◇◇◇◇◇
千代田マンションにて。
「ここはずっとサイレントね。何か少しでも食べた方がいいわよ。」
迷宮HAPPYの5人組は、マンションのリビングに集まっている。が、誰も何も喋らない。
「その割には、みんなリビングに集結するのね。まあ、気持ちはわかるけど。」
なぜか、レベッカがここにいて、みんなに声をかけている。ハヤテの住んでいたところを見たかったのと、少しでもみんなを元気付けようと思ってのことだったが、今のところ成功していない。
「みんな、それ着るのね。ハヤテがくれたのよね。羨ましいわ。」
探索に行くわけでもないのに、5人ともトラックスーツを着て、日本刀を抱きしめている。
「サクヤってハヤテのマネージャーよね。
このあと、どうするの?」
「……。あ!私ですね。しばらくは、ここにいます。そのあとは、決まってません。」
「そうなのね。」
「それじゃ、黙ってていいから、みんなで聞いてほしいの。
私はこれから『サーベイランス』って言う独立機関を立ち上げるのよ。
この世界はハヤテに救ってもらったでしょ。
その意志を無駄にしないように、世界を監視するためにね。
ハヤテの仲間のレイナ、シズカ、アケミ、サクラ、ワカバには、その立ち上げる機関に加入してほしいと思ってるの。サクヤたちマネージャーもサポーターとして一緒にね。
だから、あなたたちの気持ちが落ち着いたらでいいから、考えて返事をちょうだいね。」
これが、レベッカなりの元気付けるためのやり方なのかもしれない。
◇◇◇◇◇
ところ変わって、天界にて。
「ようやく目覚めましたね。
おかえりなさい。ハヤテ。」
「あ!その声は!
あなたがエルミカ様ですか?」
「そうですよ。」
「あの、いきなりですいません。イースはどうなったんでしょうか?あと、桜たちは?」
「大丈夫です。イースは浄化されて、サクラたちもアースに帰りましたよ。」
「そうですか。良かった〜。
ありがとうございました!」
「いえいえ、ハヤテのおかげですよ。
私が行ければ良かったのですが、あの状況では、とても間に合わなかったのです。」
「もうこの先も大丈夫なんでしょうか?」
「そうですね。永久にというわけではありませんが、今回のことは、魔界の勢力争いが原因だったそうです。ルシフェールンからその件は収束したと連絡がありましたので、当分は大丈夫でしょう。
あとは、アースの人間次第ですかね。」
「はい。ありがとうございます!
あ!そう言えば、サランディーテ様は大丈夫だったんでしょうか?」
「そうですね。翼を失いましたからね。
今回は、彼女の行動を考慮して、天使に戻して第六位階天使に昇格させました。
ただし、彼女にはイースの門番を継続するという条件が付きましたがね。ふふふ。
彼女は納得してましたよ。」
「そっかー、良かった〜!
それで……ここは天国でしょうか?」
「いえ、ここは天界ですよ。
ハヤテは解放されてここにいます。
お疲れ様でしたね。
人間界はどうでしたか?」
「天界ですか。そうですか。
あ!いろいろありましたが、楽しかったです。
みんなのことは心配ですけど……。」
「少し早かったですが、ハヤテは解放されて、天界に住むことになりますからね。
すぐに慣れると思います。
しばらくはゆっくり休息すればいいですよ。」
「はい……やっぱり俺って死んだんですね。」
「死んではいません。解放されたのです。」
「では、地球に戻れるんですか?」
「ハヤテはせっかく解放されたのにアースに戻りたいというのですか!?
本来、ここが帰る場所なんです!」
「無理ですよね……。」
「……。ふふふ。本当にあなたは変わっていますね。かわいい子には旅をさせろ。アースのことわざでしたか。
もう少しだけ、旅をさせましょうかね。」
◇◇◇◇◇
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