ヴィーラ「……」
外はいつもどおりに人々の幸せで溢れている
といえば…きっとそうじゃない者もいる
だから妾の望む…母上の願う平和が訪れるように…
妾は今日も祈る
たとえこの世界に神が存在しなかったとしても…
ヴィーラ「……のう…エーレン…」
エーレン「はい…どう致しましたか?ニコ」
ヴィーラ「……世界は…美しいと思うか…?」
エーレン「……いいえ…」
ヴィーラ「……そうか…なら…」
ヴィーラ「妾がその血と絶望を変えねばのう…ザッザッ…」
エーレン「ええ…貴方様なら必ずや実現ができると思いますよ…」
ヴィーラ「……どうだろうか…妾は母上と違い太陽のような微笑みはできぬ…」
エーレン「なら…ヴィーラ様は月ですねニコ」
エーレン「儚く…美しく…お母上様とはまた違うとても綺麗な微笑み…」
ヴィーラ「ふっw褒めても何もやらぬぞ?w」
エーレン「私は…貴方様の近くで貴方様の力に慣れていることが…何よりもの幸福です…チュ」
ヴィーラ「お主のそういうとこ…妾は好きじゃぞ…w」
エーレン「ハイトがいなくて良かったです…」
この世界は腐っている
人間も人外も神も仏も…
ルシア「……」
平和だなんて馬鹿らしいことも
脆くてすぐに壊れる
欲深い、そんな生き物の住む地球という惑星
ルシア「……ヴィーラ様を…お守りすること…か…」
ルシア「世界が…綺麗だったら…こんな争いしなくてもいいのかなぁ…」
そんなことを小さく呟いた
聞いていたのはムールバタフライという蝶だけ…
ルシア「……ずっと無だったら良かったのに…ボソ」
ハイト「……ラプちゃん、そろそろ帰るよ?」
ラプ「まだです、猫ちゃんが私から離れてくれませんので」
ハイト「いやいやいや、どーみてもがっちりラプちゃんが抱っこしてるじゃん」
ラプ「保護する…」
ハイト「ダメですぅ!かれこれラプちゃんのお部屋には子猫含め兎とか計45匹います!」
ラプ「ヴィーラ様に聞くもん…ムス」
ハイト「はいは~い!だめでぇ~す!」
ハイト「僕はエーレン桾と違って優しくないからね!ズルズル」
ラプ「みぃ゙ぢゃぁ゙~ん…」
ハイト「名前を勝手につけない!ペシッ!」
ラプ「ハイトさんの意地悪ぅ゙~…」
mb「あ!ハイトさん!ラプさん!タッタッ」
ハイト「こんにちは~、今日も元気だね~」
ハイト「学生でしょ~?こんな時間におサボりかなぁ?w」
mb「あッ、あのッ…聞きたいことがあってッ…」
ハイト「おいおい、話無視すんなって😶」
ラプ「どうしたんですか」((フル無視
mb「あのッ…さっき変な人に喋りかけられたんですけどッ…」
ラプ「変な人…?」
mb「黒色のマントをしてて分かりづらかったんですけどッ…」
mb「声は男の人っぽくてッ…そしてこういってきたんですッ…」
ハイト「ぁ゙ッ?」
ラプ「……その者はどこへ…」
mb「そのあとすぐに凄く強い風が吹いて消えてしまったんですッ…」
ラプ「ヴィーラ様の国にそんな品のない国民がいたんなんて…あってはならない…」
ハイト「侵入者だッ…!ギリッ…」
ラプ「えッ?」
ハイト「急いでヴィーラ様の元へ戻るぞッッ!!!ダッ!」
ハイト「そこの奴ッ!国民全員に侵入者が居ると伝えろッ!」
mb「はッ、はいッ!タッ!」
ハイト「”ヴィーラ様ッ!急いで自室にお戻り下さいッッ!!」
ヴィーラ「”何事じゃ、耳に話しかけてくるとは…”」
ハイト「”侵入者が国にいますッ!”」
ヴィーラ「”侵入者じゃと…?”」
ハイト「”はいッ!ですから女王様は急いで安全な場所にッ!!!”」
ヴィーラ「”いや…誘き寄せる、其方らは国民達に侵入者と見分けがつくように言え”」
ラプ「”ですが…相手が月兎という可能性も…”」
ヴィーラ「いや…それはなかろう…」
ヴィーラ「”妾の国はそのような行動を取った場合モーランツ家である妾の耳に報告が行く”」
ヴィーラ「”今のとこそれは来ておらぬ…”」
ラプ「”では……”」
ヴィーラ「”…ラプはハイトが暴走せぬようにしっかり見張っておけ”」
ラプ「”御衣”」
ハイト「ヴィーラ様に何たることをッ…!」
ハイト「このような無礼をしておいてッ…ビリビリッ!」
ヴィーラ「……」
エーレン「……どうなされるおつもりで?」
ヴィーラ「今こちらにはルシアが向かっておる…」
ヴィーラ「のちに援軍も来るじゃろう…」
エーレン「…ルシアには連絡したんですか?」
ヴィーラ「当たり前じゃ、耳を持たぬ者にどう喋りかけろというのじゃ」
ヴィーラ「だが…相手が悪かったのう…w」
ヴィーラ「妾が相手をする前に…」
エーレン「……随分と気にっておられるのですね…」
エーレン「一度は殺されかけたというのに……」
ヴィーラ「別によかろう…それにルシアは人間と違い賢い…」
ヴィーラ「人間なんて何時でも裏切る…切り捨てる…」
ヴィーラ「その前に保護したまでよ…w」
エーレン「……貴方というお方は…はぁ…」
