悪役で有名な私が恋愛してもいいんでしょうか

ちょっと待って、昨日事務所の関係者って、

うちの事務所は基本的高校生以上のはず、

「ん？どうしたの？」

ニコッと効果音がつきそうなほどの笑みを浮かべてる彼。

「ちょっと今さ、白雪さんと話したいから、なんだっけ、君、先行っててくれない？」

「な、なんでよ、わ、私は葉月と行くの、！」

美咲ちゃん、

確か美咲ちゃんって身長高い男の人苦手だったはず、

この人は身長が高めの人だから、絶対美咲ちゃん怖いはずだよね、

「み、美咲ちゃん、大丈夫、後から行くから先行っててもらってもいい？」

「え、でも、」

「後でちゃんといくから、！」

そう言うと、不満そうに「分かった」と言って体育館側に向かって歩いていった美咲ちゃん。

「ここじゃなんだからさぁ、ちょっとそっち側行こっか」

そう言って私の腕を引っ張って誰も来ないような場所に来た。

「な、なんですか、」

この人の表情、何考えているか分からない、

「昨日大丈夫だった？」

え？

し、心配してくれてるの？

「は、はい、あなたが助けてくれたおかげで、なんとか、」

「そっかそっか。それは良かった。」

ニコッとした表情は崩さない彼。

多分この心配は、本心じゃないのかもしれない、

この人の目的は？

「でさ、ここからが本題なんだけどさ、」

本題、？

「俺と付き合ってよ。葉月ちゃん」

後ろにハートマークがつきそうな感じで言った彼。

え、いや、

「ご、ごめんなさい、」

「え？なんで？あ、彼氏いんの？あーね」

納得したようにそう言った彼

「でも、絶対俺の方がいいよ？俺優しいし、あと、顔がいいしね！」

な、なんだろう、すごい自信満々だ、

いい事なんだろうけどね

「か、彼氏は居ないですし、あ、あなたと付き合う気もないです！」

そう言うと、驚いたような表情をした彼。

「じゃあ、お試しってことで付き合おうよ。」

だめだ、この人話通じてない、

これは、逃げた方がいい気がしてきた、

キーンコーンカーンコーン

ちょうどよく1時間目が始まるチャイムが鳴った

「あ、チャイム鳴ったので行きますね！それじゃあ！」

そう言って私はこの場から逃げた。