あの日、災厄は折西への謝罪を要求されていた。
無理やりひねり出されたごめんなさいに
折西はもう1回!もう1回と沢山謝らせ、
最後に出た本気のごめんなさいで
やっと折西からのお許しが出た。
折西は違法契約させられていたらしいが
契約破棄はせずに改めて正式に契約したという。
紅釈から
「本来だったらテメェ殺されて
たんだぞ!!!!!感謝して尽くせよ!」
と言われ、
東尾からは
「折西くんのお願いは”絶対”聞くんだよ…」
と圧をかけられていた。
ちなみに昴はあの衣装だけはどうにかしろ!と
ファージに怒っていたが変更がファージの
能力的に不可能と聞いて絶望していたという…
・・・
数日後、折西の体調は全快し、昴に菓子折を
渡すためにコンピュータ室を訪れた。
「折西か、冷やかしにでも来たか?」
相変わらず例の衣装のデザインにショックを
受けていた昴は折西を睨んでいた。
「あっ、いえ…この前助けていただいた
お礼に菓子折を…」
そう言って小包を昴に手渡す。
「フン、社交辞令だけはしっかりしてるな。」
などと言いながら包みを開けると沢山の
いちご大福が入っていた。
…とてもいい香りがする。
「ここの大福、甘さ控えめだけどとっても
美味しいんです。良ければ…」
「ふ、ふーん…」
昴が大福を1つ口に含むと
一瞬ぱあっとした表情を見せた。
「ど、どっかネットでオススメ
されてたんだろ?」
「美味しかったんですね…それ近所の
目立たないとこにあるお店のです!」
「…」
「これは助けてくれたお礼と…あの時の
文通のお礼です。それじゃあ!!」
このままからかえば殺されると思った折西は
急いでコンピュータ室から出た。
「…ふーん、あの時の文通…ちゃんと
融に届いてたんだな…」
昴は2個目の大福の包みを剥がす。
甘さ控えめの大福はどこか塩っけを
感じたのだった…
・・・
同時刻の組長室で組長は
紅釈、東尾、俊、昴、の心の鍵が
空いたことを確認した。
「…あと一人、心の鍵を開ければ。」
この滅びかけの世界を救えるだろう。
組長は目の前で両手を組み、ドアを
ずっと見つめていたのだった…
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