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久方ぶりの故郷には懐かしい甘い味があった。
何かに安心する様な、心がスッキリするよう
な。心が落ち着くそんな、味。
夕焼け空に導かれ、既視の溢れる床に向かう。
1年に1度ヒグラシがなく頃に、先人の宿舎に寄り、手をあわせる。愛育んだ相棒に花を添え、言葉を紡ぎ、想い出を脳内に巡らせる。「こんな姿になってからに。」
つい感極まり口の中に酸味が溢れる。
なぁ。こちらは元気です。
貴女様はお元気でしょうか。
まだそちら側に向かうには早いですかね。
私は貴女様に会いたくて堪りませぬ。
心悶えて気が狂いそうで堪りませぬ。
何時かそちらに向かう時
一言だけ 言わせて頂きたい。
愛してる、と。
言わせて頂きます。
ここには何十回も来ましたが
未だに毎年雨が降ります。
引きずりませんと、決めたのに。
あなたと育てた想い出は
今も味は甘酸っぱい。