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✧主にskng side
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skng side
某日。私は箱の大型企画に出演するため、本社の控 え室へと来ていた。テーブルに置かれた少しお高い菓 子を貪るように食べる者もいれば、ソファで談笑しな がら出番を待っている者もいた。
すると後ろから私を呼ぶ声が聞こえる。振り向くと そこには衣装を持ったマネージャーさんがいた。
「こんにちは四季凪さん、こちら 本日の衣装です」
「あ、ありがとうございます」
手渡されたのは青色の線が所々に入っている体操服 のようなものとジャージ。早速衣装に着替えようと控 え室を出て、更衣室に向かった。
コンコンコン とノックをすると「どぞー」という 中にいるライバーさんたちの声が聞こえてきた。ドア を開けるとそこには丁度今来たといわんばかりの魁星 くんとるべくんが並んで着替えようとしていた。
「あ、アキラさんやん!」
「こんにちは四季凪先輩」
「こんにちは〜二人共」
最近はこの二人が一緒に行動しているのをよく見か ける。いつ仲良くなったのかは分からないが 、雰囲気 から気を許せる近い距離感なんだろうなと感じていた のだ。
萌える関係性を想像させる二人を背に私も衣装に着 替える。…と同時に聞き耳を立てる。
「魁星くん細くない?ちゃんと食べてます?」
「食べてますけど?ヒョロガリって言いたいんですか?」
「いやいや、華奢で可愛いなと思って」
「…可愛いじゃなくて かっこいいがいいんっちゃけど」
「はいはい」
「そういうショウさんはいいな、筋肉あって」
「漢って感じします」
「そう?一応ヒーローだし鍛えてますからね。ありがと」
…後輩でこんな妄想はしたくない。だが、こんな会 話を聞かせられたら妄想もしたくなるし見たくもなる じゃないの…!!
頭を冷やしたい理性と振り向きたい欲望がぶつかり 合い、喧嘩をして、既に着替え終わっている四季凪アキラは更衣室から出られないままでいた。 その瞬間、布越しに何か軽いものが当たった感覚と 音がした。
「これ、髪ゴム…?」
「すみません!それ僕のです、切れて弾けちゃって…」
「あぁ 全然大丈夫だいじょう 、ぶ」
…見てはいけないものを見てしまった。
上半身に広がる無数の赤い所有痕と長い髪からちら りと覗く首筋の噛み跡。
それは正しく恋人との夜の戯れで付いた跡だろう。
え、るべくんこれ見て話してたの??このままでは 二人かそういう仲だということになってしまうが…。
「どうかしましたか?」
「っ 、いや何でもない」
「…魁星くん、早く着替えた方がいいかも」
「え、?」
「じゃあ私はこれ で ッ?!」
またまた目に入ったのはるべくんの背中である。
背中には明らかに動物の仕業ではないだろう引っ掻 き傷。これもまた、恋人との夜の戯れで付いた跡なの だろう。
あぁ、私が踏み込む隙はない。そう直感し、二人の希望ある未来を尊び更衣室を後にしたのだった。
(末永くお幸せにね、未来ある後輩たちよ…)
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kisi side
ばたん。
アキラさんが少々焦った様子で更衣室を出ていけば、ここには僕とショウさんのみが残された。
早く着替えた方がいいなどと言われたが、集合時間が迫ってきているのだろうか。そう解釈した魁星は一緒に行動していた星導に声をかけた。
「ショウさん、アキラさんが早めに着替えた方がいいって…」
「ん?どうしたの?」
「いや、なんでもないです」
既に着替えたらしいショウさんを見て、置いていかれないよう自分もすぐ着替えに戻った。
そういえば、と横でこちらを見つめる彼が思い出したように言う。
「…やっぱいいや」
「え、ちょ そんなん気になるやないですか!w」
「俺は記憶喪失ですから。もう忘れちゃいました」
「もう…w」
やはりこの人は自由奔放で、分からない。それは第一印象から変わらぬままである。まぁそんなところに最初は惹かれたのだけれど。
「…よし、じゃあ早く行きましょ」
ちゅ。
突然唇に感じたふにっとした感触に思わず体を震わせる。ソフトな触れるだけのキスはすぐに離れたが、温もりはまだ残っていた。
「え、あ、ぇ…」
「ははっ、困惑してます?ちょっとしたくなっただけなので気にしなくていいですよ」
「その代わり、配信中はずっと俺の事考えててくださいね」
「チャックも限界まで閉めといた方がいいですよ」
「あぇ っと…は い、?」
まだ困惑しながらも僕はされるがままに恋人繋ぎをされて、更衣室を後にした。
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hsrb side
まだ閉めきられていないジャージのチャックの隙間からは一つの赤い点が覗いていた。余程色恋沙汰に鈍感でなければ、昨夜何があったのか一目見て分かるような跡。配信中も見せつけたい気持ちは山々だが、当の本人は気づいてもいないし本意でもないだろう。ここは本人の意見を尊重してあげようと善意が働いた。
魁星くんが四季凪先輩にキスマだらけな上裸で話しかけに行った時は、本当に笑うのを我慢したものだ。まぁ案の定四季凪先輩は動揺していたし、俺たちの仲を見せつけられたのならそれでいい。
「、あの ショウさん」
「ん?どうしました」
恋人の呼び止めに思わず足を止める。魁星くんは手を繋いでいない方の手で俺の服の袖を掴む。
「僕、ショウさんと付き合ってから ショウさんのこと考えなかった時間なんてないとよ」
一瞬意味が分からなかった。突然目の前の恋人から少し照れ気味に可愛いことを言われて、そういえばずっと俺のことを考えていて欲しい的なことを言っていた気がすると思い出して。どんな意味があったのか気づいたその瞬間、目の前の彼をぐちゃぐちゃに犯したいという欲で脳が溢れかえったがなんとか屈強な理性で持ち堪えた。そして大きなため息が口から溢れ出た。
「………はぁぁぁぁぁ」
「もっかいキスしていい?てかする」
「え、ちょっ んぅっ…ぁ」
今度は舌を入れて口内を満遍なく味わう。繋いでいた手を離して腰に腕を回し、もう片方の手で頭を抑え もっと深く舌を入れる。そうすれば魁星くんはそれに応えるように背中に腕を回してくれた。
「ん、…っはぁ」
「魁星くん、可愛いですよ」
「やめてくださいよ もう…しかもここ事務所やし」
「家ならいいんだ?じゃあさっさと仕事終わらせて帰ろ?」
「いやそういうことやなくてっ!」
(魁星くんの体が他の人に見られたの気に食わないし、見られたキスマは今夜付け直してあげようかな)
なんて隣にいる恋人のあられもない姿に思いを馳せながら、控え室へと向かった。勿論手は繋いだまま。