テラーノベル
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「あ、白雪さん、」
体育館へ入るともう練習をする準備をしていた。
「すみません、遅れちゃいました、」
そう言うと「大丈夫です」と言ってくれた。
そういえば、この人って
「浜野ー!ここってどんな感じ?」
「あ、ちょっとまっててください!」
浜野、
あ、この台本考えた人だ。
台本の後ろの方に浜野なぎって書いてあったのを思い出した。
ということは、演劇部の方かな、
「あの、『白薔薇の鎖』とても面白かったです!」
この作品は今まで読んできたお話の中でもトップに立てるくらい好きなお話だった。
「え、」
そう言うと、浜野さんは驚いたような表情をした。
「あ、ありがとうございます、」
あれ、気に触ることを言ってしまったかな、
「キャー!!」
心配になっていると、女子たちから黄色い歓声が聞こえてきた。
な、なに、!?
って、
「琴世くんかっこいいなあ、」
や、やっぱり同じクラスだからいるよねえ、
「えー!分かる!クールっぽいけど無邪気って言うか!」
無邪気というか、自由というか、
と、とにかく目は合わせないようにしよう、
「そろそろ練習始めます!」
あ、始まる、ええと、私は最初から出番か、
演技をする人はセリフや立ち回りなどを覚える宿題があるから、初めから一回通すみたい。
私は台本を覚えるのは得意な方だから、もちろん覚えてきた。
よし、
気合を入れて、最初の位置についた。
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