふ、いやすまん。お前らしくないなーって思ってしもうてん。うん…許すよ。はなっから俺は怒ってなんかないねんから。」
ショッピの返しにチーノはポカン…と一瞬止まるが一瞬、ほんの一瞬で笑顔になった。
「……わかった!せやな…ありがとな…!!」
項を描いた瞳からハラハラと涙がこぼれ落ちた。
その刹那、ガラガラガラーッッ!!!と医務室のドアが開けられる。
「チーノ!やっと起きたんか!!」
「うわ、チーノ泣いとるやんどないしたん!?」
「どうせショッピにきつく言われて泣いたんやろ〜」
「心配したんやぞお前分かってんのか!!」
「話はきっちり聞かせてもらうからな」
その場にいたチーノ、ショッピ、その他外交等で席を開けている幹部以外全員の幹部が押しかけてきて、チーノ&ショッピは揉みくちゃにされるのであった。
「へへ、この軍で辛気臭くなんてなるもんもなれへんな!」
おしまい
1万文字は行かへんな🤔
さて、夕暮は明日から新学期が始まる学生なのですが、夏休み中に仕上げられた小説が1作品とはこれ如何に…
いえ、しかし夕暮今年の夏は大会だったりこれまで溜め込んできた勉強をしたりリアルが忙しかったのです。だから仕方ないという事にしておいて下さい。
しかし、ダイナミックなことを言いますがカプ不在の小説は難しいですね。各々の関係性やお互いに思っていることが明確になっていないので一つ一つのセリフに悩んでしまう。pixivなどでカプ不在の神作品を山のように仕上げる方の脳の作りが知りたい。
やはり勉強嫌いな夕暮と違って聡明な方なのでしょうかね?小説が上手くかけるようになるなら勉強も苦じゃない気がしてきました。()
それでは最後にこの物語を作るにあたって夕暮が考えていた初期構想を載せておさらばさせて頂きます。
では、おつぐれ