ヴィーラ「溜息を付いている暇はなさそうじゃぞ?」
ヴィーラ「ほら、」
__「……」
ヴィーラ「お客様のお出ましじゃ…」
エーレン「そこから動くな、動いた瞬間首を切るぞ…カチャ…」
__「いやぁ゙…ポリポリ」
__「何でバレたんやろ~…」
__「ワイちゃんとマントしてましたよね???」
ヴィーラ「腹立たしい…其方の経験不足じゃろう…ジトッ…」
ヴィーラ「名を名乗れ…愚か者」
エーレン「……」
__「名乗って…ググッ…!」
__「ワイに何お得があるんですかバッ!」
エーレン「”レイプレスメン”シュッ!」
__「想定内…フッ!」
ヴィーラ「なるほど…エーレンの能力も知っておるのか…」
__「もちろん、レヲン・エーレン」
__「性別は男、身長185㌢の体重は60㌔」
__「役目は女王ヴィーラの側近であり幹部…カツカツ」
__「能力は”入れ替わり”と”空想”」
エーレン「……随分とこちらのことを調べてくださってるんですね…ジトッ…」
ヴィーラ「なるほど…だったら他幹部3名の能力も知っておるのか」
__「ワイはそーゆー情報系の担当なんでね」
ヴィーラ「……なるほど…だが…スッ…」
ヴィーラ「今じゃ、」
ルシア「バサッ!」
ルシア「ヴィーラ様に刃を向けようものなら…ボッ!」
ルシア「この炎と共に燃やして差し上げよう」
__「!!」
ルシア「……」
ヴィーラ「妾と戦いたいのならまずは…」
ヴィーラ「妾の幹部を倒してからの話じゃのうw」
__「ははッwやっぱりアンタは…」
ヴィーラ「……」
ルシア「ラーニウェルスム…ボッ!!」
__「バッ!」
エーレン「ゲホッ!ゴホッ!」
ヴィーラ「……」
ルシア「……逃げたみたいです…」
ヴィーラ「はぁ゙…すばっしこいコウモリじゃ…」
ヴィーラ「”国民全土に伝える、脅威は今どこにいるか分からぬ”」
ヴィーラ「”最近は誘拐も増えておるから重々気をつけよ”」
エーレン「……どうしますか…我らが女王…」
ヴィーラ「…おおよそ…どこの国のスパイかは分かっておる…カツカツ」
ヴィーラ「パチンッ!」
ルシア「月魄の弓矢…」
ヴィーラ「サラサラ…」
ヴィーラ「ちょいと離れておれ…ググッ…!」
ヴィーラ「”行き先は北の国wrwr国の総統室”」
ヴィーラ「”射抜け”パンッ!」
エーレン「いったいあの外道共に何の手紙を送りつけたんですッ…」
ヴィーラ「なぁにwただのお返しじゃw」
ルシア「ヴィーラ様…先程の者はもう外に出たかと…」
ヴィーラ「油断をするな、奴らはああ見えて思考深い…」
ヴィーラ「妾はこれから運営国の総統殿に呼ばれておるから行く…」
ルシア「……あの人外のどこがいいというのですか…ジトッ…」
ルシア「ただのヘラヘラしているだけの凡人…なにも魅力などはない…」
エーレン「ルシア、口を慎みなさい」
ヴィーラ「ははw其方は本当にらっだぁを嫌っておるのぅw」
ヴィーラ「別に良い…全世界が1人の誰かを愛すなどないからのう…w」
ルシア「私も着いていきます…」
ヴィーラ「好きにせよ…w」
エーレン「ジトッ…」
ルシア「……何か?」
エーレン「いいえ…相変わらず…」
ルシア「フフッ…w」
ルシア「褒め言葉です…♪」
__「もうやりたくないんだゾ…」
__「アホなこと言わずさっさとやれ」
__「いい加減終わらせるめぅ~」
__「もう嫌なんだゾ~!」
__「そんなん言ったt(((((」
ヒュオッ~!
__「グルッペンッッ!バッッ!」
__「!!」
パリンッ!
__「弓矢や…」
__「後数秒遅れてたら頭に刺さっとったで…クルクル」
__「一体どこのどいつや…ギリッ!」
__「待て、その弓矢に文が付いている」
__「ほんまや、シュル…」
__「”グルッペン・ヒューラ-殿”」
__「”此度は妾の国に従者を送り素敵な贈り物をしてくれたことを感謝する”」
__「は?そんなん俺聞いてへんけど…チラ」
gr「ダラダラッ…(汗)」
__「”おかげで妾の命も危機一髪”」
__「”それでお返しにこの弓矢を送らせてもらった”」
__「”今のとこ其方等は妾を殺したくてたまらないんでしょう”」
__「”だが、覚悟をしておくのだ”」
__「”其方等が思うより妾たち兎は”」
📜Memo🌕️
月兎の耳は人間や人外よりも発達しており、兎と同じくらいの聴力を持っている
その上、月兎同士では言葉に出さずとも耳で話し合うことが出来る。
そのため侵入者をすぐにあぶり出しやすいんだとか…
次回➳招 待 状
NEXT➳♡900
コメント
1件
へえぇ〰️!知らなかった!!!ラプ様?そのギャップ萌えは何ですか? 猫「イマドキ、ギャップ萌えなんて分からない奴がいるもんだなクスッ、時代遅れにもほどがある」 主、ぴっちぴちの現役なんですけど… 猫「いんや、あたしだね。」 お前は僕からみたら、もはやBB(((すまん死んだ 45匹‥ʬうちのクラスの1.2倍ぐらいかな。 おや、そんな不届き者が…