ずっと片思いだった僕の恋はやっと報われた。
君は少し赤らめた顔で「僕も」と言った。
君も僕のことがずっと好きだったらしい。
そんなことならもっと早く告白すればよかったな。
僕の名前は、黄。君というのは青。
昔からの幼馴染で小さい時から好きだった。
今では、結婚前提でお付き合い中。
青ちゃんは、二年間ニューヨークへ出張。
最初のころは、会えないのが寂しかったけど
今となってはそれが当たり前。
何故ならもう二年間も会っていないから。
そんな僕に赤ちゃんができた。
すぐさま青ちゃんに連絡した。
そしたら、青ちゃんはすぐ帰ってくると言った。
二年ぶりか、、とっても楽しみ!
はやく帰ってこないかなー?
今日は、青ちゃんが帰ってくる日。
僕は、膨らんだお腹をさすりながら帰りを待った。
ドアが開く音。近づく足跡。どんどん近くなっていく。
ドアノブに手をかける影が見える。
すらっとして背はそこまで高くない。
ドア越しの影でさえ、懐かしくて愛おしかった
今すぐ抱きつきたかったけどその気持ちをグッとこらえ、手に力を入れる。
青ちゃんの動きが、5秒ほど止まった。
たった5秒が僕には、とても長く感じた。
ドアが開く。
そこには、少し痩せたように見える青ちゃんがいた。
青ちゃんは、泣いていた。
僕のお腹を見て泣いていた。
ゆっくりと僕に近寄ってきてそっとお腹に手を当てる。
その瞬間青ちゃんは、肩から崩れ落ちた。
そして、また泣き出した。呼吸すらまともにできないくらいに。
こんなに泣いてるのを見るのは初めてだ。
僕は、思わず青ちゃんの頭を撫でる。
しかし、さらに呼吸が荒くなる。
なにか、ぶつぶつ言っている?
「、、、め、ね、、めんね、、ごめんね、、」
何を言っているの?どうしたの?大丈夫?
僕は、青ちゃんを思いっきり抱きしめる。
「全然帰れなくてごめんね。」
掠れて潰れそうな声でそう青ちゃんは、つぶやいた。
何を言ってるの?毎日帰ってるじゃん、?
毎晩二人でご飯作って食べてお風呂に入って一緒に寝て。
青ちゃん、どうしたの?なんでそんなに泣いているの?
僕達の子供だよ?嬉しくないの?
ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ
あ、そうだ。
そんな楽しい毎日、もう消えたんだった。
その瞬間僕は、抱きしめていた青ちゃんを思いっきり突き飛ばした。
出張に出かける前日、君はとても寂しそうにしていた。
「行きたくない。黄くんに会えなくなるのが嫌だ。」
そう僕を抱きしめた。
「幸せだなぁ」君と居ると毎日のように思う。
行って欲しくないと正直僕が一番思っていた。
仕事だから、仕方ないから
「二年なんてあっという間だよ!それに電話だってできるし」
とか言って気持ちを誤魔化してた。
そして、僕達は離れ離れ。
僕は、毎日LINEや電話をかけた。
最初は、返してくれてたのにいつの間にか既読さえつかない。
連絡届いてるのかな?心配だな。
そして、一年が過ぎた。
返事が来なくても毎日LINEを送り続けた。
僕は、自分に言い聞かせた。
忙しいだけだ。ってね。
一年半経ち、まだ一切連絡はない。
捨てられたのかな?
無理にした洗脳がどんどん解けていく。
愛が欲しい。誰でもいいから抱きしめて欲しい。
今まで溜め込んでいた性欲や欲求に向き合うことにした。
青ちゃんは、もう帰ってこないから。
いいんだ。青ちゃんが悪いんだから。
こうして僕はデタラメの愛に染まった。
本当の愛なんて要らない。
いつか捨てられちゃうから.
子供ができた。医者にそう告げられた。
青ちゃんとの子な訳がない。
だって二年もあってないんだよ?
あの一夜だけでね、、
そもそも体目的でお互い会った同士なため連絡先は、とっくに消した。
避妊しよう。すぐに思った。
その時、青ちゃんが
「帰ってきたら、二人で幸せに暮らそう!」
「子供も作って。だから、待っててね。」
と言っていたのが頭をよぎる。
涙が出そうになった。
悔しかった。悲しかった。
そうだ。
最後に青ちゃんにその報告をしてやろう。
一言「子供ができた。」
そうメッセージを送った。
いつものように既読もつかないかもしれない。
返事が来ないかもしれない。
だから、もうこれで最後のメッセージにするよ。
二年間で初めて返事がきた。
「すぐ帰る。」と。
帰ってきてどうする?
僕に浮気だと言って金を要求する?
あっちで浮気してて、僕と別れてと言ってくる?
「待ってるっ言ったじゃん!!」と怒り狂う?
しらねぇよ。僕は悪くない。今更なんだよ。
帰ってきたら、見下してやるんだ。
お前のせいだからって。どれだけ辛かったか語ってあげるよ。
帰ってくるのが楽しいだなー!
はやく帰ってこないかなー?
今日は、青ちゃんが来る日だ.
ドアが開く音。リビングのドアに人の影がうつる。
影でさえ懐かしく感じてしまう。
今すぐ抱きつきたかった。本当は。
でも、そんな気持ちを押し殺して手に力を入れる。
ドアがゆっくり開く。
そこには、懐かしい安心する。いい匂い。
すらっとしていて背は高くない。あまり変わってないようだが、少し痩せた?
、、、そんなのどうだっていいか。
驚いた。
青ちゃんは、泣いていた。
僕のお腹を見て泣いていた。
どうして泣くの?
怒らないの?なんで?
青ちゃんが僕にゆっくりと近づく。
お腹に触れた瞬間肩から崩れ落ちた。
なんで泣くの?面倒だった彼女と別れられるんだよ?
嬉しくないの?怒らないの?怒鳴らないの?
青ちゃんは、まともに息ができないくらい泣いていた。
しかも「ごめんね」そう呟いていた。
僕には、意味がわからない。
ただ、、、泣く青ちゃんをしてたら僕まで呼吸が荒くなる。
体が勝手に動き、青ちゃんの頭を撫でた。
その瞬間二人で過ごした時間が一気に蘇った。
幸せだなぁ。楽しいなぁ。ずっとこれが続けばいいのになぁ。
、、、?あれ?どうして青ちゃんはないているの?
「全然帰れなくてごめんね」
僕は、青ちゃんをだきしめた。
何を言ってるの?いつも帰ってきてるでしょ?
楽しくご飯食べてさ、、、
あれ?あーそうだ。思い出した。
もうそんな楽しい毎日消えたんだった。
その瞬間青ちゃんを突き飛ばした。
そこまで言うと、一気に涙が溢れてきて、息ができない。
後ろに崩れ落ちた青ちゃんは、立ち上がり
座り込んだ僕に近寄ってきた。
フワッとした感覚。抱きしめられた。
また呼吸が荒くなる。
僕だってずっとずっとずっと愛してたよ!
僕だって連絡が来ないなんて事くらいで嫌いになんてなれなかった。
嫌いだって自分に言い聞かせてた。
子供ができたと送ったのも
もしかしたらと、期待していたから。
でも、ひどい。今更なんだよ。
僕は毎日LINEしたんだよ?
ねぇそれは、どうゆう言い訳をするの?
でもさー。
コメント
2件
ブクマ失礼します