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19XX年11月05日
あの男が笑っているように思えた。そう、2日目の事だ。1日目は激しく抵抗し、苦痛に身悶えていたが、次に見た時には薬でも飲まされているのだろう、心をここに有らずといった様相だったな。刑を全うする為なのだろうが、あのような残酷な身体刑を執行するのであれば、最後まで意識をしっかりもたせるべきなのであろう。私ならそうする。
19XX年11月08日
あの刑は一種見世物のようなものだという。意識していると、人々の話題になることも少なくないようだ。特に外国人には人気があり、写真も売れると言う。成る程、野蛮で俗悪なアジア人を売りにして商売か。買う方も買う方だ、と考えたが、正に今の清国の姿を象徴してはいないか。
19XX年11月11日
件の次官に連絡を入れる。もう一度アレを見たいと言うのも癪に障るので、事務的な話をしながらそれとなく話題にしてみた。その途端、彼の口調が変わったように思えた。話の後、こちらの気持ちを見透かされたような後味の悪さを覚えていると、彼はまた連絡しますと言いながら1枚の写真を差し出した。