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文化祭前日、教室はどこもかしこも飾りつけの真っ最中。
Hoolaのクラスは「お化け屋敷」、Hyeheheのクラスは「喫茶店」に決まっていた。
「てゆーかさ、うちのクラス地味すぎじゃない?もっと爆発的なのやればよかったのに〜〜!」
Hoolaが不満そうにぼやくと、後ろで段ボールを切っていたTootooがふんわりと首をかしげる。
「でも、Hoolaはオバケ役で目立てるじゃん〜」
「それなっ!どんだけ叫ばせるか勝負だし!」
Pomilyの面々も各々の準備を進める中、Hoolaのテンションは最高潮。
けれど、ふと、別のクラスで作業しているHyeheheの姿が気になって目で追ってしまう。
「……Hyeheheのとこ、女の子多すぎじゃない?」
Hoolaは思わず小声で呟く。
ふざけ合いながらメニューを考えてるHyeheheと、笑顔で接する女子たち。
(なに、あれ……なんか……ムカつく)
ヤキモチ。初めて感じるそのもやもやを、Hoolaは「お化けメイクの仕上がり悪いから」と誤魔化した。
⸻
そして文化祭当日。
「いらっしゃいませ〜♡ 『黒猫カフェ』へようこそ〜〜♡」
Hyeheheのクラスでは、男子がネコミミをつけ、制服で接客していた。
「なんだその顔……笑うな、Hoola」
「うっわ〜〜〜似合ってない〜〜!!やばっ、まじでやばっ!写真撮っていい!?いい!?あっ、もう撮った!!」
「クソが……」
パシャパシャとhoolaがスマホのカメラを連写する
その姿はまるで小学生のじゃれ合い——でも、周りからは「仲良いなあの二人」と噂されていた。
⸻
午後。
Hoolaのクラス「お化け屋敷」には長蛇の列ができていた。
「うぉわああ!?な、なんだよこの演出!?やりすぎじゃねぇの!?」
悲鳴を上げたのは、もちろんHyeheheだった。
「えっへっへ〜〜!びっくりした!?これね、特別にあんたのために作った“落ち武者ゾーン”!!」
「落ち武者ってなんだよ……!」
「うちらの文化祭に来たら、無事に帰れると思うなよ♡」
終始Hoolaの圧に押されつつも、Hyeheheはしっかり「楽しかった」と呟いていた。
⸻
夕方、文化祭エンディングライブ__
校庭にステージが組まれ、最後は生徒たちによるライブイベント。
舞台袖では、PompomがHoolaの肩をポンと叩く。
「Hoola、最後の曲で手振るんでしょ?Hyeheheの方向かって」
「えっ、そ……そんなん、別に……」
「いいから素直になっとけっつーの!文化祭は、一年に一度なんだから!」
ライブが始まり、夕暮れの空に音楽が響く。
「せーのっ、いっくよーーー!!!」
ステージから見る景色の中に、Hyeheheの姿。
Hoolaは、照れ隠しで大きく手を振った。
Hyeheheは、ちょっと目を伏せて、小さく手を振り返していた。
⸻
文化祭終了後、校舎裏__
人混みが去った後の静かな場所。
片づけ中だったHyeheheがHoolaを呼び止めた。
「……今日、楽しかったか?」
「ん〜……まぁ、あんたのネコミミ姿が面白すぎて、死ぬほど笑ったかな〜〜?」
「……そか。おれも……わりと、楽しかった」
「へっ?」
「Hoolaと、同じ学校で、同じ文化祭やれて、わりと、嬉しい」
「な、なにそれ……急に何言ってんのバカ……」
でも、ふたりの距離は確実に近づいていた。
沈黙のあと、Hyeheheがぽそっと呟く。
「おれ、もう少し素直になる……かも」
「……え、え〜〜!?いまの、録音すればよかった〜〜!!」
笑いながら、ふたりは並んで空を見上げた。
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