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09/12
kz side
目が覚めると、白い天井。
昨日はもっと茶色だった気がするけどな…
ただ、昨日の記憶がまったくない。
記憶がすっぽりと空いた、空白の1日。
何をしてたんだろう…
kz「まあ、fuに聞けばいっか!」
病室を見渡すと、壁も机もベッドも、1面白い。
ただ、1箇所だけ白では無いところがある。
それはテレビだ。
俺は暇なので、テレビをつけることにした。
しかし、流れてきたのは予想外のニュース。
「マンション 子供 飛び降り自殺か」
kz「自殺…か、」
この世の中には自殺なんていう、簡単に死ねる方法がある。
病気でもなくて、事故でもない。
まだまだ先は長いのに、その人生を無駄にするんだ。
───俺は、絶対に自殺しようとは思わない。
だって、fuにこの想い、伝えなきゃいけないし!
fu side
fu「すいません、108号室で…」
受付を通り、いつも通りkzの部屋に入る。
kzは笑顔で出迎えてくれた。
二人で話していると、kzが急にこんなことを言い出した。
kz「fuって、死にたいって思ったことある?」
とても単刀直入に言うな…と思いながらも、返答をする。
fu「俺はないかな!」
kz「そうだよな!fuはそんなやつだもん!」
fu「そんなやつってなんだよ!こんな奴でわるかったな…!」
kz「あ、拗ねたw」
fu「…kzは、思ったことあるの?」
kz「俺か〜、まあ、”居なくなりたい”って思ったことはある
けど、自分で人生を終わらせようなんて思ったことはないかな!
なんかカッコ悪いしな!」
fu「そう、だよな!」
kz「あと、その…俺って、もう死ぬ…?」
ああ、これはもう誤魔化してもダメだな、
fu「…コクッ((頷」静かに頷いた。
kz「やっぱり?まあ、例えそれが運命だろうがなんだろうが、
最後の1秒まで抗ってやるけどな!」
───君は、どこまでも”自由”な人なんだな。
寿命という時間にしばられても、
恐怖という心に邪魔をされても、
君は変わらない。
kz「…fu?どうした?」
fu「いや、kzはどこまでも自由なんだな、って」
kz「なにかに縛られてたら、自分が自分じゃなくなっちゃうからね!」
fu「なるほど…w」
kz「なんで笑うんだよぉ!せっかくいい雰囲気だったのに!」
fu「ごめんってw」
それから数分後、俺は病室を後にした。
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kzへ
今日は急にkzがあんなこと言い出してびっくりしたな…
でも、やっぱりkzはkzだな!
なんか安心したw
俺が、お前を最後まで見守るからな。
安心しろ!
fuより
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俺は不器用だ。
甘えることも出来なければ、素直な気持ちを伝えることも出来ない。
だけど、俺には俺なりのやり方がある。
fu「ごめん、kz。告白、手紙でもいいかな…w」
そんなことを呟いて数分後、俺は眠りに落ちた。
また、明日。
コメント
2件
主彡の書き方めっちゃ好きです! 続きも楽しみにしてます🫶